脳・神経

重症筋無力症の概要が一目でわかる!症状、重症度、診断、治療法まとめ!

こんにちは、CLINICIANSの代表のたけ(@RihaClinicians です!

本日は重症筋無力症の概要についてご紹介します。重症筋無力症の症状、重症度、診断、治療などについて簡単にまとめましたので、サクッと調べたい方はぜひご覧ください。

 

重症筋無力症とは

・自己免疫性重症筋無力症(以下、重症筋無力症)は神経筋接合部のアセチルコリンレセプター(AchR)あるいは筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)に対する自己抗体が原因となる臓器特異的な自己免疫性疾患です

・ガイドラインでは、神経筋接合部のシナプス後膜上にある標的抗原に対する自己抗体の作用により、神経筋接合部の刺激伝達が障害されて生じる自己免疫疾患です。

重症筋無力症診療ガイドライン2014

 

 

症状

易疲労性、日内変動、日差変動が特徴的です。

・20~40代女性に好発しているが、基本的には小児から高齢者まで発症する。

・重症筋無力症の患者の1/3が眼症状のみに限局する眼筋型、2/3が全身型である。

・症状は休息により改善する。

球症状や呼吸筋障害が出現する場合は重篤である。

 

眼筋型の症状

・眼瞼下垂

・外眼筋麻痺

・複視 など

全身型の症状

・上記に加えて四肢近位筋の易疲労性

・嚥下障害

・構音障害

・咀嚼疲労

・頸部筋力低下

・呼吸筋麻痺 など

 

重症度

・重症度は重症筋無力症FA分類が用いられます。

・治療効果の判定や臨床試験で用いられるのがQ重症筋無力症スコア重症筋無力症 compositeです。

 

自己抗体の分類

重症筋無力症の自己抗体は以下の3つに分類されています。

①約80%のAChR抗体陽性の重症筋無力症

②5~10%の抗MuSK抗体陽性

③両抗体陰性の重症筋無力症

 

診断

・重症筋無力症の診断には易疲労感ならびに日内変動を伴う臨床症状と抗AChR抗体測定が基本である。

・電気生理学的な検査では末梢神経の低頻度連続刺激により、一部の筋線維が神経ブロックを陥った漸減現象(waning)がみられる。

 

治療

治療については以下のものが主流です。

対症療法:抗コリンエステラーゼ(ChE)阻害薬

免疫療法:副腎皮質ステロイド、カルシニューリン阻害薬、血液浄化療法と免疫グロブリン(IVIg)

拡大胸腺摘除術

クリーゼ

リツキシマブ

 

重症筋無力症の自己抗体の種類や重症度によりそれぞれ使用するものが違っていたり、併用して使うことがあります。

 

運動療法

・運動療法は一般的に過負荷(over work)が禁止とされていますが、明確な運動負荷はまだ示されていません。 患者の自覚的疲労感(Borg Scale)やVital反応、疲労の残存などを参考に調整します。

・運動療法の内容は関節可動域運動、筋力増強運動、有酸素運動、呼吸筋トレーニングなどを行います。

 

参考資料

1)鈴木、鈴木:重症筋無力症 神経・筋疾患の病態と診断・治療(Ⅲ)、医学と薬学、第68巻、第3号、2012.9 421-426
2)太田、本村:アセチルコリン受容体抗体陰性の重症筋無力症に認められる自己抗体 神経・筋疾患の最近の進歩(3)、Presented by Medical Online、62;3.2014 255-260

 

 

本日は以上で終わります。

最後までお読みいただきありがとうございました!

なお、重症筋無力症についてさらに詳しく知りたい方は合わせてこちらもご覧ください。

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