こんにちは、骨折研究をしているまっつぁん(@fractureprevent)です!
日本理学療法士協会の行なった会員の今後のキャリア目標と生涯教育のアンケートの中で
“最も習得したい知識・技術を1つ選択して下さい”という問いに対して
【研究論文執筆などの学術的知識】は
18%と少ない一方で、
【臨床の技術知識】は43%と非常に高い結果でした。
“研究論文執筆”と“臨床の技術知識”は全く別のものでしょうか?
私は表裏一体であると思っています。
例えば、臨床技術知識を高めた結果、
熟達した臨床家は多くの経験の中で、
“直感的”に最も効果の出る治療手技や方法を選択できるようになるでしょう。
一方で、その治療手技に法則性、規則性がなければ、それは“科学”とは言えないかもしれません。自分の診療を通して、その考え方や一般化できる法則を世間に伝える術を持つことも重要に思います。
論文の書き方シリーズでは初学者でも
必ず受理される論文をかけるノウハウをお伝えしていきたいと思います。
文献検索し論文を集める
今日お伝えしたいことは自分が研究しようとしている(論文を執筆)テーマに関連した過去の論文を多く集めることが最も重要ということです。
私は論文執筆の成功の可否の80%はこれで決まると思っています。
実際に、今まで自分が支援的に関わった研究で、受理されなかったもののほとんどはこの先行研究集めを怠っていた、もしくは十分でない(日本語のみ)のが原因と考えています。
<例>
これは“先行研究も全くない初めての研究で、結果は出たんだが考察をどう書けばいいかわからないので協力してほしい”と言われた時の例です。
確かにテーマを聞くと興味がわく、素晴らしい内容だ!と思ったのですが、そのようなテーマが簡単に落ちていることは通常あり得ません。
早速PubMed(米国国際図書館の文献検索サイト)でこのテーマをチェックしてみると、すでに多くの研究報告がされていました。
つまり、簡単に思いつくことや、日本で行なっていることは当然、世界では行われているということです。文献検索は日本語だけでは不十分で、海外含めて十分に下調べをする必要があるのです。
モデルになる良い論文を見つける
自分がこれからしたいと思っている研究に関連するテーマに最も近い“良い論文”を見つけて“真似をする”ことが初学者が論文を書くの近道となります。
では良い論文とは?ということになりますが、これは定義が難しいでしょう。なぜなら英文誌に掲載されている論文の全てが素晴らしく計画され、正しい結果で、キレのある考察がしてあるとは限らないからです。一方で、日本語雑誌でも、大変丁寧な論文もあります。
一つの大きな決め手としては方法が“実験を再現できるほど丁寧に記載されているか”と考察が“それまでの研究結果をしっかり網羅してあるか”の2点でしょう。
この2点がしっかりしていれば、その論文を元に次の研究を行う“お手本”にすることができます。
初学者はとにかく良いものを“真似る”ことが重要でしょう。一つ良い論文を見つけ、それを真似しながら書くことが受理への早道です。なぜならばその論文は厳しい査読に通って掲載されているわけですので、そのレベルの論文が書ければ、そのレベルの雑誌であれば受理される確率は高いはずです。
集めた論文をまとめる
集めた論文はどうすればいいのでしょうか?
Endnoteなどの文献収集ソフトを使って、まとめて、論文内容を数行でサマリーしておくことが重要です。自分の言葉でまとめておいて、論文を書く中ですぐに引用したり、結果をサマリーして記載することができるのです。
例えば、
論文の“はじめに”で研究テーマの最新状況や背景、
“考察”では過去の研究結果と比較して“今回の論文の結果はどうだったのか?”
を述べていきます。
ですので、逆にいうと論文を書く時点で、過去の論文をまとめたものが20本くらいはないと書きようがないのです!
私は初学者の時はエクセルに論文をまとめて、サマリーを作成していました。
サマリーしておいた文章を“コピペ”することで論文作成が非常に楽になります。
さいごに
論文を書くなんて、とても大変で離床とは別の世界と感じる方も多いかもしれませんが、そうではありません。
臨床で発見した重要なこと、治療の規則性、一般化できる技術は
伝えることで多くの人が救われます。
SNSが発展している世の中ですが、
公の場や学会で公表するには“論文執筆”は欠かせません。
学術論文を書くことは自分の臨床の財産であり、自分の分身であり、
臨床を置き換えた武器ともいえます。
1.網羅的に論文検索!
2.1つお手本になる論文を見つける
3.読んだ論文のサマリーを作っておく
少しのコツを身につけ、実際に書いてみることが最も執筆への近道かもしれませんね。
次回はより具体的な執筆のコツについてお話ししたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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