こんにちは、鳥取県でウィメンズヘルスの情報を発信しているLISAです。
今回は婦人科系の既往歴には体幹や骨盤機能に有用な情報が沢山詰まっているということについてお話します。
「子宮筋腫や帝王切開などの婦人科系の既往歴を持つ患者さんを見たことがあるけど、この辺りは意識してみたことがなかったな」と思われる方は要チェックです。
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既往歴とは?
みなさんも臨床実習の頃から「既往歴は大事だよ」と言われてきたと思います。
例えば脳血管障害の方は初めて発症したか2回目かによって予後が変わってきますし、整形疾患でも退院時の見立てに影響してきます。
「脳血管障害」「骨折」などはマストですが、例えば「臓器脱(子宮脱や直腸脱など)」「子宮筋腫」「帝王切開」なんかの婦人科系の既往はチェックされますか?
実は私もこの分野に興味を持つまでは、あまり気にしていませんでした。
注目したい婦人科系の既往歴
なぜ、注目していただきたいかと言うと、これらの婦人科系の既往は体幹機能低下と関係が深いからです。一部をご紹介します。
臓器脱(ぞうきだつ)
臓器脱という言葉はあまり聞き慣れないかもしれませんが、泌尿器科ではPOP(pelvic organ prolapse:ポップ)と呼ばれています。
これは、骨盤底機能障害として位置付けられており、骨盤底筋が子宮や膣、直腸などの臓器を支えられず体表に出てしまう疾患です。
脱の程度(下の表参照)が軽度(ステージ1~2)のものについては骨盤底筋トレーニングでの保存療法が行えます。
重度(ステージ3以上)の場合は手術適応となり、人工的にメッシュを入れて臓器を持ち上げるような手術を行います。すなわち、臓器脱を既往に持つ方は骨盤底筋が十分機能していない事になります。
☆臓器脱の進行期分類(POP-Q法)
ステージ0 | 下垂なし |
ステージ1 | 膣壁の最も下降している部分が、処女膜輪より1㎝以上上方にある |
ステージ2 | 膣壁の最も下降している部分が、処女膜輪より1㎝以上上方と1㎝下方の間にある |
ステージ3 | 膣壁の最も下降している部分が、処女膜輪より1㎝以上下方にあるが、膣は2㎝以上残っている |
ステージ4 | 後膣円蓋部が完全に脱出し、膣の残っている部分は2㎝未満 |
※参考図書:婦人科・乳腺外科疾患ビジュアルブック
子宮筋腫
子宮筋腫は子宮にできる良性腫瘍で、 30~40代に多くみられる疾患で発生率は15~25%です。
治療には個別性が高く、薬物療法などの保存療法もありますが、挙児の希望がない場合には腹式子宮摘出術を行うことがあります。
現在では、侵襲が少ない術式もありますが、例えば80代の女性が40代で子宮全摘術を受けておられると、創部が大きい事が考えられます。
そうすると、必然的に腹部の筋群は働きにくい状況となり、現在も機能低下を生じている場合があります。
帝王切開
帝王切開は疾患ではありませんが、既往の場合には必ずカルテには記載されています。
帝王切開には皮膚切開に横切開法と縦切開法がありますが、どちらも筋膜以下は腹直筋などを損傷しないよう縦切開をしています。
術後は創部痛のために腹部が低緊張となり、その後もケアをしないと体幹機能低下が生じてしまいます。
以前にアップしたASLRテストやアシストASLRテストをしていただくと、より具体的な機能低下がわかります。
体幹機能低下があると、四肢の機能が向上しても歩容や動的安定性が良くならないケースを体験するかと思います。
なんだか良くならないなぁと思う患者さん、既往歴をもう一度確認してみてはいかがでしょうか?
デリケートな話題なので注意が必要です
婦人科系の疾患については、デリケートなものもあります。
クライアントさんの中には触れて欲しくない話題もあるかもしれません。
また困っていても受診をためらって治療歴がない方、既往歴にはなくても臓器脱や尿失禁のある方はおられます。
これらを聞き出すことができるかは、セラピストとクライアントの関係性によります。
私が問診で聞く時には十分な信頼関係を築けた上で、必ず他のスタッフやクライアントさんがいない場所ですることにしています。(カルテに書いてある情報収集は必ずしますが)
普段の会話にヒントがある
臓器脱を持つ方への問診内容を以下に示します。
出産回数・分娩の状況
1回の出産歴があれば臓器脱のリスクが4倍、2回で8倍、3-4回で10倍
排尿・排便の状態
臓器脱の方は腹圧性尿失禁がある場合が多い
便秘症の人は排便時にいきむので骨盤底筋への負担が強い
気管支喘息など慢性疾患の有無、生活習慣・仕事の内容
腹圧がかかりやすい状態が続くと骨盤底筋への負担が強い
その他にも、花粉症なんかも同様にくしゃみを頻回にすることで骨盤底への負担がかかることが想像できますね。
普段の何気ない会話の中で、このような事が聞かれた場合には、体幹機能に目を向けていただくとより良い治療ができるのではないでしょうか。
今回は以上で終わります。最後までご覧いただきありがとうございました。
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