理学療法士のだいきです!
本日はウォーキングについて解説したいと思います。
ここ最近ウォーキングに関して患者さんからの問い合わせがあり、
今回はその質問と実際に答えた内容をQ&A形式でまとめてみました!
比較的簡単な内容なのでサラサラっと読んでいただいて普段の業務に役立てていただければと思います。
それではお願いします★
ざっくり内容を見る
Q1 ウォーキングっていうけど…どんな効果があるのか?
この質問結構多いです。
・ジョギングと異なり、常に足が地面についているので、膝や腰の疾患を抱えている方でもケガのリスクが少なく、手軽に始めやすい運動です。
・ウォーキングは長時間、継続して歩くことで有酸素運動ができる運動です。有酸素運動は運動時間が長くなるほど脂肪をエネルギーとして利用する割合が高まるので、主には体脂肪の減少による肥満解消や血中の中性脂肪の減少、血圧や血糖値の改善等に効果があります。
・さらに運動することによる心肺機能の改善や骨粗鬆症の予防などの効果も見込まれます。
・高齢者の方は上記に加えてサルコペニア※(加齢や疾患に伴う筋力の減少、または老化に伴う筋肉量の減少が起こること)といった等の予防・改善に有効です。
・ウォーキングによってセロトニンと言ってリラックス効果のあるホルモンが分泌されやすくなることも明らかになっており、うつ病等の精神疾患にも効果があると言われています。
とこんな感じで普段の業務では解説しております。
Q2 どのぐらい歩くと良いのか?
僕の中では二番目に多い質問です。
様々な文献インターネットで歩数の目安として1日8000~10000歩歩くと良いとされています。
更に詳しく
1日の歩数やはや歩きの時間で身体的に与えるとされる効果を下の表にまとめてあります。ご覧ください。
※東京都健康長寿医療センター 青柳幸利 活動計を用いた日常生活の身体活動計測より抜粋
歩数(1日) | はや歩き時間 | 予防(改善)できる可能性のある病気・病態 |
2,000歩 | ― | ねたきり |
4,000歩 | 5分 | うつ病 |
5,000歩 | 7.5分 | 要支援・要介護状態 |
認知症(血管性認知症、アルツハイマー病) | ||
心疾患(狭心症、心筋梗塞) | ||
脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血) | ||
7,000歩 | 15分 | がん(結腸がん、直腸がん、肺がん、乳がん、子宮内膜がん) |
動脈硬化 | ||
骨粗鬆症 | ||
骨折 | ||
7,500歩 | 17.5分 | サルコペニア(筋減少症) |
体力の低下(特に75歳以上の下肢筋力や歩行速度) | ||
8,000歩 | 20分 | 高血圧 |
糖尿病 | ||
脂質異常症 | ||
メタボリックシンドローム(75歳以上の場合) | ||
9,000歩 | 25分 | 高血圧(正常高値血圧) |
高血糖 | ||
10,000歩 | 30分 | メタボリックシンドローム(75歳未満の場合) |
12,000歩 | 40分 | 肥満 |
自身の体の気になるところが有ればこの表に当てはめて目標を立ててみてはいかがでしょうか?
最近ではスマートフォンや携帯電話に万歩計やストップウォッチの機能があるので活用するのがおすすめです。
また厚生労働省の全国調査で都道府県ごとに平均歩数が公開されております。(※2016年厚生労働省 国民健康保険・栄養調査を参照)
例えばで僕の出身地の鳥取県ですが…
成人の一日の平均歩数は全国調査によると残念ながら平均歩数が少ない「歩かない県」です。
(男性は6698歩で43位、女性は5857歩で45位。1位は男性は大阪府8762歩、女性は神奈川県7795歩。)
鳥取県特有ですが公共交通機関よりも自家用車を使う、お店と駐車場が近いので歩かなくて済む等要因はあると思いますが…。
と都道府県でのランキングも出ているので特に平均歩数が少ない都道府県の方を指導する際にはこの話をすることもあります。
特に鳥取県の方は上記の話をしてモチベーションを高めていただいております。
Q3 ウォーキングを行う際の注意点ってありますか?
先ほどの表で歩数の話はしましたが、
初めての方は一日5分のウォーキングからでも良いと思います。
・無理のない範囲から始めていきましょう。いきなり目標を高く設定しすぎないのがおすすめです。
・体調が優れないときは無理をしない、水分を取る、交通安全にも気を付けてください。
・持病や服用薬との兼ね合いもあるのでそういった方はかかりつけ医に相談してから運動を始められた方が安全です。
・運動慣れされていない方は早歩きや大股歩きをいきなりすると体を痛める原因になるので気を付けてください。
・その他理学療法士が運動療法を行う際のリスクに関しては以前の記事にまとめてありますので是非一読ください☆
・また歩かれる際にはケガや転倒予防のためにも足の大きさにあった靴を履き留め具をしっかり留める、踵トントンとして後ろに寄せる等 履き方も意識してみてください。靴の履き方に関しても以前の記事をご覧ください☆
Q4 モチベーションを維持するために何か方法ありますか?
何歩歩いたか、何分歩いたか、カレンダー等に記録を付けていくのがおすすめです。
その日の有ったことや天気なども書いておくと良いです。雨の日は、屋内の階段やその場での足踏みで代行しても良いかもしれません。
数字で記録し振り返ることが大切なのではと思います。
ただし自分の意志だけで運動が続きにくいこともあると思います。
モチベーションを維持するために、
・夕方家族みんなで歩く
・一か月の合計歩数を夫婦で競う等
一人で難しい時は他の方と「共に」ウォーキングに取り組むと良いかもしれません。
おわりに
歩行に関して簡単にまとめてみました。
もちろんこのQ&Aの内容が指導内容のすべてでは無いです。
我々理学療法士にとっては
歩行練習
目標が歩行できること
等歩くことに関して携わることが多いと思います。
その中で患者さんと歩行の話を行う際に今日の記事のような話も出してみると良いのではないかと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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