整形外科

エクササイズ中に骨折!?運動療法の際にはDISH(びまん性特発性骨増殖症/ Forestier病/強直性脊椎骨増殖症)に要注意!

こんにちは、CLINICIANSの代表のたけ(@RihaClinicians です!

DISHをご存知ですか?

姿勢改善などの運動療法を行う際に特に注意しなくてはならないものに骨粗鬆症とDISHがあります。

今回は、DISHと運動療法実施時の注意点について簡単に解説します。

 

DISHとは?

DISH(Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis:びまん性特発性骨増殖症)は、Resnickらが 1975 年に提唱した

前縦靭帯の骨化を主体とする全身の骨肥厚病変で、骨に付着する靱帯や腱が骨化をきたす原因不明の非炎症性全身性進行性疾患

のことです。

四肢の様々な箇所(骨・腱付着部)に異所性の石灰化・骨化が起こりますが、脊椎、特に下位胸椎や頚椎に好発します。

DISHはForestier病や強直性脊椎骨増殖症とも言われたりします。

臨床で四肢の変形性関節症が起きにくい場所(関節ではない箇所)に骨棘の形成を認めるような場合はDISHを疑う必要性も出てくるかもしれません。

 

診断基準

DISHの診断はX線画像を用いて以下の所見をみます(Resnick&Niwayama)

1)4つ以上の椎体にまたがる連続性の骨化あるいは石灰化
2)椎間板は比較的保たれ、椎間板変性所見もない
3)椎間関節や肋骨椎体関節、仙腸関節に骨性硬直がない

 

強直性脊椎炎と紛らわしいようですが、DISH の方がより高齢で炎症所見がなく、仙腸関節炎を伴わないことなどで鑑別できます。

強直性脊椎炎は自己免疫疾患による慢性進行性の炎症性疾患であり、20歳代に多く、DISHと異なり炎症性の疾患であることから背部の痛みを引き起こすことが特徴的です。

 

症状

基本的には関節が固くなる程度で無症状です。

ただし、骨が脆いので転倒などの外力による骨折、これに伴う疼痛・神経症状が発生する事があります。

時に頸椎の病変部が下咽頭や頸部食道を後方より圧排して嚥下障害や嚥下痛、嗄声、喘鳴をきたすことがあるようです。

 

有病者特徴と危険因子

男性に多い(女性の約2倍)

・遺伝(親族にDISHの者がいる)

高齢なほど有病率が多い(加齢に伴う非炎症性変化)

・生活習慣病の方(2型糖尿病、肥満、脂質異常症、高尿酸血症)

・黄色靭帯や後縦靭帯骨化症に合併することがある

X線が使えないような臨床現場では、これらの危険因子を持っている方を問診の際に見逃さないようにチェックしておくことが重要です。

 

運動時の注意点

脊椎が癒合しているため、癒合した椎体部が一塊になり、てこのように動きます。よって、無理に伸展させるとこの部分や近隣が骨折することがあるので注意が必要です!

また、骨折しなくとも普段から近隣の可動性が良い部分が動きすぎてストレスがかかっていることなどもあり、エクササイズ時にもこの可動性が良い箇所が動き過ぎるが多いので、無理な動きをすると可動性が良いこの部分に負担がかかりやすいです。

エクササイズを行って骨折してしまった、腰や首が痛くなったということが起こらないように要注意です。

 

運動療法の進め方

このような方の運動療法はどうしたらいいかというと、股関節の可動性を出してあげましょう。

股関節は重心位置のコントロールのメインになったり、パフォーマンス向上のメイン関節になります。

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本日は以上で終わります。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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