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筋力トレーニングの基本とエビデンスまとめをわかりやすく解説!

こんにちは、こじろうです!

前回はストレッチの適正時間について報告させていただきました。

今回は筋力トレーニングの基本とエビデンスまとめをわかりやすく解説します!

今回の記事を読むメリットは以下です。

記事を読むメリット

✔️セラピストは臨床中の筋力トレーニングの疑問が解決する

✔️筋力トレーニングの重要な原則がわかる

✔️トレーニング強度や回数の具体値がわかる

✔️エビデンスについてわかる

✔️効果的なトレーニングの仕方がわかる

 

皆さんも一度は聞いたことがある内容だと思いますが、具体的に臨床で使えるように簡単にまとめたのでご参照ください。

 

筋力強化の 3 原則

筋力強化を行うためには以下の3つの原則が重要です。

1)過負荷の原則

2)特異性の原則

3)可逆性の原則

 

過負荷の原則

心肺機能や骨格筋の筋力・筋持久力の機能を向上させるために日常生活で受ける負荷より強い負荷が必要になります。

トレーニングに慣れてくると、同じ負荷では効果が頭打ちになってしまうため、更なる向上を目指すためには負荷や量を増やす必要があります。

「1RM」とは1回が限界の負荷量になります。

上の表であれば、最高反復回数12-15回のことを「12-15RM」と表現します。

12-15RM は 1RMの70%に相当します。

この負荷量では筋肥大が期待できます。

最大筋力の20-30%は日常生活発揮される筋力に相当し、特に20%以下の筋力発揮しかない場合には筋力低下が生じ、臥床している場合に相当します。

※最近の知見では低負荷でもセット数や反復回数を上げることで同じように筋力強化が行えるということが言われています。

“たけ”
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筋力トレーニングについては以前に僕もYoutubeの音声のみで学べるシリーズでお話ししました。こちらも車の運転中や家事をしながらのながら聴きで聴いてみてください。

 

特異性の原則

ある種の能力は同種の運動を用いたトレーニングによって効果的に高められるというものです。

例えば膝 90°屈曲位で等尺性収縮にてトレーニングを行うと、その角度とその収縮様式での筋力を効果的にトレーニングできるというものです。

その一方でそれ以外の角度や収縮様式でのトレーニング効果は少ないというものです。

そのため、歩行のために鍛えたければ歩くことが重要であるということですね。

“たけ”
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僕も別のブログで関連記事を書いています。こちらもご参照ください。
▶︎ダンサー必見!全てのスポーツに共通するスキル習得の原則。身体は課題特異性にパフォーマンスが向上する

 

可逆性の原則

トレーニングを中止した場合、時間とともにその効果は消失するといったものです。

そのため、運動療法で得られた高い身体能力は生活の中で活用し「生活の中に運動」を 取り入れた指導の工夫も必要です。

例えば、ホームプログラムを退院時に指導するのではなく、初期の段階からホームプログラムを視野に入れた指導を行うことが大切です。

したがって、運動の強度や持続時間、頻度、期間という基本的な条件をFITTを踏まえて指導することが大切になります。

※バリエーションの原則とは

過負荷の原則や特異性の原則の重要性については強調されていますが、バリエーションの原則という言葉はあまり耳にすることが少ないと思います。

バリエーションの原則とは、トレーニングの効果を保つために経時的にトレーニングの要素1つまたは複数を変化させることを指します。

例えば運動量や強度をシステマティックに変化させることが長期的な効果のためには必要であることが知られています。

最近の研究では過負荷の原則と特異性の原則を考慮しながら活動様式や負荷量、頻度、運動速度などを変化させ、バリエーションを持たすことが一般の筋力トレーニングよりも有効であると言われています。

 

トレーニング時のワンポイント

トレーニング時のポイントを簡単に解説します。

等尺性トレーニングに必要な筋収縮時間

筋力強化には一定量以上の強度と一定時間の運動が必要になります。

下の表は等尺性運動に関しての目安です。

目的別の運動強度と繰り返し回数の目安

筋肥大に必要な期間

様々な要因にて多少変化はありますが、少なくとも 4 週間は必要と言われており、およそ 6-8 週間が目安となります。

 

筋力トレーニングについてのエビデンス

筋力トレーニングのエビデンスは以下の通りです。

筋活動様式

様々なレベルのトレーニングを行う人に対しても共通しているのは、求心性収縮、伸張性 収縮、等尺性収縮の筋収縮様式を含むことが推奨されている(エビデンス A)

負荷量

初心者~中級者までは1RMの60-70%の負荷で8〜12回、上級者では1RMの80-100%の負 荷が推奨されている(エビデンス A)

負荷の増加は

①1RMの何%かを増やす

②反復回数を増やしトータルでの負荷量を増加させる

③一定の範囲(8~12RM)で負荷を増加させる

このように①〜③のパターンで負荷を増やす方法もあります。

トレーニング量

初心者の初期では1回のトレーニングあたり1〜3セットが推奨されている(エビデンス A)

トレーニング1回あたり、3〜4セットが最も有効であったとの報告もある。

頻度

初心者は全身のトレーニングを週に2〜3回が推奨されている(エビデンス A)

 

 

本日は基本的なところをまとめてみました。

臨床の中では、痛みやope後の状態の変化などもあり、このようなトレーニングの原則をうまく適応できないことも多々あり、自分自身も曖昧なまま指導を行っていました。

今回の内容がこれからの臨床に少しでも役に立てばと思います。

では最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

参考文献

・市橋則明:これからの筋力トレーニングのあり方を考える-筋力トレーニングのエビデンス-.理学療法 30巻9号2013年9月:947-958

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理学療法士&ピラティスインストラクターとして姿勢・パフォーマンス改善の専門家として活動中!発信情報や経歴の詳細は以下のリンクよりご覧いただけます。
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