こんにちは、CLINICIANSの代表のたけ(@RihaClinicians )です!
今回は足組は仙腸関節の受動的安定性を高め腹部の筋肉を弱らせて不良姿勢を招くということで、足を組むと姿勢やパフォーアンスが悪くなりますよっというお話を簡単にしたいと思います。
腹斜筋群は仙腸関節の安定化に寄与している
こちらの内外腹斜筋は普段フォースクロージャーいう筋や筋膜によって関節を安定させる機構により仙腸関節の安定化に寄与しています。
足を組むと仙腸関節の受動要素が主体になる
前述のフォースクロージャー機構の内外腹斜筋の活動は、仙腸関節の受動要素による支持が強まると働くにくくなります。
具体的には、足を組んだ時、股関節は内転内旋位になるため、仙腸関節を跨いでいる大殿筋や梨状筋、後仙腸靭帯などの組織が伸張されて張力が高まるため、仙腸関節の圧迫力が高まります。
この結果として、普段から仙腸関節の能動的な安定化機構として働いている内外腹斜筋は使われなくなり、足組の機会が増えれば増えるほど機能低下をきたしていきます。
受動要素の影響は本当にあるのか?
Snijdersらはこのような足組の際の梨状筋の状態を静止立位と比較した研究を行っており、座位で足を組むと立位に比べて21.4%も梨状筋の伸長率が増大することを報告しています。
前述の受動要素が強まることが示唆されており、能動的な安定化機構である内外腹斜筋のフォースクロージャーが不活性化されることに繋がると考えられます。
足組のデメリット
足を組んでいるときは上記で問題がなくとも、立位になった際にはこの受動的なサポートはなくなってしまいますので、再び能動的な内外腹斜筋のフォースクロージャーが必要になります。
しかし、普段から頻回に足組を行なっている人は、この能動的な内外腹斜筋のフォースクロージャーの機能が低下してしまっており、仙腸関節の不安定性が出たり、内外腹斜筋の機能低下をきたす代表的な姿勢であるスウェイバック姿勢や腰椎前弯姿勢になってしまったり、これらの影響でパフォーマンスが低下します。
この不良姿勢の中でも特に厄介なのがスウェイバック姿勢の治療ですが、これに関しては病態から評価、治療、生活指導までかなり詳細にまとめたものをnoteでリリースしていますのでこちらをご覧下さい。
なお、単純に弱っている腹斜筋を鍛えるだけの方法はこちらのブログでもご紹介ているのでそちらを見ていただいても良いかと思います。
終わりに
本日は以上で終わります。
足組って、普段どうしてもやってしまいますよね。
でも、足を組むことによって能動機構が上手く働かなくなり、不良姿勢やパフォーマンス低下をきたしてしまいます。
できるだけ足を組まないように気をつけましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考資料
・Snijders CJ et al.:Why leg crossing? The influence of common postures on abdominal muscle activity.20:1989-1993.1995.
・Snijders CJ et al.:Functional aspects of cross-legged sitting with special attention to piriformis muscles and sacroiliac joints.Spine.21:116-121.2006.
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