こんにちは!
理学療法士のこじろう(@reha_spine)です!!
CLINICIANSの中で主に腰痛に関する内容をアップしております。
過去の記事になりますのでこちらも合わせて読んで頂ければ幸いです。
はじめに
今回はヘルニアの高位と神経根圧迫の関係からどの部位に筋力低下や様々な症状が出ているかを改めて確認していきます!
皆さんも教材などで一度はお見かけしたことがあるあの表です!
じゃあ教科書をみればいいじゃん!!となりますよね^^;
今回のポイントは1つの筋肉に対して、どの神経根が障害されると特に筋力低下が出やすいかを見やすくしています。
例えば、大腿四頭筋であれば支配神経は「大腿神経L2~L4」と書いていますが、「特にL2,L3,L4のどれが障害されると筋力低下が起きやすいの?」という疑問に答えられるような内容になっています。
また、脊柱管内のヘルニアと外側ヘルニアで同じ高位でもヘルニアの出る位置によって、障害される神経根が異なることなども含めて紹介していきます。もちろん、既にこのあたりの事を理解されている方は復習がてら確認して頂けたらと思います。
ヘルニアの高位と神経根圧迫の関係
ヘルニアは横断面では次の4つに分類されます。
①正中
②後外側
③椎間孔
④椎間孔外
上記の①、②の脊柱管内のヘルニアであればヘルニア高位より1椎下の椎間から出る神経根が圧迫されます。L3-4椎間板ヘルニアであれば、L4神経根、L4-5のヘルニアであればL5神経根、L5-SのヘルニアではS1神経根が圧迫されます。
これらの神経がヘルニアによって障害されると、それぞれが支配する領域に疼痛、表在知覚障害、筋力低下などが単独、もしくはいくつかの症状が同時に出現することもあります。
また、大きなヘルニアが正中背側に発生した場合に硬膜管内にある馬尾全体を圧迫し、下肢に多恨性の感覚障害や排尿障害(S2,3神経支配)も生じます。
また③、④を合わせて「外側型椎間板ヘルニア」と呼びます。
外側型椎間板ヘルニア
脊柱管の中ではなく、脊柱管の外の椎間孔部に生じたヘルニアを外側型といいます。
全ヘルニアの約10%の割合で発生します。
このタイプは非常に疼痛が強いですね^^;
ヘルニアが外側に移動する椎間孔内ヘルニアや脊柱管の外に脱出する椎間孔外ヘルニアの場合では本来障害される神経根より1本頭側の神経根を圧迫することがあります。
例えばL4-5椎間板ヘルニアの場合、通常はL5神経根の圧迫ですが、外側にヘルニアが出た場合、L4神経根を圧迫することになります。その場合は坐骨神経領域の疼痛ではなく、大腿神経領域の疼痛となります。
下の図の青○で囲んだところでヘルニアが出た場合(脊柱管内のヘルニア)、L4-5間にてL5神経根が圧迫されます。
一方で赤○で囲んだところにヘルニアが出た場合(外側型のヘルニア)は同じL4-5間でもL4神経根が圧迫されます。
脊髄神経の支配領域
では最後に、冒頭でも説明したあの表についてです!
同じような表を見たことがある方もおられると思いますがその場合は軽く流して見て頂けらたらと思います^^;
教材によっては簡潔に「L4が障害されると大腿四頭筋の筋力が低下する」とだけ記載されていますが、大腿四頭筋の支配神経はL2-4ですよね?
ではL2,3で障害された場合はどうなの?となりませんか?
こちらの表ではL2~L4でも特にL4神経根の障害が強いですよ!という風に分かりやすくまとめています。
この表では支配神経根をより詳細にまとめているため、より臨床に役立てると思います。
また、この表では載せていませんがL2またはL3神経根障害では鼡径部から大腿部への放散痛を認め、特にL3では膝の全面痛を認めることが多いです。
しかし、放散痛の分布領域は個人差が大きく、それのみでは責任高位の特定までには至らないと言われています。
そのため疼痛部位のみでなく、画像所見や、深部腱反射、筋力なども含めて評価することが重要になります。
今回はとても基本的な内容ですが、とても重要な部分ですので皆さんの臨床の役に立てれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました!!
参考文献
・標準整形外科学第9版
・プロメテウス 解剖学アトラス第2版
・篠崎義雄:腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症の診断.Orthopaedics.30(10):25-
32.2017.
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