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認知症における住環境整備

こんにちは、cascade @cascade1510 )です!

私はこれまでに約10年間、訪問リハビリテーションの業務を行ってきました。

このブログでも、これまでに住環境整備について考え方や実践について書いてきたりYouTubeによる動画にて、生活環境について解説していきました。

https://youtu.be/lVokFkLp5Z4

そしてそれぞれの疾患に対して、それぞれの疾患の特徴に応じた住環境整備が必要になってきます。

前回は脳卒中における住環境整備について、その動作のレベル別に書きました。

脳卒中におけるレベル別住環境整備について

今回は、認知症における住環境整備について話していきたいと思います。

認知症について

認知症は、正常な水準に発達した知的機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態をいいます。

認知症の型はいろいろありますが、約半数を占めるのが「アルツハイマー型認知症」であり、次いで「レビー小体型認知症」、「脳血管性認知症」の順となっています。

認知症は、記憶障害、見当識障害、判断力の障害など中核症状として、妄想、抑うつ、徘徊など周辺症状が現れます。

この認知症の記憶障害に関して、新しいことを覚えるのが苦手だが、昔のことは比較的よく記憶にとどめているという特徴もあります。

また、認知症では、まずIADL(手段的日常生活動作)に困難が生じ、進行するとADL(日常生活動作)にも支障きたすといわれています。

認知症に対する住環境整備とは

認知症に対する住環境整備として、その認知症の中核症状や周辺症状から予想される事象についても考慮する必要があります。

例えば、失禁に対するアプローチを考えてみましょう。

この失禁の経験が本人にとって大きく尊厳を傷つけられることもよくあることです。

このようなことを未然に防ぐために、例えば寝室のベッドからすぐにトイレに行けるように、なるべく近い位置にトイレを配置することも工夫の1つです。

また、トイレの入り口に目印をするなど、わかりやすく配慮することも、失禁と徘徊を防止することにもつながります。

また寝室の環境について、なるべく家族の気配が感じられるような状態にして家族も見守れるよう目が行き届きやすいようにしておくことも、本人の孤立や不安感を助長させないために必要なことです。

徘徊に対する方策としては、介護保険制度の福祉用具貸与の種目にもなっている認知症老人徘徊感知機器が施設などでもよく使われています。

これは、ベッドサイドの床に感知式のマットを敷くことで、本人が足を下ろして立ち上がったりした時にブザーが鳴って知らせるようなものです。

また認知症状がある高齢者は、衣服の着替えが難しかったりします。

その原因は、筋力低下等による立位でのバランス能力低下もありますが、行為失行によるものもあります。

この更衣動作に対して、例えば落ち着いた場所でしっかりとした座位が取れる場所に座ってゆったりと着替えを行ったり、衣服が着替えやすいように同じ状態で畳んでおくことなどが挙げられます。

介助者への配慮

認知症の対象者介助する人に対する住環境整備も大切です。

例えばトイレや浴室ではしっかりと介助が横から出来るようなスペースを確保するなどしたり、失禁が起こってしまった場合にすぐに処理して清潔さを保つために、防水性があり拭き取りやすい素材の床材を用いるなどの工夫が挙げられます。

気をつけないといけないことは、大きな環境変化が起きたときの本人の精神面の影響について配慮していかなければならないことです。

本人にとっては、当然長年慣れ親しんだ生活環境が精神的にも落ち着いているはずです。

そのような中で、ガラッと生活環境を一変させてしまうと、とても不安感が高まるでしょうし、精神的に落ち着かないことも予想されます。

そのようなことを考えると、なるべく最小限に、そして小さなところから少しずつ変えてみながら様子を見ることも大切なのではないかと思います。

参考文献

野村歡、他:PTOTのための住環境整備論2.三輪書店.2012.

東京商工会議所・編. 福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト改訂5.2019.

ABOUT ME
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2020年4月大学教員へ/Physical Therapist /Ph.D in rehabilitation/ 大阪大学理学部高分子科学→修士(M.S.)→Teijin Limited研究職→大学リハ学科→博士/介護予防/訪問リハ/研究や国試の勉強などを発信 理学療法士として何ができるか、理学療法士の枠にこだわらずに何ができるか、ワクワクするような新たな可能性を追い求めていきましょう!
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