その他

行政との連携を上手く活用したリハビリテーション

こんにちは、cascade (@cascade1510 です!

みなさんは病院での臨床の場面では、患者さん個人についてしっかりと考えていきますよね。

現在の疾患に対してどう向き合っていくべきか。

・動作を獲得するにはどうしたらいいか。

・自宅に退院するためにはどのようにしたらよいか。

 

もちろん、大事なことです。

ただ、さらに大事なことは、退院した後にどのような生活を送ることができるかということを考えていく必要があるということであると思っています。

実際に自宅に帰ったら、はい終了!もう大丈夫!とはなりません。

 

退院したら、以前の入院する前とは違う生活が待っているかもしれません。

せっかく病院で維持していた活動量を落とすことになるかもしれません。

そこで、入院している間に退院後の生活を支えていけるよう支援できる体制を考えていきたいわけです。

 

退院後の生活を支えていけるような支援体制とは?行政との連携の必要性

例えば、本人の家族だけで支えていくには家族の負担が大きすぎるといった場合。

こんなときには以下のようなものを検討したりします。

・通所介護

・訪問介護サービス

・短期入所施設サービス

 

あるいは退院後の活動量の低下が心配であるような場合。

こんなときは以下のようなものなどが考えられます。

・通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションを利用して動作能力の維持向上を継続して図っていく、もしくは、

・住民主体で行われている体操の会に参加するように促したりする

 

通常このような支援は、病院にいるソーシャルワーカー(MSW)や、ケアマネジャーを中心に考えながらまとめていくことが多いです。

(※ケアマネジャーとの連携についてはこちらを参照してください)

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ただ、本人の動作能力や機能についての予後予測においては、我々セラピストの方がより詳細に評価できることが多く、その評価をもとにアドバイスすることもセラピストに課せられた大きな役割であると思っています。

これも多職種連携ですね。

 

そして実際に退院した後の生活については、今度は訪問リハビリテーションなど地域で関わっているセラピストが定期的に評価し、本人や家族のために最善の方法を一緒に考えていくことになります。

 

その際にも主にケアマネージャーを中心として考えていくわけですが、例えば介護保険サービス以外のこととなるとケアマネジャーの範囲外のことが多く、あまりよくわかっていない、ということも多く見られます。

 

近隣の地域にある娯楽施設などの社会資源がどこにあるのか、どのようなシステムなのか、といったことを考慮したり、調べたりする必要があります。

そこで行政という選択肢が出てきます。

これまでの私の記事ではセラピストを取り巻く多職種での連携について書いていっております。

今回は、職種というより機関になりますが、行政との連携についてお話します。

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行政とは

ここで行政のおさらいをしておきましょう。

まずはお得意のウィキペディアで紹介します。

行政(ぎょうせい、英: administration)とは、立法および司法と並ぶ国家作用の1つで、国家が国民を支配する作用のこと。 法律や条例などにより決定された内容を実現することである。

引用元:wikipedia

 

あいかわらず小難しいですね。笑

要するに市町村やその役所で働く人たちのことです。

役所での仕事、ということで、その内容は、住民の生活に関する事柄全般や、地域の問題の解決や発展のための施策について検討したりと多岐に渡ります。

 

最近では行政で働くPTやOTも増えていってる印象があります。

そんな行政と我々一般の(!?)セラピストはどのようにつながっていけばよいのでしょうか。

そのカギの1つは地域包括支援センターにあります

 

地域包括支援センター

地域包括支援センターという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

訪問リハビリや通所リハビリなど主に介護保険の領域で働かれている方々にはなじみ深いかと思います。

実は行政の仕事の内容をこの地域包括支援センターというものが委託されて行ったりしています。

それではこの地域包括支援センターの役目について紹介します。

地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんセンター)は、介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関である。各区市町村に設置される。2005年の介護保険法改正で制定された。

引用元:wikipedia

 

この地域包括支援センターには、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士が在籍していることが条件です。

“各市町村に設置されている”と書いてありますが、実際には市町村の中でもさらに中学校区程度の範囲で設置されています。

基本的にはその地域の一般住民の高齢者に対する地域支援事業を行ったり、要支援認定が出た人たちに対しての介護予防支援事業を行なったりしています。

 

地域支援事業についてはこちらを参照して下さい。

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この地域包括支援センターに相談を持ちかけることもできます。

例えばあなたが訪問リハビリの業務を行っており、対象者である要介護度1の利用者Aさんの普段の活動性の低下が気になっていたとしましょう。

家に閉じこもりがちなAさんに対して、何か活動できる範囲を広げてもらおうと考え、まずは担当のケアマネジャーさんに相談を持ちかけます。

担当のケアマネジャーさんもその人についてある程度詳しく理解しているので、その人の性格や趣味なども踏まえて考えていきます。

 

そこで必要であれば、近所で開かれているサロンや体操の会等の参加を検討します。

もちろん、近隣のいろいろなサロンがどこで開催されているか、といったことなどの地域の社会資源について詳しいケアマネジャーさんも多くいらっしゃいますが、基本的には介護保険の範囲内におけるデイサービス等については深く理解しているものの近隣の自費のフィットネスや住民主体の通いの会などについてはなかなか知らないこともあります。

そこでセラピストがケアマネジャーさんとの橋渡しと言う意味も含めて、地域包括支援センターに相談を持ちかけることも良いと思います。

行政って聞くと、なんだか「お役所」というイメージがあって取っつきにくい、と思っている人もいるかもしれません。

しかし、例えば担当している患者さんについて身体的、精神的な評価のもと、その人にとってマッチしそうな通いの場について、まずはメールなどで問い合わせたりすると、すんなりと応えてくださったりします。

電話でもいいかもしれません。

 

地域の講演会や交流会で顔の見える関係を作っていればなおさらハードルは下がります。

 

これを読んで下さっている人の中には、「このようなことは訪問リハのセラピストのする業務ではない!」と考えられる方もおられることと思います。

もちろんそのような意見があってもおかしくないと思います。

ただ、このような連携をすることも可能であり、対象者さんやその家族にとってより良い方法を探せるという点では意義があると思っています。

さらに、現在では介護予防について、国をあげて力を入れて取り組んでいく流れになっています。

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このような中で、顔の見える関係を築いていれば、行政のほうからも色んな依頼が出来やすく、より緊密な連携が取れるかもしれません。

今回は以上で終わります。

最後までご覧いただきありがとうございました!

 

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なお、note(Kazunori Kojima@研究の進め方実録)では臨床研究の進め方を私の実録をもとになるべく分かりやすく解説しています。非常に丁寧にまとめていますので、臨床研究を行っておられる方、これから始めたい方はこちらもご参照ください。
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