作業療法

認知機能と身体運動を組み合わせた認知作業トレーニング(COGOT:Cognitive Occupational Training)

こんにちは、作業療法士のu.s.OTです.

今回は先日の第53回日本作業療法学会(博多)でも話題となっていた認知機能と身体運動を組み合わせた認知作業トレーニング(COGOT:Cognitive Occupational Training)を簡単に紹介します.

認知機能と身体運動を組み合わせたトレーニング,,,

これを聞いてまず思い浮かぶトレーニングの対象者は,高齢者を対象とした介護予防教室ではないでしょうか?

ですが,このCOGOTは発達障害や知的障害をお持ちの子どもさんを対象に開発されたトレーニング方法です.

実は,いま,罪を犯した少年に立ち直るための教育を行う少年院で発達障害(ADHD,ASD)が注目されています.

こだわりが強い,集中力が続かないなどのために,従来の指導が通用しないことが多いことが問題となり,このような少年に対しての更生プログラムの一つとしてCOGOTが注目されています.

今回は,医療少年院で実践されている更生プログラムのCOGOTについて紹介します.

 

COGOT開発の背景

COGOTの開発の背景には,医療少年院に在院する非行少年たちが,過去に社会やアルバイトで仕事に従事していたにも関わらず,手先が不器用,仕事の手順が覚えられないなどの理由で何度も解雇されるケースがありました.

彼らの社会復帰のために少しでも不器用さを改善してあげたいとの思いから開発に至ったという背景があります.

ボディイメージがうまくできていないと物によくぶつかることがあります.

また,それは左右が分からないことや相手のマネをすることが苦手なことにもつながります.

力加減ができないと,物をよく壊したりするので,単にスポーツが苦手というレベルだけでなく,身辺自立や創作活動に支障をきたす懸念もあります.

 

COGOTの構成

プログラムは3つの分類から構成されています.

①自分の身体

②物と自分の身体

③人の身体と自分の身体

 

①自分の身体は,自分の身体に向き合い自分の身体への気付きを促す最も基本的なモジュールです.

 

続いて②物と自分の身体では①自分の身体で獲得した指,手,足などの関節の動きや力の調節をベースにして物を操作する能力を養います.

 

3つ目の③人の身体と自分の身体のモジュールでは上記2つのモジュールで獲得した能力をベースにして,他者と自己との関係性を身に付けることを目的としています.

 

特にここでは,

身体と言葉の結びつきを通じて,コミュニケーションを促すこと

も重要な目的です.

 

COGOTのフルバージョンでは1回あたり約80分,10回程度で行うように構成されています.

 

今回は,視覚と聴覚的注意機能を使ったトレーニングを1つだけ紹介します.

 

色か文字か?

では,簡単に紹介していきます.

通常は下記の説明をスライドで映写しながら説明をしていきます.

 

皆さんも下記の説明に従い体験してみましょう^^

 

①最初に色と動きを覚えましょう.

「赤は立つ(止まる)」

「黄色は走る」

「青は歩く」

これを覚えてください.

 

 

しばらく色だけをスライドに映写し色と動きを連動させた練習をします.

 

 

②次に色と動きを覚えたら文字に従い動いてもらいます.

「走る」

「立つ」

「歩く」

この文字をスライドに映写し動きを練習しましょう.

 

 

③色と文字の練習が終わったら,これからがスタートです.

 

トレーナー(進行役)が「文字」なのか「色」なのかを指示していきます.

例えば,トレーナーが「色」と指示したスライドにはフォントが青くなっている「走る」が映写されており,文字に従うのではなく,青色の「歩く」動きを要求されるという具合です.

 

このようにトレーナーが何度も「色」や「文字」の指示とスライドを変更し,指示に従った動きを練習するトレーニングになります.

このトレーニングは視覚・聴覚刺激を基にワーキングメモリなどの前頭葉機能を鍛える効果が期待されています.

なお,「色」と「文字」の組み合わせだけでなく,犬(歩く)や牛(立つ),うさぎ(走る)などの動物の「絵」を用いたり,1~3の数字で動きを練習するなどの工夫もできます.

 

 

おわりに

さて,今回は認知機能と身体運動を組み合わせた認知作業トレーニング(COGOT)を簡単に紹介しました.

COGOTは基本モジュールが3つとなっていますが,さらに細かく7つのプログラムが用意されています.

対象者も範囲が広いですし,認知機能と身体運動を組み合すパッケージされたトレーニング方法としては数少ない方法です.

興味がある方は以下のHPや文献をぜひ参照してみてください.

コグトレ研究会

 

本日は以上です.

最後まで読んで頂きありがとうございます.

 

参考資料

不器用な子どもたちへの認知作業トレーニング [ 宮口幸治 ]

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) [ 宮口 幸治 ]

ABOUT ME
たけ
たけ
理学療法士&ピラティスインストラクターをメインに姿勢・パフォーマンス改善のプロとして活動中! 過去には世界で最も患者が多い病院、某大学病院で超急性期のリハビリテーションに貢献。その他にも認定脳卒中、呼吸療法認定士、ガンリハなどの資格を保有。 超急性期から障害予防までの多岐にわたる分野の記事を執筆中!
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