こんにちは!
理学療法士のこじろう(@reha_spine)です^^
CLINICIANSの中で主に腰痛に関する内容をアップしております。
過去の記事になりますのでこちらも合わせて読んで頂ければ幸いです。
今回は『椎間板圧縮力』について考えていきたいと思います。
腰部疾患、特に椎間板性腰痛ではこの椎間板圧縮力を理解しておくことが重要になります。
なぜなら・・・
全腰痛患者のうち『椎間板性腰痛』の割合は
13%
も占めているとの報告があるからです。
こちらの記事を読んで頂ければ、腰痛患者の割合について詳細に記載しています。
椎間板圧縮力の危険水準は?
米国のNational Institute of Occupational Safety and Health(国立労働安全衛生研究所)によって行われ研究では、検体の脊柱に機械的に圧縮力を加え、年齢・性別を総合的に考慮し、
「340kg重以上の椎間板圧縮力」
を組織損傷の危険水準として定めています。
このような負荷が積み重ね生じることで椎間板への機械的ストレスは増強してしまいます。
そして、その結果・・・ぎっくり腰や椎間板ヘルニアへと末路を辿ることも十分考えられます。
では、どのような姿勢や動作が340kg重を超えるのでしょうか?
姿勢の違いによる椎間板圧縮力の大きさ
まず、ここではL4/5間の椎間板に対する圧縮力について説明します。
①立位姿勢
90kg重
②直立位からのおじぎ姿勢
200kg重
③腰をかがめて20kgの物を持つ
420kg重
④パワーポジションで20kgを持つ
310kg重
実際に臨床の中でも、何kgぐらいの物は持っていいの??と患者さんから聞かれた経験はありませんか?
何kgと言われても??って感じる人は多いのではないでしょうか。
しかし、そんな時にこれらの姿勢とそれぞれの椎間板圧縮力を理解していれば、患者指導の際に参考になるのではないでしょうか。
そして、おじぎ姿勢を取るだけでも立位時と比較すると
倍以上の力
が椎間板にかかっているということも理解できます。
つまり、おじぎ姿勢での洗顔や歯磨き動作でも立位時に比べて倍以上の負荷が椎間板にかかっていることになります。
パワーポジションによる姿勢・動作指導
同じ20kgの物を持つ動作でも姿勢の違いによって、椎間板への圧縮力が変化することはご理解頂けたと思います。
では実際に腰痛患者さんに指導するにはどのようにすれば良いのでしょうか??
先ほども出ました『パワーポジション』を参考に説明していきます。
パワーポジションとは:
持ち上げる物体に腰を近づけ、胸を張り、骨盤を前傾させ、膝を曲げる姿勢
簡単に説明しましと以下のような姿勢になります。
※写真はバーベルを下の位置に持っていますが、指導の際にはお腹の近くで持つようにしましょう!!
パワーポジションであれば誰でも危険水準を越えずに20kgの物を持つことが可能かというと、そうではありません。あくまで個人差があるため指導時には注意が必要です!!
また、腰部術後の患者さんにとっては、腰部の筋への侵襲もあるため、腰部はより不安定な状態であり、多少の負荷でも注意が必要になります!!
最後に
今回は腰痛に関連する、『椎間板圧縮力』について簡単ではございますが、説明させて頂きました。臨床ではパワーポジションにて動作指導をしているセラピストは多いと思います。
今回は、「なぜその姿勢で指導しなければいけないのか、なぜその姿勢は危ないのか」ということをより理解して頂ければ幸いです。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考文献
・松平浩:腰痛予防のエクササイズ-労働者に対する私の方法-MEDICAL REHABILITATION.No.198.2016.p63-69
・鈴木秀典:非特異的腰痛.脊椎脊髄ジャーナル.2019.Vol.32.p141-147
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