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あなたはどう説明しますか?リハビリテーション開始時の患者さんへの療法の説明の必要性

こんにちは、CLINICIANSのメンバーで唯一OTのしゅうです。

今回は、リハビリテーション開始時の患者さんへの療法の説明の必要性について、日々の臨床で私自身が考えていることをお話したいと思います。

初回インテーク(面接)時の療法の説明は難しいですが、これはきちんと伝えることが大切です。

 

クライエントにとってリハビリテーションとは?

私は現在、病院(回復期)と訪問リハビリの2分野に従事をしています。

そこで出会うクライエントに、「リハビリテーションのイメージと言えば?」と尋ねると、

・揉む

・運動

・体操

ほぼこのように返ってきます。

 

このイメージは世間一般的に多いと思います。

確かに上記3つのイメージは間違ってはいないですね。

 

しかし、それらはあくまで目標を達成するための手段のひとつに過ぎません。

この状況がある中で、理学療法だの、作業療法だの判別できるクライエントは多くないと思います。

 

もちろん急性期等どこかで説明を受けていると思いますが…。

なので、クライエントが感じるリハビリテーションのイメージと、私たちが持つイメージは異なっている、という前提で介入を始める方が良いのではないかと考えています。

 

定義では

そもそも定義はどうなっているのでしょう?学生時代に学んでいますが復習です。

リハビリテーションとは?

病気や外傷によって身体的あるいは精神的な障害が起こると、本来ごく自然に行われていた家庭的、社会的生活が制約されるようになるが、こうした障害のある人に対して残された能力を最大限に回復させ、また新たな能力を開発し、自立性を向上させ、積極的な生活への復帰を実現するために行われる一連の働きかけをリハビリテーションという。障害のある人の、傷ついた「人間らしく生きる権利」の全体的な回復(「全人間的復権」)を本旨とするもので、一般に「リハビリ」と略してよばれるような、麻痺(まひ)した手足の機能回復訓練などはそのごく一部である。[上田 敏]

引用元:コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ)より

 

調べてみると、いろいろな解釈が出てきますが、大筋は『復権』

対象のクライエントにとっての復権(その人らしさの回復)を目指すために行うすべてのことを指し示す言葉です。

 

そしてそのために処方されたものが、理学療法、作業療法、言語聴覚療法であり、それぞれに定義が存在します。

日本作業療法士協会では

作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。

としています。

 

ちなみに、日本作業療法協会は2018年5月に時代の変遷に合わせて定義の改訂を行いました。作業療法士のみなさんご存じですか?

その他、PT・ST協会ではそれぞれの療法士を以下のように定義しています。

日本理学療法士協会

理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。

日本言語聴覚士協会

言語聴覚士は、ことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。

 

しかし、これらの定義をそのまま伝えてもクライエントには十分伝わらないかもしれませんね。

そうなると、ある程度噛み砕いて説明する必要があり、すなわち自分自身がしっかりと作業療法(理学療法、言語聴覚療法)とは何?と理解している必要があると思っています。

私自身、作業療法は説明しにくい!と感じています。ただ、歴史を学んだり、作業科学、各作業療法理論を学んだりする中で少しずつ整理できてきたような気もしています。

 

何故説明が必要なのか

わかりきっていることではありますが、クライエントあってのリハビリテーションであり、協業だと思います。

それなのに訳も分かっていない状況で作業療法等を行うということはどうなのでしょう?

 

薬に置き換えてみるとわかりやすいですが、訳も分からない薬を

「よくなるから飲んで!」と言われて飲みますか?

 

私なら絶対に飲みません。

説明を受けて同意をしたのち、その治療を受け入れることができると思います。

それがあってこそ、治療効果の高い作業療法等を提供することができるのではないでしょうか。

 

特に作業療法ではクライエントとの関係性も作業への関わりへ影響すると思います。

そのため、クライエントとの介入が始まる時こそ大切にするべきだろうと考えながら、臨床についています。

 

しかしながら、初回インテーク時としてお話ししてきましたが、クライエントの置かれている状況によっては必ずしも初回に説明を行うべきではないこともあります

その場合は、クライエントの言葉に耳を傾け信頼関係を構築しつつ、もし可能なら簡単に説明をしつつ、しかるべきタイミングでしっかりと説明をしてはどうかと思います。

つい最近も、介入を開始してから2か月ちょっと経ってから、改めてしっかりと作業療法の説明を行い、目指すべき生活行為(作業)の設定を行った事例がありました。

 

終わりに

本日は以上で終わります。

 

今回は各療法の説明の必要性についてお話ししました。

私自身、最近の臨床では、あえて「リハビリ」という言葉を避け、理学療法、作業療法、言語聴覚療法と呼称するようにしています。

賛否はあるかもしれませんが、そうしていくことで各療法の違いをクライエントに認識してもらい、より効果的な各療法が展開できればいいなと思っています。

当たり前のことに対し、かなり私見な意見をお話していますが、今後の業務の参考となれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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