パーキンソン病の重症度分類はHoehn&Yahrのステージ分類が一般的に知られています。
また、厚生労働省研究班では生活機能障害度を分類するものを作成しています。
今回はこの2つ評価の評価方法と関係性に掲載し、おまけで特定疾患医療費補助制度の対象基準を掲載しました。
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Hoehn & Yahr 重症度分類
Hoehn & Yahr 重症度分類はステージⅠ~Ⅴの5段階評価となっています。
ステージⅠ:片側のみの障害で、機能低下はあっても軽微
ステージⅡ:両側性または躯幹の障害、平衡障害はなし
ステージⅢ:姿勢反射障害の初期徴候がみられ、方向転換とか閉脚、開眼起立時に押された際に不安定となる。身体機能は軽度から中等度に低減するが、仕事によっては労働可能で、日常生活動作は介助を必要としない。
ステージⅣ:症候は進行して、重症な機能障害を呈する。歩行と起立保持には介助を必要としないが、日常生活動作の障害は高度である。
ステージⅤ:全面的な介助を必要とし、臥床状態。
ステージⅢから姿勢反射障害が出現するため、転倒リスクが大幅に上昇します。
評価方法としてpullテストというものがあり、立位保持した患者に対して、検者が後方から引きます。この時に立ち直り反応やステッピングが出てこなければ陽性と判断します。
以下に分かりやすく解説してある文献がありましたので、実際に患者さんに使用する場合は熟読してから使用しましょう。
生活機能障害度
生活機能障害度は厚生労働省研究班が作成しており、ステージⅠ~Ⅲの3段階となっています。
Ⅰ度:日常生活にほとんど介助を必要としない
Ⅱ度:日常生活、通院に介助を必要とする
Ⅲ度:起立や歩行が不能で、日常生活に全面的な介助が必要
Hoehn & Yahrと生活機能障害度の関連性
Hoehn & Yahr 重症度分類と生活機能障害度のステージはそれぞれ関連性があります。
これは、片方のステージが評価できればもう一方のステージも必然的に決定するということを示しています。
以下にそれぞれの対応を掲載します。左がHoehn&Yahr重症度分類、右が生活機能障害度です。
Hoehn & Yahrの分類と生活機能障害度の関係
ステージⅠとⅡ = Ⅰ度
ステージⅢとⅣ = Ⅱ度
ステージⅤ = Ⅲ度
Modeified Hoehn&Yahr重症度分類
最近では、Hoehn&Yahr重症度分類がさらに細分化されたModeified Hoehn&Yahr重症度分類があります。
0度から5度までの8段階に分類されています。
Hoehn&Yahr重症度分類と異なる点は、症状なしを0点としたこと、さらに症状の幅があったⅠ〜Ⅲを細分化していることです。
0度:パーキンソニズムなし
1度:一側性パーキンソニズム
1.5度:一側性パーキンソニズムおよび体幹障害
2度:両側性パーキンソニズムだが平衡障害なし
2.5度:軽度両側性パーキンソニズム及び後方突進あるが自分で立ち直れる
3度:軽度~中等度両側性パーキンソニズムおよび平衡障害、介助不要
4度:高度パーキンソニズムおよび平衡障害、歩行は介助なしで何とか可能
5度:介助なしでは車いすまたはベッドに寝たきり、介助でも歩行困難
特定疾患〈難病〉医療費補助制度の対象
パーキンソン病は特定疾患〈難病〉医療費補助制度の対象となるためには重症度の程度により異なります。
重症度と特定疾患医療費補助制度の対象を知ることで、こちらから患者、家族に制度について提案することができます。
以下に各評価と対象となる重症度の程度を掲載します。
Hoehn&Yahr重症度分類は姿勢反射障害がみられるステージⅢからです。
生活機能障害度はステージⅡからです。
Modeified Hoehn&Yahr重症度分類はステージⅢからです。
参考資料
1)Hoehn MM,Yahr MD:Parkinsonism:onset,progressionand mortality,Neurology 1967;17:427-442
2)神経・筋疾患調査研究班〈神経変性疾患〉.診断・治療指針〈医療従事者向け〉>>パーキンソン病関連疾患(3)パーキンソン病(公費対象).Available from URL:https://www.nanbyou.or.jp/entry/314(2018年11月26日引用)
本日は以上で終わります。
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