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【体験マネジメント】人を動かすのでなく、人が動く仕組みづくりを

【体験マネジメント】人を動かすのでなく、人が動く仕掛けづくりを

こんにちは、だいじろう(@idoco_daijiro)です。

 

近年では、療法士も職場のなかで組織として大きくなってきており、臨床スキルだけでなく、組織マネジメントのスキルも求められるようになってきました。

 

日本では「管理職」という言葉が先行しているためか、「マネジメント=管理」というイメージが強いような印象があります。

 

なので、いかに人を動かしていくかを意識されている管理職の方も多いのではないでしょうか?

 

もちろんスタッフが自立・自律して行動するような組織を目指される方は多いかと思います。

 

ですが、「人を動かす」マネジメントしていると、常に指示を出し続けなければならないので、スタッフが自立・自律して行動するようになるには非常に時間がかかります。

 

ということは、スタッフが自立・自律して行動するようになるためには、「人を動かす」マネジメントよりも、「人が動く」マネジメントを心がけていくことが大切です。

 

では、「人が動く」マネジメントとはどういったものがあるでしょうか?

 

今回は、その「人が動く」マネジメントとして『体験マネジメント』という考え方をご紹介していきます。

 

 

人が動くようになる体験マネジメント

人が動くようになる体験マネジメント

人は体験を通してどう行動するかを決めているとされています。

 

その体験は大きく5つに分けられます。

 

【体験マネジメント】
▶ ︎Sense:五感に訴求する体験
▶︎ Feel:感情に訴求する体験
▶︎ Think:知的欲に訴求する体験
▶︎ Action:行動に訴求する体験
▶︎ Relate:所属欲に訴求する体験

 

今回はそのなかでも比較的導入しやすい「Action:行動に訴求する体験」について解説していきます。

 

 

Action:行動に訴求する体験

Action:行動に訴求する体験

アフォーダンスとも表現されますが、基本的に「人の行動は環境によって決定される」という考えでのマネジメントのことです。

 

例えばスタッフが「介入していないときの何気ない患者さんの動きを観察しない」ことが課題だったとします。

 

介入時の患者さんの動きは、意識下で行われていることが多く、ADLを反映しているとは言い難い側面があります。

 

ですので、リハビリ室内においても介入していないときの何気ない患者さんの動きを観察することが大切です。

 

では、介入していないときの何気ない患者さんの動きも観察してもらうために、あなたならどう対処しますか?

 

ストレートに「介入していないときも患者さんの動きを気にかけ、観察しなさい」と声かけする方も多いかと思います。

 

もちろんその声かけによってスタッフの行動が変わることもあるかと思います。

 

が、それはスタッフが「介入していないときも患者さんの動きを観察する」と意識していることで起こること。

 

逆に言えば、スタッフがその意識をしなくなるとまた元に戻ってしまうということですね。

 

そうなると、その都度指導しないといけなくなります。

 

新入職員に対しても指導していかないといけません。

 

これってあまり効率的ではないですよね?

 

スタッフの適切ではない行動をヒューマンエラーとして捉えていると、このような指導になるかと思います。

 

ここでも大切となるのはシステムエラーとして捉えることですね!

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スタッフの行動は環境が左右する

スタッフの行動は環境が左右する

まず、スタッフの行動変容を解決すべき課題として捉えるときには、なぜそういった行動をとってしまうのかを考えることが大切です。

 

今回のケースであれば、なぜ「介入していない患者さんの動きを観察しない」という行動をとってしまうのかを考えていくこと。

 

それをスタッフの意識・や注意の問題、つまりヒューマンエラーとして捉えず、なにかしらのシステムエラーだと捉えてみましょう!

 

介入していない患者さんの動きを観察しないのは、患者さんの介入していないときの動きが視界に入りにくい環境にあることが要因であることが多いです。

 

普段から患者さんの介入していないときの動きが視界に入る機会がなければ、「介入していないときに患者さんの動きを観察することの重要性」って分かりませんよね?

 

逆に言えば、『介入していない患者さんが視界に入るレイアウト』にするだけで、自ずとスタッフは「介入していないときの患者さんの動きを観察する」ようになったりもします。

 

もちろんこれだけですべて解決するわけではありませんが、スタッフの行動がそのスタッフの意識ではなく環境が左右しているという認識を持つことで対処法が大きく変わるということです。

 

こういった形でレイアウトを変えるだけでスタッフの行動が変わることはよくあります。

 

多くの場合、レイアウトは安全面を主に考慮して設定されているかと思います。

 

それ以外にもレイアウトに意味をもたせていくことが重要です!

 

ぜひ一度、職場のレイアウトについて見直してみてくださいね。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

ご意見・ご質問は私のTwitter(@idoco_daijiro)のDMでお受けいたします。

ABOUT ME
だいじろう
だいじろう
理学療法士・アスレチックトレーナー 鹿児島でコンディショニングスペースIDOCOを運営 整形外科やスポーツ現場で経験を積み、現在はフリーランスとして整形外科のアドバイザーやトレーナー活動が中心。セラピストやトレーナーの方々がもっとワクワクして活動していけるような社会を実現したいです。 整形外科やスポーツ現場での経験で培ってきた知見をお伝えしていきます!
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