その他

筋力トレーニングを行う前に知っておきたい身体活動量に関する知識

こんにちは、こじろうです!

前回は「臨床で使える筋力トレーニングの基本的概要とエビデンス」について解説させて
いただきました。

しかし、入院患者さんに筋力トレーニングを行う場合は、前回の内容の負荷や回数だけトレーニングを行えば良いというわけではありません。今回は筋力トレーニングを行う前に知っておきたい基本的な考え方を伝えたいと思います。

普段の臨床の中で何となく筋トレの回数を設定している方など、読んで頂けると少し臨床
の参考になるかと思いますよ。

 

入院前のベースラインを作った状態でトレーニングをしないと非効率的

早速ですが、仮に、普段10000歩を歩いていた人が入院したとします。

入院後、活動量が低下し 1日3000歩しか歩かなくなったとします。

その状態で前回の内容にも示した「過負荷の原則」に従ってトレーニングをしたとしても、
十分なトレーニングの効果は得られません。

なぜかというと、、、そもそも「1 日の活動量」が入院前よりも低下しているからです。

 

もともと 1 日3000歩しか歩いていない人であれば、入院中も3000歩を歩いていれば、過負荷の原則に従ってトレーニングをすれば、効果が得られるでしょう。

しかし、もともと 10000 歩を歩いていた人が 3000 歩しか歩いていないとすれば、残り7000歩分の負荷量をどこかで補わないといけません。

 

つまり入院前のベースを作った上でトレーニングをするということが、トレーニン
グを行う上で大切な考え方になります。

ではどうすれば、7000歩分の活動量を補えるのでしょうか?

例えば、

1)歩く
2)エルゴメーターを漕ぐ
3)筋トレで不足分の活動量を行う。
4)車いすを足で漕ぐ

など、入院中でもできそうなことはたくさんあります。

 

また、参考程度にですが、歩行10000歩に相当する各運動の回数について報告したものが表 1 にあります。

 

これらを 1 つの参考にし、足りない歩数分をベッド上やベッドサイドにて上記のようなト
レーニングを行うことで廃用予防や、筋力強化に繋がるのではないでしょうか?

 

まずは、入院患者さんの病前の活動量を知るところからスタートすることが大切だと思います。

そこからどんな方法でも良いので活動量をアップさせ、入院前のベースを作った状態で、前回の内容の筋力強化の基本的概念に沿ってトレーニングをしていく事が筋力upのために必要なことであると思います。

以上、簡単ではありますが、本日は以上で終わります。

最後までご覧頂きありがとうございました!

“たけ”
“たけ”
なお、今回の必要運動負荷量の設定については以前の記事でも細かく触れていますのでこちらも合わせてご覧ください♪
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参考文献

1) 体力科学 42(5)461-464,1993
2) PT ジャーナル 29(11)803-806,1995

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たけ
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理学療法士&ピラティスインストラクターとして姿勢・パフォーマンス改善の専門家として活動中!発信情報や経歴の詳細は以下のリンクよりご覧いただけます。
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