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理学療法士なら追求していく分野の拘縮についての一考察【その③】

こんにちは~。

理学療法士の眞本匠です ^^)

普段は、Twitterやnoteにて

論文解説や基礎分野を応用した内容を発信しています。。

興味ある方は、以下より覗いてみてください!(^^)

 

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前置きはこの辺にして。

 

 

では、今回の内容は何か?

はい、くどい様ですが、拘縮についてお伝えしていきたいと思います。

これで3回目です。笑

拘縮。大事ですよ~。関節可動域制限ではなくて、拘縮に対しての内容です。

 

 

ではでは、拘縮といっても広いので、何に着目するか?

今回は、

拘縮を止めるには局所循環を知る!

 

と題しまして(分かりにくい)、

拘縮を知るためには避けることの出来ない知見について、

出来るだけ分かりやすく、これでもかと噛み砕き、お伝えしていきたいと思います(^^)

 

 

さっそく本題に入っていきます^^

 

 

まずは、

めちゃくちゃ大事!線維化について

 

おさらいしていきましょ~う(‘_’)

 

これ、知っておかないと拘縮の予防も治療は出来ません。

知っておくと、かなり拘縮について、頭の中が整理できると思います。

 

 

線維化をなぜ知っておく必要があるのか??

局所循環の重要性を知るためには、ある用語を理解しておく必要があります。

それが、線維化です。

線維化!と聞いて、

 

知ってるよ、当たり前

聞いたことはある・・・

なにそれ?知らない  等。

こんな感じで、皆さん思われているかと。

知らない人のために、まずは用語の説明からいきます!(^^)

 

線維化というのは、

コラーゲン含有量が増えてしまうことです。

今回は筋膜のコラーゲンが増えることだけに着目します。

皮膚や臓器も線維化します

コラーゲンが増えて何が悪いのかって話ですよね。

 

ちょっとフローっぽく説明します。笑

 

関節可動域制限の責任病巣として、最重要なのは筋膜である。

筋膜を構成する主要成分はコラーゲン繊維である。

そのコラーゲン繊維が増えてしまう(線維化)と可動域制限を起こす。

よって、線維化をいかに止めるかが、拘縮の抑制へと繋がる。

はい。こんな感じですね。。。

 

コラーゲンが増えると筋膜が固くなって関節が制限されるんです。

というわけで、繊維化を食い止めましょう!

 

線維化について、興味を持っていただけましたか?笑

では、線維化を食い止めるには、それに至る機序を知らないと、だめですね。

この機序を知ることがアプローチへと繋がりますので。

はい、いきましょ~(‘ω’)

 

 

線維化が起こる機序を知りましょう。

答えを先に言っちゃいます。

線維化=不動で生じます。

 

不動してたら、なぜ、コラーゲン繊維が増えるのか、は以下のフローをご覧ください(^-^)

少しややこしいですが、しばしお付き合いください笑!

 

①関節を不動( ゚Д゚)!

②不動によりTGF-βさんが増えて、繊維芽細胞が活性してしまう(+_+)!

③活性すると、コラーゲンを増やしてしまう。(線維化完成)

④この①~③の過程で、組織は低酸素になってしまう。

この過程は3か月は続くとされている。

低酸素になると、不動4週間頃からHIF-1aが増加する。

 

このHIF-1aというのは、組織が低酸素になると姿を現すのです。

⑥低酸素になると、繊維芽細胞~筋繊維芽細胞への分化が促進される。

平たく言うと、線維化が助長。。。

 

とまあ、こんな流れになります。

 

上記のフローで説明するところの⑤と⑥を断ち切ることが、線維化の助長を抑制出来ます。

ということがご理解いただけたかと思います。

 

 

 

つまり、

低酸素を是正するには

どんなアプローチをすればいいか?

 

に繋げる必要がありますね。

臨床応用してナンボ。です。ここまでは理屈で説明できますし、要は不動が良くないんだね。で終わっちゃいます。

CLINICIANSのブログですし、アプローチのところまでお話したいと思います!

 

 

低酸素を断ち切るには筋血流を促すアプローチ!

はい。これです。低酸素ってことは、酸素が筋に運ばれていない状況ですね。

で、運ぶのは血液なので、血流を促しましょう。って話です。

単純明快です。

では、血流を促すためにはどんなアプローチがあるのか。

次はここですね

 

筋収縮弛緩、筋伸張がおすすめ。

現実的なのはこのあたりですね~^^。

温熱療法も効果が見込めますが、かなり高い温度が必要とされている様なので。

 

筋収縮中は、筋血流は低下します。また、ストレッチ中(筋伸張中)も、同様に筋血流が低下します。

ですが、筋収縮から弛緩、筋伸張から弛緩。の際に、血流がガバッと入ってきます。

 

これを、狙います。

 

 

筋収縮弛緩、筋伸張、どちらも筋血流が促進される報告は多数あります。

ちなみに、ギプス装着下で電気刺激による筋収縮を誘発させた研究では、

電気刺激をした群が

先述したTGF-βやHIF-1aの発現量が低値

でした。

また、足関節背屈角度も、電気刺激群が有意に高値を示していました。

つまり、低酸素を是正し、拘縮の進行を抑制できということですね。

 

 

 

まとめ

如何でしたか?

拘縮を予防、治療?をする上で重要な知見をまとめると、

関節不動により局所筋血流が低下すると

低酸素となりコラーゲンが増えて

線維化を引き起こす。

 

で、この線維化を抑制するためには

筋血流を促す必要がある。

 

 

そこで、我々セラピストのアプローチとして、

筋収縮弛緩、ストレッチが、

筋血流を増やす事が出来る徒手的な介入である

 

はい。とりあえず、ざっくりですがこの様な推論が必要だと思います(^^)

 

今回は以上です。臨床で血流促進!していきましょう!

 

 

最後に、noteではストレッチやマッサージ、また生理学を臨床に落とし込んだ内容を分厚くまとめて発信しています。興味ある方は、以下のリンクから覗いてみてくださ~い(^-^)

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参考文献

(1)金岡 恒治 拘縮治療のエビデンスと臨床応用 株式会社gene 2019
(2)千住 秀明 機能障害科学入門 九州神陵文庫 2010
(3)望月 久 筋機能改善の理学療法とそのメカニズム ナップ 2001
(4)渡邊 晶規 拘縮に対するストレッチが関節包に及ぼす病理組織学的影響 理学療法科学 24(3):403–409,2009
(5)奈良 勲 拘縮の予防と治療 医学書院 2003

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眞本 匠
眞本 匠
運動器認定理学療法士。全ての治療家に向けて。投稿は、臨床に繋がる論文解説と、生理学や生物物理学等の基礎分野の臨床応用が中心です(マッサージやストレッチ等の徒手、運動療法) Twitterでは、タイムリーなこれらの情報、noteでは集約して臨床で汎化出来る様にまとめた内容を配信中しているのでぜひこちらもチェックを!ご依頼はtwitterのDMよりお待ちしております^ ^
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