こんにちは、理学療法士のようぞうです。
今回から少しづつ糖尿病と理学療法士との関わりについてお話していきます。
みなさんの学生の頃は解剖学や運動学の知識を詰め込んでいっぱいいっぱいになったところで、実習に出たりすることが多かったのではないでしょうか。
そして内科分野のことはかろうじて国試前に詰め込んで、国試を乗りきって臨床に出てしまうといつの間にやら忘れてしまってる・・・
そんな感じが多くの理学療法士と内科分野の関わりじゃないかと思います。
でもみなさん、自分の患者さんのカルテをもう一度見返してください。
高齢者さんの多い病院であればあるほど、合併症に糖尿病と書かれている患者さん、いませんか?
糖尿病の疫学~日頃どれくらい糖尿病と接触しますか~
では糖尿病の患者さんの数って日本でどれくらいの数おられるか分かりますか?
厚生労働省の国民健康・栄養調査結果の概要(平成28年)によると以下の通りです。
▶︎糖尿病が強く疑われる者 1000万人
▶︎糖尿病の可能性を否定できない者 1000万人
これは20歳以上の男性の28.5%、女性の21.4%に当たります。
すなわち5人に1人が糖尿病もしくは糖尿病の可能性があるということです。みなさんが臨床で患者さんに接する場合もこれくらいの割合ではないでしょうか。
また別の機会に記載しますが、糖尿病の三大合併症といわれる以下の疾患による影響も考えておく必要があります。
▶︎糖尿病網膜症:糖尿病で失明する患者数 年間3,000人
▶︎糖尿病腎症:透析導入の原因の第1位
▶︎糖尿病壊疽による足切断:非外傷性切断原因の第1位
もしかするとこれらの三大合併症の患者さんに会った方もおられるのではないでしょうか。
上記はそれぞれで理学療法・運動の禁忌事項があります。
これについては別の記事で詳細に解説します。
糖尿病ってどんな病気
糖尿病というと、”ぜいたく病”という印象がありませんか?
実際に急速に経済が発達した中国では全人口の約11%が糖尿病患者で36%近くが発症一歩手前の予備軍であると言われているようです(▶︎AFP通信2017.6.28)。
このようなこともあるので、そんなイメージがわくのかもしれません。
実際にそのような一面があることも否定できませんが、糖尿病を知る上では正しくありません。
私の師事する内科医は
「捨てるほど食べ物があり、
ボタンひとつで何でもできる現代人なら
誰でもなる病気」
と言い切っています。
私やあなたも何年後かに糖尿病といわれることはないとはいいきれません。
糖尿病(と糖代謝異常)は
「インスリン作用不足に基づく慢性高血糖状態を主徴とする代謝疾患群である」
と定義されています。
これは少し難しい書き方ですが、平たく言うと“インスリンが十分に働かないために血液中にブドウ糖が増えてしまう病気”です。
この状態を引き起こす病因としては以下の4つの種類があります。
①1型糖尿病
②2型糖尿病
③その他特定の機序・疾患によるもの
④妊娠糖尿病
もちろんそれぞれに対しての理学療法及びリハビリテーションは変わってきます。
とりあえず、今回は4つの種類があると知ってもらえたらいいかと思います。
これに関しても別の記事で解説しますね。
まとめ
本日は以上で終わります。
内容をまとめると以下の通りです!
▶︎糖尿病は糖尿病及びその予備軍は約2000万人(成人人口の5人に1人)の身近すぎる病気である。
▶︎糖尿病の引き起こす合併症は、失明・透析・切断などの重篤な事態を引き起こす。
▶︎糖尿病はインスリンが十分い働かないために血液中にブドウ糖が増えてしまう病気である。
なかなか深く接することのない糖尿病ですが、知ってみると深いものがあります。僕の投稿を読んでちょっとでも臨床の現場で気にかけてもらえたら嬉しいです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
僕も今はピラティスやエクササイズのお話をメインにアウトプットしていますが、実は以前は内部障害の理学療法もかなりやっていました。最近では知識が浅はかになってきて今っていますが、糖尿病は誰にでもなり得る病気で、予備軍の段階でいかに食い止めるかが非常に重要です。
また、重篤な三大合併症を持つ方は、知識がない状態で運動負荷をかけると病状が悪化してしまう・・なんてことは当たり前のように起こります。今後のようぞうさんの投稿も要チェックですね。
なお、基本的なリスク管理についてはnoteの方でもかなり細かいものをリリースしています。血糖値についてはまだ掲載していませんが、三大合併症のリスク管理は血圧等の管理が重要でこのnoteのアセスメント知識も役立つので興味がある方はご覧ください。
一般の方は全然興味がないかもしれませんが、血糖値のコントールはインスリン分泌をコントロールすることにもなり、以下の本を一冊持っておくといかにこれが普段に役立つかがわかりますので、こちらも興味がある方は読んでみてください。
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