こんにちは!
藤沢肩関節機能研究会の郷間(@FujikataGoma)です!!
先月の『烏口上腕靭帯(CHL : coraco humeral ligament)』に続いて
烏口突起から肩峰に付着する烏口肩峰靭帯(CAL:coraco acromial ligament )について
解剖学的な特徴からエコー動態、描出方法、そして上腕骨頭変位(オブリゲートトランスレーション)についてお話していきたいと思います。
烏口肩峰靭帯は臨床上とても重要な組織です。
特に拘縮肩で肩関節の内旋可動域が制限している場合は烏口肩峰靭帯が”ある組織”と癒着し滑走障害が生じている可能性が非常に高いです。
今回は、私が臨床で運動器エコーを使用する際、必ず評価する評価方法とその動態について解説していきます。
この記事を読んだ人が
少しでも烏口肩峰靭帯に興味を持っていただけたら幸いです。
それでは一つずつ解説していきます。
ざっくり内容を見る
肩関節機能研究会リンク
ちなみに私たちが運営している肩関節機能研究会HPでは肩関節に関する記事を50記事以上投稿しています(^-^)
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烏口肩峰靱帯の解剖学的特徴
烏口肩峰靭帯(CAL:coraco acromial ligament )
起始:烏口突起上外側面
停止:肩峰の前面
- 烏口肩峰靭帯は肩甲骨と肩甲骨(烏口突起と肩峰)を繋ぐ靭帯のため、常に一定の張力を維持する。
- 第二肩関節を構成し、上腕骨頭の上方変位を抑制する
- CAL直下に肩峰下滑液包が存在し、その下に棘上筋、肩甲下筋が位置する。
烏口肩峰靭帯のエコー動態
※CALのエコー動態
肩関節内外旋時に骨頭が烏口肩峰靭帯の直下を回旋している動態が確認できます。
烏口肩峰靭帯の描出方法
描出Point
烏口肩峰靭帯を描出する場合は烏口上腕靭帯(CHL)から描出すると確認しやすいです。
- 烏口上腕靭帯を描出する。
- プローブの烏口突起側を支点に扇状走査を行う。
- 肩峰前面まで走査を行うことで烏口肩峰靭帯が確認できる。
- 烏口肩峰靭帯は烏口突起と肩峰を繋ぐため、肩関節運動に依存せず一定の張力を保つ動態が観察できる。Point
烏口肩峰靭帯の描出には扇状走査が必須となります♪
烏口肩峰靭帯から観察する上腕骨頭の変位(Obligate Translation)
上腕骨頭を烏口肩峰靭帯の直下から描出すると骨頭変位(Obligate Translation)が観察できることがあります。
すなわちインピンジメントです。
このとき骨頭が①烏口突起へ変位するのか?、②烏口肩峰靭帯側へ変位するのか?、③肩峰下に変位するのかにより問題点を見つけやすくなります。
このお話は、後日しっかりお話していきたいと思います(^-^)
こちらの記事からも”オブリゲートトランスレーション”について詳しく解説しているので興味があればぜひご一読ください♪
➡https://note.com/fujikatasociety/n/nc09076ef960b
まとめ
- 烏口肩峰靭帯は肩甲骨と肩甲骨(烏口突起と肩峰)を繋ぐ靭帯のため、常に一定の張力を維持する。
- 第二肩関節を構成し、上腕骨頭の上方変位を抑制する。
- 烏口肩峰靭帯の直下に肩峰下滑液包が存在し、その下に棘上筋、肩甲下筋が位置する。
- 烏口肩峰靭帯直下には上腕骨頭が描出でき、骨頭変位を観察することができる。
- エコー動態から得られた情報で、アセスメントが立てやすくなる。
- 烏口肩峰靭帯の癒着症例では、棘上筋と癒着し内転可動域制限が生じやすい。
徒手伸張操作を行う際は立体的な癒着のイメージをもって可動域訓練を実施する必要があります。
最後に
今回は烏口肩峰靭帯の解剖学的特徴、エコー動態、描出方法、そして骨頭変位について解説していきました。
同じ烏口肩峰靭帯といっても個体差や時期(炎症期や拘縮期)によっても多少介入方法は変わっていきますので、しっかり評価したうえで適切な介入をしていきましょう♪
今後も皆さんに有益な情報がお届けできるよう尽力いたします!
以上、藤沢肩関節機能研究会 郷間でした(^ ^)
参考書籍
- 皆川洋至『超音波でわかる運動器疾患-診断のテクニック』株式会社 メジカルビュー社,2010
- 木村裕明『肩痛・拘縮肩に対するFasciaリリース肩関節周囲炎を中心に』株式会社 文光堂,2018
- 林典雄『運動療法のための運動器超音波機能解剖拘縮治療との接点』株式会社 文光堂,2015
- 林典雄『運動療法のための機能解剖学的触診技術』株式会社 メジカルビュー社,2011
藤沢肩関節機能研究会
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プロフィール
【ライター】郷間光正
【主な仕事】
・整形外科クリニックでのリハビリテーション
・パーソナルトレーニング、パーソナルケア(週2~3件)
・藤沢肩関節機能研究会の講師(月1~2回)
【資格】
・理学療法士
・運動器認定理学療法士(スポーツ領域)
・STAR スポーツリズムトレーニングディフューザー
・STAR リズムステップディフューザー
【専門分野・得意分野】
・肩関節(一般整形外科、スポーツ整形外科)
・肘関節(一般整形外科、スポーツ整形外科)
・エコーによる動態評価
・レントゲン、CT、MRI 読影術
【各種リンク】
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Note➡藤沢肩関節機能研究会 郷間
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