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療法士が身につけておくべき企画書の書き方【やりたいをカタチに】

療法士が身につけておくべき企画書の書き方【やりたいをカタチに】

こんにちは、だいじろう(@idoco_daijiro)です。

 

先日、こまつようすけ先生(@bridgeaichi)がこういったツイートをされていました。

とくに若手の方で、ある程度の業務がこなせるようになったときに、いろいろとやりたいことが出てきたり、職場への不満のようなものが出てくるかと思います。

 

それ自体は悪いことではないと思います。

 

が、こまつ先生がおっしゃるように「やりたいことの伝え方」はとても大切だと思います。

 

幸い、私が初めて勤務した職場ではやりたいことを「企画書」としてまとめ、上司たちに提出して認めてもらうという仕組みがあったので、この「伝え方」についてはある程度の経験があるかと思います。

 

今回は、『療法士が身につけておくべき企画書の書き方』について簡単に解説していきたいと思います。

 

 

そもそもなぜ企画書が必要なのか?

そもそもなぜ企画書が必要なのか?

そもそもなぜ企画書が必要なのでしょうか?

 

あなたの「やりたいこと」はおそらく患者さんや職場にとってメリットがあるから、やりたいと思ったんですよね?

 

じゃあ、ぜひとも実現させた方がいいと思います。

 

その「やりたいこと」を実現させるためには周囲の人にその「やりたいこと」の価値を理解して貰う必要があります。

 

そのための材料が企画書です。

 

で、企画書ってどんなこと書くの?

 

企画書は、次のような流れで書かれることをオススメします。

①現状の問題点と課題
②課題解決のための提案
③期待できるメリットと起こりうるデメリット
④導入に向けたプロトコル案

 

それぞれについて簡単に解説していきます。

 

①現状の問題点と課題

まずあなたがなぜその「やりたいこと」を思いついたのかを知ってもらう必要があります。

 

あなたは職場や組織の現状に問題や課題を感じたことがきっかけでその「やりたい」ことを思いついたと思います。

 

ここではその経緯を伝えていくことが大切です。

 

②課題解決のための提案

前述した問題や課題を解決すべく導入していきたい提案を記載します。

 

具体的にどういったことを始めていくのか、それによりなぜ前述した問題や課題が解決されるのかなどを伝えていきます。

 

③期待できるメリットと起こりうるデメリット

提案を導入したことで期待できるメリットと起こりうるデメリットについて記載します。

 

ここで言うメリット・デメリットはあなた自身の立場ではなく、それぞれの職種での立場や経営陣・役員の視点で述べていくことが大切です。

 

提案内容によっては、他部署に協力を依頼することもあるかと思います。

 

その場合、他部署におけるメリット・デメリットを提示すると、「あ、私たちのこともちゃんと考えてくれているんだ!」と信頼されやすくなります。

 

さらにメリットについては願望ではなく、「なぜそういうメリットが得られるのか」を理論立てて説明していくとより説得力が増します。

 

④導入に向けたプロトコル案

最後に実際にその提案を導入するに当たってのプロトコル案を提示していきます。

 

先ほども書いたように新たなことを始めるということは、作業が増えることになるので、何かしらのデメリットが生じます。

 

そして、そのデメリットが大きくなると期待できるメリットも得られなくなってしまいます。

 

このプロトコル案ではその起こりうるデメリットを最小限にし、期待できるメリットを最大限にするための具体的な導入過程を解説していきます。

 

もちろん提案内容によっては、初めから大きく変えることができないこともあります。

 

その場合は「どのように段階を踏んでやっていくのか」「いつまでにどこまで導入していくのか」などを書いていくと、周囲の理解も得やすいですね。

 

プロトコル案の立案のポイントとしては「これ、導入してもたいして手間じゃないんだな」と感じてもらうことです!

 

 

療法士もその「やりたいこと」を実現することで職場・組織がどうなっていくかという未来を提示し、職場として「やった方がいいこと・やるべきこと」に変えていく必要があります。

 

そのためにもいろいろな立場や視点でメリット・デメリット、対策についてプレゼンしていくことが大切です。

 

ここまで書いたのは、あくまでも企画書の一例です。

 

目的はあなたの「やりたいこと」に共感してもらい、協力を得て、実現に向けて取り組んでいくこと。

 

そのために必要な資料を企画書に盛り込んでいってみてくださいね!

 

 

いろいろな立場や視点からメリット・デメリットを伝えよう!

いろいろな立場や視点からメリット・デメリットを伝えよう!

あなたの「やりたいこと」を職場や部署の「やった方がいいこと・やるべきこと」に変えていくためには、いろいろな立場や視点でメリットやデメリットを伝えていくことが大切です。

 

理学療法部門で完結するものであれば、理学療法士と患者さんにとってのメリット・デメリットを示していく必要があるでしょうし、それが病院全体に関係するものであれば、患者さんはもちろんですが、医師部門、看護部門、医事部門、リハ部門、その他の部門も含めて、それぞれのメリット・デメリットを示していくことが求められます。

 

そのメリット・デメリットを踏まえて、施設として導入するかどうかを検討していくことになります。

 

一人の理学療法士のただ「やりたいこと」が実現しないのは分かりますよね?

 

ですが、逆にこのハードルを越えて「やりたいこと」を実現することができたら、あなたはその職場にとってかけがえのない存在になれます!

 

ただ患者さんをみることをこなすだけの療法士とは一線を画せますので、ぜひチャレンジしてもらいたいです!

 

では、メリット・デメリットとしてどういったものがあるでしょうか?

 

まずメリットとして挙げられるのは

患者さんへのメリット
・治療効果アップ
・治療時間・期間の短縮
・自己負担額の減少

▶スタッフへのメリット
・業務時間の短縮
・業務工程の簡略化
・インシデント・アクシデントの減少

施設へのメリット
・収益アップ
・支出ダウン
・患者数の増加

などがあるかと思います。

 

逆にデメリットとしては

患者さんへのデメリット
・治療効果ダウン
・治療時間・期間の延長
・自己負担額の増加

スタッフへのデメリット
・業務時間の延長
・業務工程の複雑化
・インシデント・アクシデントの増加

施設へのメリット
・収益ダウン
・支出アップ
・患者数の減少

などがありますよね。

 

いろんな部門において、それぞれのメリットとデメリットを考えることが大切です。

 

そして、デメリットに関しては事前に現実的な対策を立てて最小限に抑えられることを示せるとなお良いかと思います。

 

なんかかなり面倒臭くなってきていませんか?笑

 

ですが、本来はなにか「やりたいこと」を職場で実現するためにはここまでのことをやる必要があります。

 

そして、このような企画書をつくる経験を積み重ねていくことで、部署内のことはもちろんですが、他職種のことについても理解が深まり、視野が広がっていきます。

 

それが療法士としてのキャリアアップにもつながっていきます。

 

手間はかかりますが、ぜひチャレンジしてみてください!

 

 

療法士が身につけておくべき企画書の書き方【まとめ】

療法士が身につけておくべき企画書の書き方【まとめ】
まとめ

▶「やりたいこと」を実現するために共感を得て、協力してもらうためのプレゼン資料として企画書を作ろう!

▶ 企画書を通じて、部署内や他職種について理解し、視野が広げよう!

▶ 「やりたいこと」の実現を通じ職場に貢献して、キャリアアップしていこう!

 

いかがだったでしょうか?

 

きっとあなたが「やりたい!」と思うことは、職場だったり、患者さんだったりに何かしらのメリットがあることだと思います。

 

なので、ぜひそれを実現してもらいたいです!

 

そのためにも一手間ですが、「企画書」を書くようにしてみてください。

 

上司からの印象も大きく変わると思います!

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

ご意見・ご質問は私のTwitter(@idoco_daijiro)のDMでお受けいたします。

企画書の書き方についての相談も受け付けます!

 

P.S. こまつようすけ先生(@bridgeaichi)、ツイートを引用させていただき、ありがとうございました!

ABOUT ME
だいじろう
だいじろう
理学療法士・アスレチックトレーナー 鹿児島でコンディショニングスペースIDOCOを運営 整形外科やスポーツ現場で経験を積み、現在はフリーランスとして整形外科のアドバイザーやトレーナー活動が中心。セラピストやトレーナーの方々がもっとワクワクして活動していけるような社会を実現したいです。 整形外科やスポーツ現場での経験で培ってきた知見をお伝えしていきます!
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