こんにちは、理学療法士&フットケアトレーナーのだいきです。
本邦における変形性膝関節症患者数は100万人、潜在的(レントゲン上何らかの変形を有する)患者数は3000万人と言われています。
病院で入院や外来にて通って来られる多くの方の主訴は
「膝が痛い」
です。
皆さんもこのような患者さんを沢山担当されたことがあるのではないでしょうか?
上記の主訴の場合、「痛み」を掘り下げて
「どこが?」「どんな時に?」など問診や触診、動作分析等で更に詳しく評価することは効果的な理学療法や指導を行う上で非常に重要です。
よって、今回は変形性膝関節症の方の痛みの評価の中でも「どこが?」を明確にする材料として役立つ膝関節周囲の圧痛部位をまとめました!
臨床における疼痛評価にご活用ください。
膝関節周囲の圧痛評価の重要性
例えば患者さんが
「膝の内側が痛い」
と言われたときにセラピストとして「膝の内側痛」と評価するだけでは足りないと思います。
膝の内側部にはどんな組織があってどの部位が痛んでいるのか明らかにしていく必要があると思います。
なぜなら、圧痛の評価は疼痛の原因となる組織を特定する際に重要だからです。
疼痛の訴えている場所と圧痛部位が一致すればその部位において圧応力や剪断力が生じているかもしれません。
変形性膝関節症に対して治療の戦略を立てる上で疼痛の評価を詳しく出来るかどうかで治療成績は全く変わってくると思います。
以下に膝周囲の圧痛点と問題組織について掲載します。
図説しているのはすべて「左膝」です。
僕は臨床で痛みがある部位を触診する際は、まず手のひらで大きく触り、指腹、指尖と触診する面積を減らして詳細に圧痛部位を評価しています。
痛みが発生しているわけなので、圧痛部位を触診する際にはいきなり強く圧迫すると患者さんは不快感や痛みを訴えられる場合があるので注意しましょう。
膝関節前面
①膝蓋靭帯
②膝蓋下脂肪体
③内側半月板
④鵞足
⑤内側広筋付着部
⑥外側広筋付着部
⑦外側半月板
⑧腸脛靭帯付着部
⑨膝蓋大腿関節外側、外側膝蓋支帯
⑩膝蓋大腿関節内側、内側膝蓋支帯
膝関節後面
①半膜様筋停止部
②膝窩筋
③外側側副靭帯
④腓腹筋外側頭
⑤腓腹筋内側頭
膝関節側面
内側から見て(脛骨側から見た図)
①膝蓋靭帯
②膝蓋下脂肪体
③内側半月板
④鵞足
⑤内側広筋付着部
⑥内転筋管(閉鎖神経)
⑦膝蓋大腿関節内側、内側膝蓋支帯
⑧内側側副靭帯
外側から見て(腓骨側から見て)
①膝蓋靭帯
②膝蓋下脂肪体
③外側半月板
④外側広筋付着部
⑤腸脛靭帯付着部
⑥膝蓋大腿関節外側、外側膝蓋支帯
⑦膝窩筋
⑧外側側副靭帯
おわりに
今回は膝関節の圧痛部位を一挙に掲載しました。
実際に圧痛の評価をするのは上記の図のように骨なわけではないですが骨や関節をイメージして触診することが圧痛評価の上達のコツだと思います。
※圧痛は今回掲載した箇所以外にも出ることがあるので注意が必要!あくまで今回の投稿を一つの手掛かりとして臨床で評価が出来るようになると幸いです。
今回は以上で終わります。最後までご覧いただきありがとうございました!
参考資料
・標準整形外科学 第13版 [ 中村 利孝 ]
・運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 下肢編/林典雄/林典雄/岸田敏嗣
・関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション(下肢)改訂第2版 [ 整形外科リハビリテーション学会 ]
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