こんにちは!理学療法士のこじろう(@reha_spine)です!!
CLINICIANSの中で主に腰痛に関する内容をアップしております。
今回は腰部脊柱管狭窄症に至る経緯について特に初めに変性が始まる椎間板変性との関係性について説明していきたいと思います!
はじめに
『腰部脊柱管狭窄症の予防のための考え方』ということですが、ここでは、はじめに変性が始まる椎間板について説明していきたいと思います!
まず、全腰痛患者のうち『椎間板性腰痛』の割合は
13%
も占めているとの報告があります!!
こちらの記事も読んで頂けると非特異的腰痛に占める様々な腰痛の内訳が理解できます!
そしてその椎間板が変性することによって、更にどのような悪影響が脊柱へ及ぼされるか?ということについて徐々に説明していきます。
椎間板について
ではまず、椎間板について簡潔に説明していきます。
椎間板は20歳を過ぎると髄核内に多量に含まれるプロテオグリカンの減少が始まり、クッション作用が減じます。
個体差が大きく関与しますが、後天的な環境因子によっても変性の程度や進行の速さが変わってきます。
髄核の周辺の線維輪に亀裂が入りはじめ、亀裂はまず後方線維輪に起こります。
そして、髄核がその亀裂を通り脱出することで後縦靭帯を押し上げたり、靭帯を貫通し、神経根を圧迫したものが腰椎椎間板ヘルニアといいます。そして腰痛・下肢痛を生じます。
椎間板内圧は立位を100%とした場合に、上体の屈曲で150%、屈曲位での物の拳上で220%以上になります。
姿勢による椎間板内圧の違いについてはこちらをご参照ください。
加齢と椎間板変性
加齢とともに椎間板は変性し、椎間板腔が狭くなり、線維輪が緩み、外側に向かって膨隆します。その結果、外層線維輪が椎体の辺縁への付着部で化生により骨化し、骨棘が形成されます。
この過程で椎間板による支持性が低下し、脊椎のすべりやhyper mobilityが原因で不安定性が増大し、脊椎の不安定性へと進行します。
不安定性があれば脊椎周囲の知覚終末が刺激され、腰痛へと発展してしまいます。
椎間板変性から生じる様々な退行性変化
そしてここからは椎間板変性から始まる退行性変化について説明していきます!
皆さんも一度は見たことがあると思いますが、以下の図が椎間板変性から脊柱管狭窄症への進行過程となります。
①:正常な椎間板。
②:椎間板変性に伴い、椎間間隙が狭小化。同時に椎間関節への圧縮ストレ
スも増強。
③-1:椎体の前方すべりがときに生じる。
③-2:椎間板ヘルニアがときに生じる。
④:椎骨に骨棘が形成され、椎間関節も変性肥大する。その結果脊柱管は狭
くなり、脊柱管狭窄を伴う変形性脊椎症へと進行する。
また、椎間板変性に伴う椎間関節への負荷増大を表したものが下の図になります。
こちらは上の図の②に該当します。
椎間板が変性すると後方組織である椎間関節への負荷が増大し、椎間関節痛の原因にもなります。ここに腰椎の伸展ストレスが増強するとさらに腰痛が強くなります。
このように椎間板変性から腰椎の退行性変化は始まり、最終的には脊柱管狭窄症へと進行してしまう恐れがあります。
そのため、ADL動作にも目を向け、まずは椎間板への過剰なストレスを軽減していくことが重要ではないでしょうか?
ADL動作や椎間板へ負荷がかからない重量物の持ち方などについても記載していますので参考にして頂けると幸いです。
また椎間板変性に伴い、「椎体終板」にも変性が生じ、こちらはMRIにて確認できます!
椎体終板とは以下の部位になります。
。
進行具合によりType1~3まで分類されています(Modic分類)。
今回詳細は割愛させて頂きますが、この分類も椎間板の変性具合を確認するために必要な情報となります。
簡単ではございますが、今回の内容をまとめさせて頂きます。
脊柱管狭窄症の発生要因は様々あると思います。
その要因の1つとして、「椎間板変性」も大切な要因であると思います。
そのため、予防という観点ではこの椎間板に余計なストレスをかけない!という考え方も大切なのではないでしょうか??
それでは簡単ではありますが本日は以上となります。
最後までご覧頂きありがとうございました。
参考文献
・標準整形外科学 第9版
・リハで読むべき運動器画像
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