こんにちは、理学療法士&フットケアトレーナーのだいきです。
本日も臨床での靴の評価について投稿させていただきます。
前回までは靴と足の幅の評価方法について記事を書かせていただきました。
足長、ウィズ、足囲、足幅等をもう一度確認されたい方や、まだこれらが良くわからない方はまずは以前の投稿をご覧ください。
今回は臨床でよく遭遇する足サイズのご質問、疑問についてQ&A形式で解説を行ってきます。
足囲と足幅のウィズが極端に違う場合
さて、本日はQ&Aでみなさまの日々の臨床での疑問点についてお答えしていきます。
なんでもこいや。
赤い線は足囲、青い線は足幅です。足囲と足幅を測定することである程度足の形を立体的に評価することができます。


足囲は大きいのに足幅は狭い…
この場合は足の甲が高い場合が考えられます。


良い質問ですね!こんな感じでどんどんご質問行ってみましょう♪
靴の選定をする際に足囲と足幅の数値の使い方
ウィズでは2Eより広い足は幅広足と言われています。
足幅ウィズ3E以上の幅広足の方は、まずは、足幅で履物を選定したり合わせてみることをオススメします。
もし主訴の中に母趾側面や小趾側面の痛みがある場合は靴の幅に対して足幅が広い可能性があります!
足幅ウィズの評価を優先的に行ったうえで履物と適合しているか評価してみると良いかもしれません。
サイズを合わせたはずなのに「履物が合わない」の声に対して
いきなり購入でなく試し履きができる場合はウィズ等を参考にするのはもちろんですがクライアントの訴えを聞いてから購入を進めたほうがいいと思います。
非荷重位になると足は細くなる傾向があります。
荷重位で足が靴に適合していても非荷重位で足が細くなり履物のなかで足がずれてしまう原因になります。
例えばですが以下の写真のように、荷重位はウィズ3Eだけど、非荷重位にはCになる足の方の場合などは、荷重位と非荷重位の間のウィズの値も参考にして履物を選定するといいかもしれません

だいぶ長くなってきたので、本日はこれぐらいにしましょう。
よく皆さんから質問があるような内容がでてきてよかったです。
ご協力ありがとうございました!
おわりに
今回は少しマニアックな話になってしまったかもしれません(苦笑)
しかし、臨床では糖尿病を合併しているクライアント等ではサイズが合わない靴を履き歩いてしまうことで足のマメ(胼胝)の形成、ひどくなると潰瘍等が出来てしまうケースがあったり、ひどい場合だと足趾の切断につながるようなケースがでてくることもあります。
そんな症例を担当する機会がなくとも、合わない靴で歩行練習をすればするほど病変が悪化してしまったり、アスリートであれば容易にパフォーマンスが落ちるなんてことも当たり前のように起こります。
評価は今までの記事でご紹介してきた方法を基本に用いて行い、靴を勧めることが多いです。
しかし、当然履物はサイズだけでなく、デザイン、履き心地、値段、メーカー等そのクライアントの価値観によって変わってきます。
当たり前ですが、クライアントの意見を聞きながら購入の話を進めることが大切です。
最後にちょっとした役立つ情報を提示します。
僕の勤務先は高齢者のクライアントが多いのですが、吉村らの調査よると高齢者の靴の選択基準のベスト3は以下の通りでした。
「歩きやすい」
「脱ぎ履きが簡単」
「軽い」
高齢者の方々に靴を選ぶときはこと当たりが重要である可能性があることを頭に入れておくと役立つかもしれません。
なお、対応するクライアントの年代によって考慮することも大切だと思います。
臨床家の方自身の履物も評価してみてみてくださいね!
あなたの履いている靴、サイズは合ってますか?マメとか出来てませんか?勤務時間が長くなってくると足が疲れてきませんか?
もしかすると合わない履物を履いていることが原因かもしれません。
普段臨床でついつい目がいかない履物かもしれませんが少しでもこの投稿が役に立てばと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!




参考文献
・理学療法士のための足と靴のみかた [ 坂口顕 ]
・赤松洋子,足囲と足幅が靴の適合性に与える影響について,人間工学第25巻;1989年
・吉村眞由美,正しい靴行動の啓発・シューエデュケーション第一報 ―高齢者調査からみた日本人の靴行動の背景要因―,人間工学第50巻;2014年

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