整形外科

運動器エコー初心者に贈る”用語”と”見方”

みなさんこんにちは。

志水です(@echohuku)

 

先月はエコーのメリット・デメリットについてお話しました

運動器エコーって
運動器エコーって何が良いの?初心者が知るべきメリット・デメリット『運動器エコー』を"なんとなく”知っている人は多いかもしれません。ですが、エコーのなにが良いのか?ということを説明できる人は多くないと思います。 この記事はエコーのメリット・デメリットについて丁寧に書いてあります。そして、読み終わる頃にはエコーの魅力に気づいた『アナタ』がいると思います。...

みなさん。運動器エコーは知っていますか?

“運動器領域”のリハビリをしているのなら、全く無知なのはちょっとマズイかもしれませんよ?

というのも、これからの時代
『エコーを使えて当たり前』の時代になるかもしれませんよ?

その理由は、こちらの動画で少し話をしています👇

 

でも、この記事にたどり着いたアタナは大丈夫。

エコー歴5年
エコー撮影件数.年間300件
エコー指導人数50人
の僕がわかりやすくお教えします!

タイトルは『用語』と『見方』ではありますが,前回触れれなかったエコーの基礎部分を軽く説明するので,『エコーのこと全然知らない』という方は読んでくださいね.

運動器エコーって?

運動器疾患、つまり

・脊椎疾患
・肩関節疾患
・膝関節疾患
・etc…

といった、整形外科領域で使う【エコー】という認識で良いと思います。

最近では、多くの整形外科病院・クリニックなどでも導入され
中堅・若手医師は”必須”とまで言われています。

エコー(超音波画像診断装置)ってなに?

簡単に言うと

「音の力」で「物の形」を知る道具です

 

一般的に『エコー』っていう言葉は、『エコーロケーション』の略で

 

日本語では『反響定位(はんきょうていい)』だそうです

 

Wikipediaの説明では

 

動物が自分が発した音が何かにぶつかって返ってきたもの(反響)を受信し、その方向と遅れによってぶつかってきたものの位置を知ること

Wikipedia 反響定位より

興味のある方だけ知っておけばいいので、興味のない人は覚える必要もないです。(僕は誰かに説明したこともないです)

 

エコーのイメージはこんなかんじで捉えてください。

エコーの説明1

 

産婦人科内科などでも

エコーを使って胎児の状態を確認してますよね?

エコー説明②

身体に害のない「音」で内部を観察する超強力なツールです!

ちなみに

身体内部を観察しようとすると身体に害がある(レントゲン・CT)か…

時間がかかる(MRI)というデメリットがあります。
(CT、MRIは費用も掛かりますしね)

つまり…
傷をつけない=侵襲がない

といったこともエコーの特徴ですね

簡単にとれるの?見れるの?

正直、描出(エコーで撮影すること)や読影は難しいです。

 

ですが、知っている人から教われば学ぶスピードは倍増します😁

ここからはエコーの画像を読影(読み解く)するのに必要になる『用語』と『撮り方の基礎』『なにがどのようにみえるのか』について説明します

どうしても本で学びたい❗という人はこちらがおすすめです👇

 

エコー用語

bookman

エコーの画像をみる(読影する)のに必須のポイントです。

実際に使っていても、意外と知らないこともあるので、復習の意味合いで読むと良いですよ

 

エコー用語①

エコー用語①

書籍や文献を読んでいても「プローブ」や「プローベ」と、統一の無い記載があったり、学会でも呼び方が違うので、ご自身の気に入った呼び方で呼んであげてください。

【豆知識】
当院のエコーは「日立」なので突起側に記載されているアルファベットは「H」となりますが、「東芝」なら「T」となっています

エコー用語②

エコー用語②

 

エコー用語③

エコー用語③

 

エコー基礎(撮り方)

basic

用語を理解したら、今度は撮り方です。ここでは主にプローブの”当て方”についてです

プローブの当て方が上手にできないと画像がキレイに映らないので,とても大切な部分になります!エコーを使える環境の人は、徹底的に練習してくださいね

エコー基礎①

エコー基礎①

これも撮る人によって若干違ったりしますが、一番は自分で撮る時に毎回同じような当てることです

エコーの画像は比較してとることが多いので、いつも同じように撮影する技術と意識を身につけてください。

後で見比べた時に「ん?前と画像の感じが違う」なんてことはしょっちゅうありますからね。

 

エコー基礎②

エコー基礎②

これはメチャクチャ重要です!当て方の基礎中の基礎。

狙った組織に対して直角に当たらないと、「これは損傷してる…かな?」みたいなことになります。

なので、しっかり直角にあたっているかプローブを傾けたりして調整します。これができていないと他者との画像共有ができなくて「撮りなおし」となることが多々あります。

エコー基礎③

エコー基礎③

持ち方は結構重要です。左図のような持ち方だとスゴく不安定で画像がブレブレになってしまいます!

特に、関節の動かしながら撮影(上級テクニック)するときには、右図のようにしっかりと身体に密着させる必要があります!

見かた(読影の)ポイント

見る狼

身体の中には

「骨」「筋」「腱」「靭帯」「神経」「血管」など多くの組織があります。

それぞれ見かた、うつり方の特徴があるので覚えておいてくださいね。

骨・筋

エコー画像①

【骨】
不動の(動かない)ため、エコーを撮る際にはランドマーク(目印)にすることが多いです。基準となる骨を正確に撮れるように練習が必要となります。
骨折のおけるエコーの威力は非常に強く、レントゲンで見逃す微細(細かい)骨折なんかはほとんど見れます!

【筋】
圧迫(押す強さ)具合によって筋は変形してしまうため、優しくプローブを当てる必要があります。関節を動かしながらの撮影時にはテクニックが必要になります。
最近では筋の「滑走性」「癒着(周りのものとくっついている)」の評価をしていますが、わかるようになると臨床で凄まじい威力を発揮しますよ!!(かなり難しいですけど…)

腱・靭帯

エコー画像②

【腱】

手の屈筋や伸筋腱、アキレス腱など炎症が生じやすい部分を撮影します。腱の断裂像なんかも容易に確認できるのでとても有用です。

【靭帯】

膝の内側側副靱帯や足関節の前距腓靭帯など、表層の靭帯は比較的簡単に撮れます。傷が治っているかの確認も靭帯ではよくします!客観的な指標として、患者さんも納得することが多いです。

神経・血管

エコー画像③

【神経】

手根管症候群や腕神経叢の障害など、神経の障害もエコーで確認できます。絞扼性(締め付ける)によるトラブルでは、問題となっている筋を同定(探しだす)するのに役立ちます!

 

【血管】

血流を主に確認しますが、急性期(怪我をした)なのでは特徴的な反応を示し「炎症」であるかどうかの判断もします(意見がわかれますが…)最近では胸郭出口症候群(TOS)の評価にも用いることができると2019年の超音波学会では大きなトピックスになっていました

さいごに

近年、運動器エコーセミナーも増えてきて情報を手にしやすくなっています。しかし、セミナーに参加しても技術はそれほどみにつきません

エコーが手元にあるのであれば、ひたすら練習です。それ以外に近道はありません。

運動器リハをしているけど、エコーが無い…という人。
こちらの動画を見て,経営者にプレゼンしてはどうでしょうか?

(何回見てもおもしろサムネイルですが…内容は結構しっかりしてます)

『エコーについてもっと知りたい』と思う方はこちらを読むとかなり勉強になりますよ.

エコーってそもそもリハで有用なの? 世界の理学療法分野における超音波画像の現状セラピストがあらゆる場面でエコーを用いる有用性はあるのか?私はとうは思いません。しかしケースによっては明らかに有用であるというエビデンスも、海外からは報告されています。リハ領域における超音波画像の日本と海外の違いに迫っていきましょう。...

エコーについての発信はYouTubeで行っているので,興味のある方はご覧ください.

 

最後は宣伝っぽくなってしまいましたが,エコーは本当に大きな可能性を秘めています。

運動器のリハを…

・これからする予定の人たち
・している人たち
・これからもしていく予定の人たち

間違いなく身につけたほうが良いですよ❗

 

ABOUT ME
志水
志水
理学療法士として整形外科クリニックで働いています。 『肩』を中心に、解剖学・運動学・生理学をベースに 『肩関節周囲炎・凍結肩・腱板損傷(断裂)・インピンジメント症候群』のリハビリを戦略的に行っています。 5年前からエコーを臨床で使っていますが、身体内を『可視化』することで得られる知見は計り知れないです。 『運動器リハにエコーは必須』というテーマで、今後は運動器リハをするセラピストにエコーの必要性を普及する活動をTwitterやYouTubeにて情報発信をしています❗
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