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理学療法士なら追及していく分野の拘縮についての一考察【その②】

こんにちは、理学療法士のシータです。

 

普段はTwitterやnoteにて

【ストレッチやマッサージ、運動療法等】の論文解説や、基礎分野を応用した内容を発信しています。

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いきなりですが、

 

前回の投稿を振り返っていきましょう(^^)

 

 

前回は、

我々治療家が拘縮と思っている関節可動域制限は本当に拘縮なのか?

というところにフォーカスして、お伝えしました(^_^)/

 

 

前回のポイントとしては、

臨床で遭遇する、【筋収縮要素での関節可動域制限】に対する評価~治療

①軽くマッサージ、揺らす等のリラクセーションをする

①‐ⓐ ROMが改善→拘縮なし。筋収縮要素が主原因

①‐ⓑ ROMは軽度改善するが制限は残存→拘縮と筋収縮要素が混在

①‐© ROMは変化なし→筋収縮要素は少なく、拘縮の可能性大

 

まとめるとこんな感じでした!

あまりしっくりしない方は、ぜひ第一弾の投稿からご覧ください。

 

 

今回も、拘縮に関する内容なのですが、前回の続きで

拘縮した原因はどこからきているのか?について、紐解いていきます(^_^)

①そもそもこれ、本当に拘縮しているのか?

②拘縮した原因はどこからきているのか?

③硬くなった機序は神経性要素?循環障害?筋収縮性要素?それ以外?

④この拘縮は治る可能性が高いのか?

前回の4つのまとめの②にあたる部分ですね。。

 

 

拘縮した原因はどこからてきているのか?を説明するために、大きく分けて2つ、ポイントがあります。

①その可動域制限はそもそも拘縮なのか?

②その拘縮の原因は筋肉?筋膜?関節包?

 

 

まずはその可動域制限はそもそも拘縮なのか?に入っていきます!(^^)!

 

 

その可動域制限はそもそも拘縮なのか?

これを考えるうえで一番重要になってくるのは

その関節がどれだけ動かしていない期間が長かったか

 

いわゆる不動期間ってやつです!これに尽きますね。

 

 

ではでは、各制限因子が、不動期間が長くなるとどうなるか、簡単にですがまとめます(^_^)

 

動かさないと骨格筋(筋膜除く)はどうなるか?

不動期間により生じる変化は大きく異なってきます。

 

まずは骨格筋を中心としたまとめからいきましょう。

不動2日後→筋小胞体が増加、ミトコンドリアの電子密度が増加が生じる。主な変化は細胞内小器官に変化がみられる。

不動5日後→筋節長の短縮、筋節の配列異常、I帯が不明瞭

不動7日後→タイチン含有量が減少。一部の筋原線維の配列が乱れる。Z帯の断裂や蛇行が生じる

不動14日後→7日後に生じる異常がより著明となる。また、過収縮を呈した筋線維も発現される。

不動28日後→筋原線維の配列変化とZ帯の断裂、蛇行が著明。また、筋小胞体やミトコンドリアが変性、崩壊してくる。

こんな感じですね(^_^)

いろんなことが起こっちゃいますね~。

 

 

筋原線維や筋線維の異常が見られてくると、拘縮に影響を及ぼしてくる可能性がありそうですね。

 

ですが、大事なのは【この不動期間で拘縮が生じるかどうか】です。

 

ここである研究をご紹介します。

沖田らは、ラット足関節を最大底屈位で1、2、4、8、12週後間ギプスで不動化した後、

足関節背屈可動域を評価した。その結果、ヒラメ筋の筋長は1週間で11%短縮し、拘縮は1週間という短期間でも生じるということを報告した。

また、その後、背屈可動域は不動期間が長いほど大きく制限されています。

この報告を見ると、不動期間が長ければ長いほど、筋長が短縮し、拘縮増悪に影響を及ぼしているかの様に思ってしまいますね。

 

 

 

ですが、物凄く落とし穴がありますね。このままだと。はい。。

関節の不動が長ければ長いほど、可動域は制限され拘縮も進行します。ですが、その拘縮が筋長の短縮が原因なのかは、また話が違います

というわけです。

 

ここで、先ほどの研究の続きを。

なんと、ヒラメ筋の筋長は、不動1週間で11%短縮しますが、それ以上の不動では著明な変化は認められませんでした。オーマイガー。

 

びっくりですね(*_*)

何せ、ヒラメ筋の短縮はあまり進行していないのに、可動域制限は進行しているということは、長期の不動にさらされた関節の可動域制限は、筋線維が主要因ではない可能性が高いということを示唆しています。

 

 

では、簡単にこの章のポイントをまとめましょう。

・筋線維による拘縮は不動1週間で認められる。

・不動1週間以上での拘縮の進行は筋線維ではない可能性が高い。

 

ここまでの内容で、疑問として皆さんが思われているのは

筋線維が主な原因じゃないなら、何が一番拘縮の原因として大きいの?

ということだと思います。読み進めていくと、答えにいきつきますので、少々お待ちを(^o^)

次は、筋膜について。

 

動かさないと筋膜はどうなるか?

さあ、筋膜と不動の関係です。

この後コラーゲン繊維という言葉を多用しますが、筋膜の主要な成分はコラーゲン線維だということを、理解した上で読んでくださいね(^_^)

あと、この主要成分であるコラーゲン線維が病的に増加し、組織の伸張性が低下されることを線維化ということも、知っておいてください(^^)

 

 

不動1~2週間→コラーゲン線維の含有量が増加し、配列変化が認められる。また、それに伴い筋内膜、筋周膜は肥厚する。ただし、分子間架橋は形成されない。

 

不動3週間以上→分子間架橋が過剰に生成されたコラーゲン線維が増加する。

 

不動4週間以上→個々のコラーゲン線維の可動性が減少し、配列変化が阻害される。また、この頃からコラーゲン増生の増加が加速される。

こんな感じです。

では、先ほどの疑問点を思い出しましょう。

 

拘縮の主要因が筋線維でないなら、何が原因なのか?

もうお分かりかと思いますが、現段階では筋膜が主な拘縮の原因だと考えられています。

その理由として多くのことが言われているのですが、

重篤な拘縮症例には、本来筋線維が存在する部位に緻密なコラーゲン線維の増生が認められており、顕著な繊維化が発生していた。と報告があります。

 

では、この章のポイントをまとめます。

・不動1~2週間でコラーゲンは増加し、筋膜も肥厚する。

・不動4週間以降から、コラーゲンの増加が著しく増加する。

1か月間の不動はかなり拘縮が進行することが分かりますね(・・;)

 

では、筋繊維、筋膜ときたので最後に関節包にまいりましょう

動かさないと関節包はどうなるか?

最後ですね。関節包と不動の影響です。

不動2週間→滑膜下層のコラーゲン線維の増生+コラーゲン線維束間の狭小化、滑膜同時の癒着が始まる。

不動4週間後→滑膜と関節軟骨の癒着が生じる。

不動32週後→脂肪細胞が全てコラーゲン線維に置換される。

はい。こんな感じです(^o^)

とかく、良く言われているのは、関節包は硬くなっちゃうと治りにくいですね。

 

動物研究ですが、これを支持しちゃう報告があります。

(渡邊ら 2009)

ラットを4週間ギプス固定した後、拘縮群はコラーゲン線維束の肥厚と密性化を認め、関節包が肥厚していた。

その後、ストレッチをする群と、しない群で分けて関節可動域に影響を及ぼすか研究しました。

結果、可動域は両群とも改善し、ストレッチ郡は更に大きく改善した。だが、関節包のコラーゲン線維束の肥厚や密性化は変化がなかった

関節包組織に変化がない。つまりは、不動後にストレッチで良くなったのは関節包ではなく、他の要素で改善したということになりますね。

 

 

では、最後の章にうつりますね^_^

 

 

 

その拘縮の原因は筋肉?筋膜?関節包?

 

これについて、お話しします^ ^

 

 

 

問診の重要性

さあ、第一章で拘縮と筋繊維、筋膜、関節包との関係について大まかに説明しました。

 

私は臨床応用しないと、知識を知恵にして活用しないと、意味がないと思っていますので

私なりの応用方法をお伝えします。

 

今回の内容を応用する、つまり

拘縮の重症度を評価しましょうということです。

 

皆さんは、関節可動域を評価し、制限を分析し治療していく時、

どのような方法をしていますか?

 

安静時の筋硬度を触診したり、エンドフィールを感じ取ったり、疼痛の有無を確認したり・・・

色々とあると思いますが、これらに追加して、おすすめの方法があります。

 

それは、問診です。

※ここからは私見がかなり強いので参考程度に。

先述した不動期間と合わせながら、読んでみてください(^o^)

問診による拘縮重症度評価

ROM制限あり→ここを動かしていない時期ってありましたか?

運動器疾患での固定期間が過去にあった方に有用。

 

または、

ROM制限あり→調子が悪くベッドで寝ているままの時期がありましたか?

内科的疾患で全身状態が安定していない時期の方に有用。

 

この方法で問診してみてください。解釈の仕方は以下の通り↓

固定期間及びベッド上安静期間が

1週間程度→拘縮は始まる時期ではあるが、筋線維主体であり改善の可能性高い?

4週間以内→コラーゲン線維異常が加速する手前である。筋線維、筋膜が原因で、改善の余地はあるかも??

4週間以上→不可逆的なコラーゲン線維の変化や関節包も関係してくる。改善は難しい?

治るか否かは、言い切れるものではないので、あくまで私見です(^^)

ぜひぜひ、臨床現場で問診を取り入れ、関節可動域制限の推論の一助となれば幸いです!

最後に、私はnoteでも関節可動域に関係するストレッチやマッサージについても執筆しています。興味のある方、ぜひちらっと見てくださいね(^_^)

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参考

(1)金岡 恒治 拘縮治療のエビデンスと臨床応用 株式会社gene 2019

(2)千住 秀明 機能障害科学入門 九州神陵文庫 2010

(3)望月 久 筋機能改善の理学療法とそのメカニズム ナップ 2001

(4)渡邊 晶規 拘縮に対するストレッチが関節包に及ぼす病理組織学的影響 理学療法科学 24(3):403–409,2009

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シータ
シータ
理学療法士【論文集約×臨床応用】 セミナー団体代表。 全ての治療家に向けて。投稿は、臨床に繋がる論文解説と、生理学や生物物理学等の基礎分野の臨床応用が中心です(マッサージやストレッチ等の徒手、運動療法) Twitterでは、タイムリーなこれらの情報、noteでは集約して臨床で汎化出来る様にまとめた内容を配信中しているのでぜひこちらもチェックを!ご依頼はtwitterのDMよりお待ちしております^ ^
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