呼吸循環

血圧に関するアレコレと臨床応用② ~高血圧への指導~

こんにちは!

理学療法士の眞本匠です!(^^)!

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さて、今回も前回に引き続き血圧について、臨床での捉え方をまとめていきます。

前回の血圧記事をまだご覧になっていない方は、先にご一読ください(‘ω’)

血圧に関するアレコレと臨床応用➀

 

今回は、高血圧に的を絞ります。

その中でも、理学療法士として、生活習慣から、高血圧を紐解いて見ていきましょう(‘ω’)

 

 

 

高血圧の基準について

高血圧治療ガイドラインによる分類によると、以下の通りです。

Ⅰ度高血圧ー140~159または90~99

Ⅱ度高血圧ー160~179または100~109

Ⅲ度高血圧ー180以上または110以上

 

 

 

ちなみに、高齢者の場合は血管の弾性が低下しやすいので大動脈が硬化しがち。

なので、収縮期血圧が上昇し、拡張期血圧が低下しやすいです。

なので、脈圧が増大し動脈硬化による疾患のリスクが上昇します。

 

 

この基準は念頭に置いてくださいね(^-^)

 

 

さて、いきなりですが

高血圧の方を担当した時、どうしますか?

色々と挙がると思いますが、

どんな方法であれ、当たり前ですが降圧を図ります。

高齢者の高血圧の場合には、一つ大事なことがありまして・・・

 

【高齢者の場合】

血流の自動調節域が高い方で慣れてしまっているので、急激な降圧は種々の臓器に低灌流が起こる可能性があります。そのため、徐々に降圧をする必要があります。

 

言い換えると、もし仮に収縮期血圧が150~160で推移している方が、降圧薬を内服後に

100前後まで収縮期血圧が低下している場合は、臓器の低灌流所見が出現する可能性があります。

 

 

これは結構あります。コントロールしている範囲外の血圧で、かつ身体所見があれば負荷量を検討する必要がありますね。

 

 

血圧を下げる方法ー降圧薬の内服

一般的にはこれですね。

入院患者さんで血圧は安定しているなと思う方でも、薬を確認すると結構降圧薬でコントロールしている事って多いです(^-^)

 

有名どころは、以下の薬ですね。↓

・利尿薬

・β遮断薬

・α遮断薬

・アンジオテンシン変換酵素阻害薬

・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬

・Ca拮抗薬

 

 

これらの薬も、適応や副作用として注意すべきところがありますが、今回は割愛させていただきます。

降圧薬でのコントロールは、あくまで原因を追究しているわけではありません。

言わずもがなですが。

 

 

 

ではでは、

何らかの原因があって、高血圧に繋がった可能性が高いですよね。

 

 

つまり、生活習慣ですね。

 

私は、この生活習慣から、理学療法士も高血圧に対して介入の意義を見出せると考えています。

 

 

血圧を下げる方法ー生活習慣と高血圧

ここで、血圧の基礎から復習します。

血圧とは、

心拍出量×末梢血管抵抗

でしたね(‘ω’)

 

つまり、この計算式のどれかが高まると、血圧も高くなります。

ちなみに、交感神経が興奮しても、もちろん高くなります。

 

 

それでは、どんな生活習慣が高血圧に繋がるのか。まとめていきます。

 

まず、高血圧治療ガイドライン2019に記載されている、

生活習慣の修正項目について。

・減塩

・肥満の予防や改善

・節酒

・運動

・食事パターン

・禁煙

・その他(ストレス)

はい、平たく言えば、これらを是正する事です!(^^)!

ですが、これだけではないです。

 

 

これらに加え、他にも血圧上昇に関係する生活習慣があります。

・息止め

・浅い呼吸

・睡眠不足

・食べ過ぎ

・早食い

 

では、これらの是正ポイントを何点か抜粋して、ご説明します。

 

 

呼吸から見た高血圧指導

浅い呼吸&息止めは、血管を収縮させます。つまり、交感神経を亢進させ血圧を高めます。

簡単な流れは以下の通り。

 

浅い呼吸や息止めは、肺胞換気量が減少し、肺胞気酸素分圧が低下する。

肺の細動脈が収縮する。

肺動脈圧が高まり、右室圧が上昇する。

静脈血が右室に戻りにくくなる。

こんな感じです!(^^)!

まだまだ細かい機序はありますが、今回はこれで考えましょう。

 

 

そして、この様な呼吸及び息止めを引き起こす原因としては

肥満前屈姿勢が考えられます。

 

 

よって、我々としては減量を考えたアプローチや、前屈姿勢を正す動作指導が必要になります

 

では、次です。

食事から見た高血圧指導

一般的には、塩分を抑える!と言われていますが、ホントそれです。

それは、大前提とした上で、さらに指導出来るポイントがまだあります!(^^)!

 

 

 

早食い

ついつい、早食いってしちゃいますよね。空腹の時なんか、特に。

ですが高血圧の視点から見るとあまりお勧めは出来ません。

 

 

その理由としては、

・早食いによる動作で仕事量が高まる可能性があり。

・食事中は副交感神経優位になりやすいので、時間が短いと交感神経活動が低下しにくい。

・早食いにより、高血糖になり動脈硬化に繋がりやすい。

これらの理由が考えられますね。

よって、ゆっくりと食事をとることが高血圧の指導に繋がります。

 

 

 

まとめ

如何でしたか?

詳細を説明した2点以外でも、先述した項目は全て重要です。

理学療法士として、降圧薬でのコントロール範囲内で運動負荷をかけた介入をするのは当たり前です。

 

 

それだけで終わらず、生活習慣を是正するための指導も追加していくことを強くお勧めします!(^^)!

 

今回の内容は以上です! 気になる点がありましたら、TwitterのDMにてお待ちしております。

 

参考文献

(1)安倍 紀一郎 循環機能学と循環器疾患のしくみ 日総研出版 2014年

(2)岡庭 豊 病気がみえる vol.2 循環器 第3版 メディックメディア 2014年

(3)日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2019 ライフサイエンス 2019年

ABOUT ME
眞本 匠
眞本 匠
運動器認定理学療法士。全ての治療家に向けて。投稿は、臨床に繋がる論文解説と、生理学や生物物理学等の基礎分野の臨床応用が中心です(マッサージやストレッチ等の徒手、運動療法) Twitterでは、タイムリーなこれらの情報、noteでは集約して臨床で汎化出来る様にまとめた内容を配信中しているのでぜひこちらもチェックを!ご依頼はtwitterのDMよりお待ちしております^ ^
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