こんにちは、CLINICIANSの代表のたけ(@RihaClinicians )です!
今回は、脳卒中急性期のリスク管理についてのお話です。
リスク管理となると・・・
「たくさん配慮しないといけないことがあってよくわからない」
「なにから調べたら良いのかわからない」
という方のために、脳卒中患者さんをみる際に気をつけるポイントとリスク管理をするために調べておいた方がよい項目を病態ごとにまとめました。
少しでもご参考になれば幸いです。
ざっくり内容を見る
各病態でリスクが異なることについて
以前の記事で、脳卒中発症後のリハ治療は病態と経過を把握することが重要であることについて触れました。
この記事では、脳損傷後の各病態における回復経過の違いについてお話しましたが、これと同様にリスクも病態ごとで異なるため、リスク管理を行う際の注意点は病態ごと異なります。
これを聞いてピンときていない方は、まずは上記の記事をご参照いただけるとなんとなくそのニュアンスが伝わるのではないかと思いますので、お時間があれば見てみてください。
リスク管理の総まとめ「リスク管理表」の使い方
今回は、脳卒中のリスク管理のお話ですが、各病態別に
・イベント頻発時期
・具体的なリスクと注意点
について表にしてまとめてみました。
また、おまけで
・治療別のリスク
についてもまとめています。
それぞれの内容について、詳細な説明を行っていると記事が膨大な量になってしまうので、ここでの詳細は割愛させていただき、表のみを掲載させていただいています。
わからない項目などがあるかと思いますが、各病態別にその項目を調べていただければリスク管理が適切に行える十分な内容になっていると思います。
では、以下に「イベント頻発時期」「具体的なリスクと注意点」「治療別のリスク」をまとめた表をご参照ください。
脳卒中の病態別 リスク管理表 イベント頻発時期
*BAD:Branch Atheromatous Diseaseとは?
高血圧性の穿通枝自体病変(lipohyalinosisなど)で1本が閉塞したラクナ梗塞(15mm以下の小梗塞)とは異なり、主幹動脈病変の進展を認めないのに神経症状が進行し梗塞サイズが拡大する(15mm以上)タイプの脳梗塞のこと。
主幹動脈から穿通枝が分岐する部分に存在するアテロームプラークが原因と考えられています。レンズ核線条体動脈、前脈絡叢動脈、橋傍正中枝などの血管にみられるがため、放線冠、内包、橋底部などの錐体路の損傷で運動麻痺を生じやすく、進行性の脳梗塞で治療管理に難渋することから何年か前から注目されています。
上記の図の見方を簡単にご説明します。
例えば、心原性脳梗塞の場合であれば、
・発症から数日間と2〜4週間時点に出血性梗塞
・3〜7日の間で脳浮腫
に注意しなければならないということを示しています。
図の一番右には、以前の記事でお話しした脳損傷後の回復要因をメモ程度に掲載しています。詳細は以前の記事をご覧ください。
脳卒中の病態別 リスク管理表 具体的なリスクと注意点
7心原性脳梗塞の場合、心内血栓の有無、血栓の再形成、不整脈、心不全、出血性梗塞に注意しなければならず、発症早期は心原性脳梗塞以外の全ての脳卒中患者で頭蓋内圧亢進、脳ヘルニア、脳血流低下によるペナンブラの死に注意しなければなりません。こちらも心原性脳梗塞を例に図の見方をご説明します。
これらの具体的な注意点はその下の矢印で示したような点に注意を払うことでしっかりと管理できます。
なお、心原性脳梗塞に関しては以前に血栓と離床の関連を別の記事でも触れました。合わせてこちらもご確認ください。
脳卒中の治療別 リスク管理表
脳卒中発症後の医学的管理(治療)とリスクをまとめると上記の通りです。
ご自身の患者さんがどのような治療を行われるかを把握し、掲載しているような考えられるリスクをモニタリングしながらリハを行えるように離床を行いましょう。
本日は以上で終わりです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
脳卒中患者さんをみる際に気をつけるポイントとリスク管理をするために調べておいた方がよい項目を病態ごとにまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
表が綺麗な画質ではなく、見にくくて申し訳ありません・・( ;∀;)
この表は僕が新人指導用に簡単にまとめたものですが、少しでもみなさんの役立てばと思って掲載させていただきました。
ご参考になれば幸いです。
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