こんにちは、理学療法士&フットケアトレーナーのだいきです。
本日は足エクササイズのタオルギャザーについて投稿します!
皆さんはタオルギャザーを指導したことはありますか?
タオルを足の裏で掴む運動
です。
座位で簡単に実施することができ、高齢者のトレーニングや手術後の下肢免荷期間中にも行うことができるトレーニングです。
知識と手順の整理がてらに読んでいただければ幸いです!
タオルギャザーの効果・目的
タオルギャザーの効果・目的は以下の通りです
▶︎足底についている筋群の筋力増強(足底筋群の維持・あるいは向上)
▶︎足底感覚の維持・向上(固有受容器の機能維持・向上)
▶︎足趾の屈伸運動の協調性獲得
▶︎足趾の屈伸運動の促進、足趾の屈曲を促して立位のバランスを良くする etc…
タオルギャザーの研究論文
タオルギャザーの効果に関しては以下のような報告もされています。
若年者でいうと
▶︎竹井らは健常女性19名に対して10分程度のタオルギャザートレーニングを週4回、6週間継続した結果練習開始前と比べて練習開始3週間時点で優位に足趾把持力が向上した
▶︎相馬らは健常若年者24名に対してタオルギャザー等の足趾の練習を週4回、3週間行った結果行っていなかった12名の群よりも左右の足の把持力、10m最大力歩行速度、最大一歩幅、FRTの数値が優位に向上した
高齢者では
▶︎安田らは要介護高齢者17名に対して週2回12週間フットケアやタオルギャザーを行った結果足部の柔軟性、FRT、歩行速度において非介入群に比べて優位に向上したと報告があります。
などなど・・・
タオルギャザーを継続して運動していった結果、
足趾把持力や柔軟性が高まり
バランスが良くなる
歩行が速くなる
といった感じですね。
他にもたくさんの文献がありますが今回は一部のみの紹介とさせてください。
なお、ここで出てきた片脚立位やFRTなどのバランス評価の詳しい解説は以前に投稿している記事もご参照ください。
タオルギャザーのやり方
タオルギャザーの際にはタオルが必要です。
床において使用するのである程度床に広げれるサイズのもの、また床で使用するので汚れても良いもの、病院や施設等で衛生面や感染のリスクもあるので対象者本人用に準備してもらうのも良いかと思います。
タオルを床に敷いたら、椅子に腰かけてタオルの上に足を乗せ、足趾でタオルを手繰り寄せます。
その際に踵が床から離れないように実施します。
動きとしては簡単ですね。
実際にタオルギャザーのエクササイズを行ってもらうと、
「タオルが動かない」
「手繰り寄せることができない」
といってモチベーションが下がってしまう方もおられますが、
足底や腓腹部の筋収縮や足趾の動きが出ていれば目的に沿ってできている場合もあるので、そのあたりをしっかりと確認して対象者にフィードバックしましょう。
ちなみにチェックする際には足趾の屈曲・伸展可動域を見ましょう。
母趾とその他の足趾の可動範囲は以下のお通りです。
母趾
▶︎MTP関節 屈曲35° 伸展60°
▶︎IP関節 屈曲60° 伸展0°
第2〜5足趾
▶︎MTP関節 屈曲35° 伸展40°
▶︎PIP関節 35° 伸展0°
▶︎DIP関節 屈曲50° 伸展0°
おわりに
本日は以上で終わりです!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
今回のタオルギャザーの投稿は基本の形のみ投稿させていただきました。
次回はタオルギャザーの応用編、作用する筋についての詳細な解説を行っていこうと思います。
参考文献
・足部・足関節理学療法マネジメント 機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く [ 片寄正樹 ]
・臨床実践足部・足関節の理学療法 (教科書にはない敏腕PTのテクニック) [ 松尾善美 ]
・関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション(下肢)改訂第2版 [ 整形外科リハビリテーション学会 ]
・竹井和人他,足把持力トレーニングの効果,理学療法科学26(1),79-81,2011
・相馬正之他,足把持力トレーニングがFunctional Reach Testや最大一歩幅、歩行能力に与える影響について,ヘルスプロモーション理学療法研究2(2),59-63,2012
・安田直史他,要介護高齢者の足把持力の向上を目指したフットケアの効果, ヘルスプロモーション理学療法研究4(2),55-63,2014
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