こんにちはリョウ(@HealthCare_ryo)です。
今回はセラピストが知っておきたいエクセル術の第3弾です!
解説する関数は『HLOOKUP』です。
絶対に役に立つ第1弾と第2弾もぜひご覧下さい。
ざっくり内容を見る
HLOOKUPの機能
HLOOKUPは『条件に一致したデータをピックアップする』関数です。
第2弾のVLOOKUPの解説でも説明しましたが、
・対象者の平均身長や平均体重を自動で抽出したい
・対象者にあった運動プログラムを自動で抽出したい
このような設定をしたいときに用います。
ちなみにVLOOKUPとHLOOKUPの機能は同じです。
細かな仕様だけ異なるのでデータの特性や好みで使い分けてもらってOKです。
・VLOOKUP:縦方向にデータを検索して条件に一致する値をピックアップする
・HLOOKUP:横方向にデータを検索して条件に一致する値をピックアップする
HLOOKUPの活用方法
第2弾のVLOOKUPで解説したようにデータから自動で平均身長や平均体重などを引っ張ってくることが出来るのがVLOOKUPやHLOOKUPの機能です。
これを利用してさらにセラピストの業務や臨床に活用する方法が
・対象者に合った運動プログラムを自動で抽出する
・評価から妥当な結果を導き出す
上記のような活用方法です。
では実際に例を出して解説していきます。
対象者に合った運動プログラムを自動で抽出したい=HLOOKUP
【例題】
Aさんに3つのテストを実施してもらいその結果からAさんに適した運動プログラムを設定してみましょう。
・テスト1が陽性 or 陰性
・テスト2が陽性 or 陰性
・テスト3が陽性 or 陰性
とすると全部で2×2×2=8通りのパターンが存在しますよね。
この8通りのパターンをHLOOKUPで自動抽出されるように設定します。
作りたい画面はこんな感じ。
※HLOOKUPもVLOOKUPも条件は1つしか設定できませんが、実際に使用しようと思うと上記の例のように複数条件で設定する必要がある場面がほとんどです。そのため、ここでははじめから複数条件下での使い方を解説します。
①アルゴリズムの元となる表を作成
複数条件下での使い方ではここのアルゴリズムの元となる表の作成が最も大事です!
上述しましたようにHLOOKUPは条件が1つしか設定できません。
という事はそのままではテスト1,2,3すべての結果を踏まえてピックアップすることはできません。
そこで必要になってくるのが元データ範囲の加工(=アルゴリズムの元となる表の作成)が必要です。
まずは今回の様な例題の場合ですと、
テスト1,2,3の3種類それぞれに陽性 or 陰性が存在するので、
2×2×2=8通りのパターンを準備しておきます。
陽性と陰性に分けて8パターン作成します。
次に3つの条件を1つにするために新たな検索条件を作成します。
テスト1,2,3の結果を繋いで新たな検索条件とします。
『=C2&C3&C4』とします。
オートフィルで8パターンすべて設定すれば完成です。
最初の表でも検索値となるセルを作っておきます。
ここまでの表の事前準備が完成すれば後はHLOOKUPの数式を組めばOKです。
②検索値の設定
検索値は条件です。
ここでの条件はテスト1,2,3の結果となりますので先ほど設定したセルになります。
ここではテスト1,2,3の結果をまとめた『C7』となります。
③範囲の設定
続いて範囲を設定します。
範囲は上述の検索値が含まれているセルと、ピックアップしてくる運動No.が含まれたセルの範囲となります。
ここでは先ほど作成した表の『C6:J7』となります。
④行番号の設定
行番号は先ほど指定した範囲の上から数えた行の番号となります。
ここでは範囲のうちピックアップした運動No.が記された行番号となるので『2』となります。
⑤検索方法の設定
VLOOKUPと同様に検索方法には『FALSE』or『TRUE』を入力します。
FALSE:完全一致のデータをピックアップ
TRUE:近似値のデータをピックアップ
ここまでの設定でHLOOKUPの完成です。
このHLOOKUPの設定が完了するとテスト1,2,3の結果がそれぞれ陽性 or 陰性と変わるだけで、自動的に運動No.が変更するようになります。
まとめ
今回は『HLOOKUP』について解説しました。
実際の臨床現場ではテスト1,2,3の結果がこれだったらこの運動です。
なんて単純にはいきませんが要は使いようです。
「手術所見でこの所見とあの所見があったらこのリスクに気をつけよう」
などのようにフローを設定しておくとミスの回避や教育などにも利用できます。
また、一般的な健康運動指導やセルフでの運動指導のアルゴリズムの設定などにはかなり活用できます。
ぜひぜひ『HLOOKUP』を使いこなして日々の業務に活用してください!
前回記事もよければご参照ください。
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