整形外科

肘関節屈曲拘縮は肩関節に影響するのか?

こんにちは。
藤沢肩関節機能研究会 代表の郷間(@FujikataGoma)です。

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今回はこちらのCLINICIANSの記事として初めて肘関節に関する記事を投稿していきます。

実は今年の1月から始まった“肩肘マガジン”でも、私が『肩だけじゃなくて肘の投稿もしたい!!』と代表たけさん(@RihaClinicians)にお願いして“肩マガジン➡肩肘マガジン”になったんです(^^;)
メンバーのわがままを聞いてくれるリーダーに感謝です!

ということで
今回は『肘関節屈曲拘縮は肩関節に影響するのか??』というテーマでお話をしていこうと思います。

ちなみに肘関節は私がPT人生で2番目に勉強に時間を割いている関節です。
(もちろん1番は肩関節)

なぜ肘関節の勉強をしているかというと、
単純に“肩関節に非常に関与している”からです。
(ちなみに3番目以降はまんべんなく勉強をしています。)

そこで皆さんが抱くのが
”肘関節は肩関節にどのような影響があるのか?”という疑問だと思います。

全てをお話しすると長くなってしまいますので、今回は
“肘関節屈曲拘縮(伸展制限)×肩関節への影響”という部分だけ切り抜いてお話しします。
① 肩関節伸展トルクの増大により肩関節内圧の上昇➡肩関節痛への関与
② 肘の可動域低下➡肩関節のオーバーユース
③ 長さ‐張力曲線の影響➡筋発揮の不足
これらの影響が考えられるからです。

では1つずつ確認していきましょう。

肩関節機能研究会リンク

 

ちなみに私たちが運営している肩関節機能研究会HPでは肩関節に関する記事を50記事以上投稿しています(^-^)

こちらに肩関節機能研究会HPのリンクもありますのでぜひご覧ください。

⇩肩関節機能研究会HP⇩

肘関節伸展制限×肩関節への影響

①関節内圧の上昇による肩関節痛への関与

たとえば正常例と肘伸展-30°の症例がいたとします。
肩関節下垂位の状態を矢状面から観察した場合、肩甲上腕関節はどのようなアライメントになるのでしょうか?

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このように正常ではほとんど肩関節屈伸軸の0°で下垂していますが、肘関節伸展制限がある場合は上肢全体が重力により下方に引き下げられますが、肘が伸び切らないため“肩関節が軽度伸展位”となります。

一応動画でも解説しています!

ちなみに全ての関節には
close-packed position:CPP
loose-packed position:LPP
というものがあり、 肩甲上腕関節においては肩甲骨面上(scapular plane)の外転55度が最も肩甲上腕関節が弛緩するポジションであると言われています!

実は上腕骨頸部骨折術後、三角筋などで長期固定した場合“肘関節が伸展制限”が後遺症として残ってしまう症例も時々見かけます。

(実際は術前後リハビリでセラピストが“肩だけにとらわれないか否か”というのが重要になっていきます。)

そして、この場合は常に軽度肩関節伸展位であるため、肩関節の関節内圧も上昇し安静時痛や夜間自発痛に関与していると考えております。

“肘伸展制限が肩関節痛に関与する”と考えていただけるとイメージしやすいかもしれません。

②肘の可動域低下➡肩関節への負担

次に肘関節の可動域が低下することでかかる肩関節への負荷について考えていきたいと思います。
非常にシンプルです。
ADL上で肘関節が機能しない場合は隣接する肩関節に負荷がかかります。
これが肘関節制限のみの症例でしたらそこまで問題ないのですが、肩関節術後&肘関節可動域制限は酷ですよね。
とても簡単ですね。

③ 長さ‐張力曲線の影響

最後は運動学的なお話しになります。
ここについて、掘り下げてしまうと今回のテーマである肘関節へのリハビリテーションに割く時間が減ってしまいますので簡単にお話しさせていただきます。

みなさんも学生時代に長さ-張力曲線について運動学で勉強したと思います。
長さ張力曲線とは
活動張力、静止張力、全張力からなり、適切な張力となることで大きな筋収縮を得られる一方、関節可動域制限により短縮位となってしまった筋は十分な筋収縮を発揮できなることを言います。

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今回の肘関節に置き換えると
肘伸展制限⇒上腕二頭筋の短縮⇒上腕二頭筋の筋発揮不足⇒肩関節挙上動作に影響が考えられます。

これら3つの要素から考えても
“肘関節伸展制限×肩関節への影響”は無視できないものというのがわかってきますね。

ディスカッション

今回はSNSを利用して、みなさまとも様々な議論をさせていただきました。

以下、肘関節伸展制限因子が肩関節に影響する因子に関する皆様のコメントをご一読ください(^-^)✨

議論していただいた先生方含めて、みなさまありがとうございました。

肘関節伸展制限に関与する因子

そもそも肘関節伸展制限に関与する因子には何があるのでしょうか?
いくつか挙げてみましょう。

~肘関節伸展制限に関与する因子~
① 上腕筋や上腕二頭筋の伸張性低下
② 肘前方関節包の短縮
③ 肘後方関節包の詰まり(いわゆる後方インピンジメント)
関節窩周囲軟部組織の肉芽形成による肥厚
⑤ 異所性骨化 

このように並べると肘伸展制限因子だけでも結構多いですね。

これら5つの肘伸展制限因子に関する解説はまた次の機会に解説していきたいと思います。

まとめ

▪肘関節伸展制限は肩関節にも影響を及ぼす
①関節内圧の上昇による肩関節痛への関与
②肘の可動域低下➡肩関節へのOveruse
③長さ‐張力曲線の関係により十分な筋収縮が得られにくい
▪肘関節伸展制限の原因
① 上腕筋や上腕二頭筋の伸張性低下
② 肘関節前方関節包の短縮
③ 肘後方関節包の詰まり
④ 関節窩周囲軟部組織の肉芽形成による肥厚
⑤ 異所性骨化

 

参考書籍

林典雄『運動療法のための運動器超音波機能解剖拘縮治療との接点』株式会社 文光堂,2015
林典雄『運動療法のための機能解剖学的触診技術』株式会社 メジカルビュー社,2011

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