その他

「ありがとう」の一言は人の存在価値を高める

“たけ”
“たけ”
こんにちは、CLINICIANSの代表のたけ(@RihaClinicians です!

今回はいつもの専門知識とは違った内容の記事です。

 

今日の仕事中、僕は患者さんとのやりとりの中でふと大事なことに気がつかされました。

本当に大事なことだったので、みなさんとシェアさせていただきたくこの内容について書かせていただきます。

 

 

 

僕は約10年病院で働いています。

今日はいつも通りの仕事をしていました。

 

 

とある80歳代の患者さんの部屋でのリハビリが終わり、その部屋を出ようとしたときに患者さんが一言。

 

患者さん「先生、忘れ物していますよ

 

僕「あっ、大事なものを忘れていましたね。これがないと他の患者さんの治療ができませんね。〇〇さんのおかげで助かりました!ありがとうございます!」

 

 

 

 

患者さん「・・・・・(涙)」

 

僕「え!?どうしたんですか?!?

 

 

 

いつもの治療風景で自分としては全く違和感がなかったので僕はかなり驚きました。

しかし、理由はこの後すぐにわかりました。

 

 

 

患者さん「ありがとうって久しぶりに言われました。嬉しい言葉だね。」

 

僕「そうなんですね。でも、〇〇さんは優しい方だから、普段からありがとうという言葉はよく言われるのではないですか?」

 

患者さん「それがね・・・昔はなんでも自分のことは自分でできて、子どものこともあれこれと色々やってあげれて、人様に迷惑なんてかけたことがなかったんだけどね。歳を取るにつれて、年々自分でできないことが増えて、買い物行くときも病院にいくときも子どもに車で送り迎えしてもらわないといけない。最近では、ばあちゃん危ないからやらなくてもいいよ。俺がやっとくからあんまり動いたらだめって、家事のことや自分の身の回りのことまで息子から怒られることばっかり・・・。人からありがとうなんて言われたのは久しぶりでね。それに、今もこんな風に入院していて、みなさんに迷惑かけてしまうことばっかりで申し訳ないばかりで。私なんていなくなってしまった方がいいんじゃないかって何度も考えたりね・・。だからね、ありがとうって言われて、自分にもまだそんな風に感謝してくれることがあるんだって思うと嬉しくてね。こちらこそありがとう。」

 

 

僕はハッとしました。

 

 

患者さんにはそういう風に思っている人もいるんだなーって最初は思ったけど、今まで見てきた患者さんのことを思い返してよくよく考えてみると、同じように自分の役割がなくなっていくことによって“存在価値”がなくなっている方をたくさん見てきた気がしました・・

 

 

最近怒られてばっかり・・

自分はみんなに迷惑しかかけてない・・

生きる意味がない・・

自分がリハビリして生活に戻ったときにしたいことがない(希望がない)・・

 

 

 

・・そういうことか。

 

 

実際に患者さんの生活場面で治療をされている生活期のリハビリ担当者の方はこの辺りをよくご存知かもしれませんが、僕は日々の追われる業務のなかで見落としていました。

 

患者さん、その人にとって、ありがとうという言葉を表現することはその人そのものの存在価値を高めることに繋がります。

そして、僕たち理学療法士もしくはリハビリに携わる作業療法士、言語聴覚士、医師、看護師、その他患者さんと関わるあらゆる医療関係者はこれを一番に考えてその人の存在価値を高めるリハビリテーション医療を提供しなければなりません。

 

さらに、それを患者さんの周りを取り囲むご家族の方や地域の方々に理解してもらわなければ本当の意味でのその人そのものの存在価値は高めることができませんよね。

 

 

・・なんで今までこれにきちんと向きあってこれなかったんだろ。

だいぶ前に職場であった櫃本先生の講演会で高齢者のこのような気持ちと自分達がこれからやるべき課題についてのお話を聞いていましたが、実際にそのような場面に遭遇しないと実感できなかった自分が恥ずかしいです( ´Д`)

 

講演会のときに、櫃本先生が以下の書籍を出してるから読んでみてくださいねーなんて言ってたのを適当に流し聞きしていましたが、上記をきちんとリハに生かしたいと思ったので仕事が終わって早速本を取り寄せてみました。患者さんのこのような現状を把握して、確実に今後の医療の先をいっている良い話をしていたのは覚えているのでちゃんと噛み砕いて読んでみます。

 

 

 

今日の今日まで、僕は患者さんの存在価値について気がつくのが遅くて浅はかなリハビリしか提供できなかったかもしれないけど、これからこれをしっかり考えて頑張っていこうと思います。

 

理学療法士やっている間にこれに気がつけてよかったと思うし、このブログを見てくださる皆さんにも同じように考えてもらってリハビリを一緒に提供できたらいいなと思ったのでこの記事をかかせていただきました。

 

皆さんも自分の提供しているリハビリがその患者さんの“存在価値”を高めることができるようになるもなのかを改めて考え直してみてはいかがでしょうか?

 

そして、今すぐにでも一人一人への「」を大切にしましょう!

僕たちも、

患者さんからの「ありがとう」
ご家族の方からの「ありがとう」
一緒に働いている仲間からの「ありがとう」

 

これらがあって自分の“存在価値”が高まることで頑張れているかと思います。

惜しみなくありがとうを言いましょう。

 

 

本日は以上で終わります。

最後までお読みいただきありがとうございました!

ABOUT ME
たけ
たけ
理学療法士&ピラティスインストラクターとして姿勢・パフォーマンス改善の専門家として活動中!発信情報や経歴の詳細は以下のリンクよりご覧いただけます。
CLINICIANS公式コンテンツも要チェック!

 

充実の“note”で飛躍的に臨床技術をアップ

CLINICIANSの公式noteでは、ブログの何倍もさらに有用な情報を提供しています。“今すぐ臨床で活用できる知識と技術”はこちらでご覧ください!

≫ noteを見てみる

 

 

実践!ゼロから学べる腰痛治療マガジン

腰痛治療が苦手なセラピストは非常に多く、以前のTwitterアンケート(回答数約350名)では8割以上の方が困っている、35%はその場しのぎの治療を行っているということでしたが、本コンテンツはそんな問題を解決すべく、CLINICIANSの中でも腰痛治療が得意なセラピスト(理学療法士)4名が腰痛に特化した機能解剖・評価・治療・EBMなどを実践に生きる知識・技術を提供してくれる月額マガジンです。病院で遭遇する整形疾患は勿論、女性特有の腰痛からアスリートまで、様々な腰痛治療に対応できる内容!臨床を噛み砕いてゼロから教えてくれるちょーおすすめコンテンツであり、腰痛治療が苦手なセラピストもそうでない方も必見です!

マガジン詳細をみてみる

 

実践!ゼロから学べる足マガジン

本コンテンツでは、ベテランの足の専門セラピスト(理学療法士)6名が足に特化した機能解剖・評価・治療などを実践に生きる知識・技術を提供してくれる月額マガジンです。病院で遭遇する足の疾患は勿論、小児からアスリートまで幅広い足の臨床、エコー知見などから足を噛み砕いてゼロから教えてくれるちょーおすすめコンテンツであり、足が苦手なセラピストもそうでない方も必見です!

マガジン詳細をみてみる

 

実践!ゼロから学べる肩肘マガジン

本noteマガジンはCLINICIANSメンバーもみんな認めるベテランの肩肘治療のスペシャリスト(理学療法士)5名が肩肘の治療特化した機能解剖・評価・治療などを実践に生きる知識・技術として提供してくれます。普段エコーなどを使って見えないところを見ながら治療を展開している凄腕セラピストが噛み砕いてゼロから深いところまで教えてくれるので肩肘の治療が苦手なセラピストも必見のマガジンです!

マガジン詳細を見てみる

 

YouTube動画で“楽しく学ぶ”


実技、講義形式、音声形式などのセラピストの日々の臨床にダイレクトに役立つコンテンツが無料で学べるCLINICIANS公式Youtubeチャンネルです。EBMが重要視される中、それに遅れを取らず臨床家が飛躍的に加速していくためにはEBMの実践が不可欠。そんな問題を少しでも解決するためにこのチャンネルが作られました。将来的に大学や講習会のような講義が受けられるようになります。チャンネル登録でぜひご活用ください♪登録しておくと新規動画をアップした時の見逃しがなくなりますよ!

≫ YouTubeを見てみる

※登録しておくと新規動画をアップした時に通知が表示されます。

 

なお、一般の方向けのチャンネルも作りました!こちらでは専門家も勉強になる体のケアやパフォーマンスアップに関する動画を無料で公開していますので合わせてチャンネル登録を!

Youtubeを見てみる