こんにちは!
理学療法士のこじろう(@reha_spine)です!!
CLINICIANSの中で主に腰痛に関する内容をアップしております。
過去の記事になりますのでこちらも合わせて読んで頂ければ幸いです。
今回は腰痛についてではありませんが、皆さんが臨床の中でよく使う言葉
「筋スパズム」
について簡単ではありますがまとめましたのでご覧下さい。
✓筋スパズムって何なの?
✓どう対処すればいいの?
と、悩まれている方にご覧頂けると、記事を読んだ後には少しスッキリして頂けると思います^^
ざっくり内容を見る
筋スパズムとは?
神経学の分野では「断続的に生じる一定の持続時間を持った異常な筋収縮状態」とされ、筋攣縮とも呼ばれます。
『痙縮』『固縮』とは区別されています。
筋スパズムと短縮の違いは?
可動規制減の原因として筋の影響がありますが、この2つの違いを理解できているでしょうか?
この違いを明確にしておかないと治療方法が行ってきますのでぜひ確認してみてください!
筋スパズムの原因は?
よくリハビリで経験する原因としては以下のようなものが多いと思います。
▷疲労性:繰り返す負荷によるもの
▷姿勢性:偏った姿勢を維持するために生じるもの
▷防御性:関節の不安定性を補うために生じるもの
▷炎症性:炎症症状から生じるもの
このように4つに分類して考えると治療方針を明確にしやすいと思います。
疲労性
可動性が低下している箇所がある場合、正常な可動性のある箇所を過剰に使用するためその周囲筋が疲労しやすくなります。
そのため可動性の低下している部位を同定し治療していきます。
また、練習内容や強度の関連性を問診で確認することも重要です。
姿勢性
偏った姿勢が長時間持続することによって過緊張状態の筋にスパズムが生じます。
その場しのぎのスパズム除去では持続的な効果は得られにくいためアライメント評価を十分に行う必要があります。
また、長時間の同一姿勢は関節や靭帯、筋膜などの固有感覚受容器を刺激することで反射的に筋スパズムを生じさせることがあります。
防御性
不安定性がある場合に、その関節の周囲に生じることがあります。その場合、筋が靭帯や関節包の代償的な役割を果たしているため、筋を緩めると逆に症状を悪化させる恐れがあります。
炎症性
炎症に対する薬物療法や物理療法を行い、それでもスパズムが残存している場合は徒手的に直接アプローチしていきます。
筋スパズムの発生機序
侵害刺激が自由神経終末を刺激し、侵害受容器である『高閾値機械受容器』『ポリボーダル受容器』に求心性に情報を伝達します。
これらの受容器は機械的刺激や熱的刺激、科学的刺激など様々な刺激に反応します。
そして組織損傷や炎症などの刺激が脊髄後角へ入力されα運動ニューロンを興奮させ、筋活動が増加します。
同時にγ運動ニューロンを興奮させ、筋紡錘へ影響を与えることで筋スパズムが発生していきます。
筋スパズムが発生するとどうなるの?
筋スパズムが遷延化すると筋内圧の増加と局所の循環障害が生じ、虚血状態の筋によって収縮から弛緩への移行が困難になります。
また、筋スパズムが長期化することで筋短縮や拘縮が進行してしまいます。
それが更に姿勢異常や関節アライメント異常へと繋がっていきます。
また、関節可動域制限でなく筋出力の低下にも繋がります。
筋スパズムが生じたらどうすればいいの?
炎症によるものであれば薬物療法や物理療法が有効です。
また、炎症期を過ぎたものであれば温熱療法は筋紡錘の活動を低下させる作用をもつため効果的です。
筋緊張を軽減するためには等尺性収縮を用いた筋弛緩法であったり、触刺激、横断マッサージなどが有用です。
また、「筋スパズムと短縮の違い」の箇所でもご説明しましたが筋スパズムは『神経筋の反射障害』が原因であるため、治療としてはシナプス抑制機構を利用した方法が有用です。
シナプス抑制機構には以下のようなものがあります。
Ia抑制:スパズムを改善したい筋の拮抗筋を十分に収縮させる
Ib抑制:対象筋の等尺性収縮、対象筋の筋腱移行部のストレッチ
反回抑制:対象筋を十分に収縮させる
マッサージだけが治療方法ではなく、これらを利用することで筋スパズムが改善されやすいための臨床で活用して頂けると幸いです。
今回の内容は以上です!
最後までご覧頂きありがとうございました。
参考文献
・斉藤秀之:筋緊張に挑む
・吉村直心:スポーツにより慢性腰部痛に対する徒手療法.臨床スポーツ医学.2014 Vol.31
臨時増刊号.p59-63
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