こんにちは!
理学療法士のこじろう(@reha_spine)です!!
CLINICIANSの中で主に腰痛に関する内容をアップしております。
過去の記事になりますのでこちらも合わせて読んで頂ければ幸いです。
今回は皆さんも臨床の中でよくみる疾患の1つである腰椎椎間板ヘルニアについて投稿させて頂きます。
ヘルニアの概要から脱出形態と予後の関係性について理解を深めていきたいと思います!
ざっくり内容を見る
椎間板ヘルニアとは
椎間板の髄核や線維輪が膨隆または脱出することによって神経根や馬尾神経を圧迫し、症状を伴うものをさします。
臨床症状は腰痛が先行してみられることが多いですが、強い下肢痛を認めることが特徴です。下肢痛は上位腰椎椎間板ヘルニアでは大腿神経痛、下位腰椎では坐骨神経痛であることが多いとされています。
疫学
まずは、教科書レベルの内容ですが今一度確認していきましょう!!
✓有病率に関しては、人口の1%。
✓男女比は約2~3:1
✓好発年齢は20~40歳代
✓好発部位はL4/5,L5/S間。
✓椎間板ヘルニアの患者で手術に至るのは10~30%程であると言われています。
✓手術の再発率は通常の椎間板摘出術では4~14%と報告されています。
✓症状は腰痛と下肢痛、知覚障害、筋力低下、深部腱反射の異常などがあります。
✓髄核の突出、脱出や遊離にまで至ると神経要素が直接圧迫されます。
病因
椎間板の加齢変化による髄核の水分減少(髄核の変性)が基盤となり、周囲の線維輪の断裂が起こり脱出します。
また、腰椎の屈曲時や屈曲に捻りが加わると圧迫力が大きくなり、椎間板膨隆のリスクを高めます。
さらに、持ち上げ動作や背部の過屈曲を伴う屈曲運動が長年繰り返されることで椎間板への負荷が強まり、ヘルニアの原因にもなります。
腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛・下肢痛のメカニズム
ヘルニアの症状は腰部痛に加えて下肢痛も生じることが多いため、それぞれいついての疼痛メカニズムについて説明していきます。
腰痛のメカニズム
①線維輪に断裂が生じることにより血管が新生します。すると神経終末が入り込み腰痛を感じるようになります。
②もう1つは膨隆した椎間板が後縦靭帯を押し上げ腰痛を引き起こします。
また、以下の部位に椎間板変性による刺激が加わることで腰部に関連痛が生じます。
下肢痛のメカニズム
坐骨神経痛の発現についてはヘルニア塊が神経根を物理的に圧迫する作用のみでなく、炎症による影響が考えられており、ヘルニア塊の組織から産生される炎症性サイトカインなども関連因子として報告されています。
腰椎椎間板ヘルニアの分類
ここからは腰椎椎間板ヘルニアの分類とその予後について触れていきたいと思います。
まずは分類の説明です。
Macnabの分類
✓protrusion型(P型)
:軽度の膨隆(髄核突出)
✓subligamentous extrusion型(SE型)
:髄核が線維輪を破っているもの(後縦靱帯を穿破していないもの)
✓transligamentous extrusion型(TE型)
:後縦靭帯まで破っているもの
✓sequestration型(S型)
:脱出したヘルニアが中央椎間板と完全に遊離したもの
ヘルニアの脱出形態による予後について
Macnabの分類を基に脱出形態とその予後について説明していきます。
後縦靭帯を破ったTE型とS型は、ヘルニア組織が生体の異物として認識されることによって免疫反応が起こり、自然吸収される可能性が高いとされています。
脱出度が強い方が被膜形成されやすいとされています。
また、自然縮小するヘルニアの特徴としては、以下のものが高率に自然縮小すると言われています。(腰椎椎間板ヘルニア 診療ガイドライン Grade B)
①ヘルニアのサイズが大きいもの
②遊離脱出したもの
③MRIでリング状に造影されるもの(ヘルニアの周囲が造影されると血管新生が起きていることを意味します。)
つまり、これらのヘルニアの場合は保存的治療による効果が高いとされるヘルニアになります。
さいごに
このように椎間板ヘルニアの画像を読みとることで予後を理解できることもあると思います。更に疼痛の解釈やDr.とのコミュニケーションにも役立つとお思いますので参考にして頂けたらと思います。
本日はこれで終了となります。最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
・元文芳和.日医大医会誌.2006.2(1).腰痛を診る-腰椎椎間板ヘルニアを中心に-
・筋骨格系のキネシオロジー
・腰椎椎間板ヘルニア 診療ガイドライン.19-24
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