整形外科

治療に役立つ肩峰下インピンジメントの機能解剖と原因

こんにちは、理学療法士のたくみ(@TakumiRodriguesです!

今回は治療に役立つ肩峰下インピンジメントの機能解剖と原因について解説していきます!

肩峰下インピンジメントは、肩関節疾患を診る際、多くのケースで起こっている現象です

肩峰下インピンジメントの原因は一人一人異なり、その原因を明らかにするとともに的確な治療を行う事が非常に重要ですのでご参考までに。

 

肩峰下インピンジメント

肩峰下インピンジメントとは、鳥口肩峰アーチと肩峰下滑液包・腱板との間で生じる衝突現象のことです。

ちなみに、これを1972年に提唱したのがNeerテストでお馴染みのNeerさんです!

Neerは、その病態を肩峰下面の骨棘などに伴うsupraspinatus outletの狭小化によって生じるoutlet impingementと、supraspinatus outletの形態は正常であるが、大結節の変形治癒や腱板断裂によって相対的に狭小化するnon-outlet impingementの2つに分類し、肩峰下インピンジメントの大部分はoutlet impingementであると報告しています。

肩峰下インピンジメントの原因

肩峰下滑動機構の癒着や肩後方のタイトネス、腱板や肩骨帯の機能不全などが挙げられま
す。

ここから一つずつ簡単に解説していきます。

肩峰下滑動機構の癒着に起因する肩峰下インピンジメント

解剖学的に考えると、肩峰下滑液包および烏口肩峰靭帯には肩甲上神経ならびに外側胸筋神経の知覚枝が分布し、肩峰下滑液包や腱板の表層には痛みの受容器である自由神経終末が密に存在しています。

そのため同部に炎症などの侵害刺激が加わると、これに対する脊髄反射として肩甲上神経および外側胸筋神経の運動枝が分布する棘上筋、棘下筋、小胸筋の過剰な防御収縮が生じるとともに不良姿勢を呈するようになります。

この状態が長期間持続することで肩峰下滑動機構の癒着に起因した肩峰下インピンジメントならびに夜間痛が引き起こされます。

肩後方タイトネスに起因する肩峰下インピンジメント

肩関節の各運動の最大可動域において、関節包や関節上腕靭帯が緊張することで骨頭の求心力を高めつつ関節を安定化させています。

ところが、関節包・関節上腕靭帯に局所的な拘縮が生じると、最大可動域に達する前にこれらが過度に緊張するため、可動域制限とともに骨頭を反対側に偏位させる力が強く作用することになります(obligate translation)。

そのため肩後方関節包・後下関節上腕靭帯の伸張性が低下した症例では、屈曲時に骨頭の前上方偏位が生じることで肩峰下接触圧が高まり、肩峰下インピンジメントが生じるというわけです。

腱板や肩甲帯の機能不全に起因する肩峰下インピンジメント

肩挙上動作では、肩甲上腕関節において骨頭が関節窩上で支点を形成されることにより、ほぼ一定した運動軸のもとで遂行される運動です。

ただし、この骨頭の支点形成には腱板の収縮力が必要不可欠であり、肩甲下筋と棘下筋におけるforce coupleにより行われています。

また棘上筋と三角筋におけるforce coupleも支点形成として働いています。

したがって、棘上筋や肩甲下筋、棘下筋のいずれがが機能低下をきたすと、骨頭の支点形成作用が不足することとなり、この状況下で挙上が行われると、骨頭の上方偏位に伴う肩峰下インピンジメントを生じることとなります。

 

一方、肩甲胸郭関節において問題が認められる場合でも肩峰下インピンジメントを生じる場合があります。

肩甲胸郭関節におけるforce couple機能としては前鋸筋と僧帽筋が重要であり、なかでも屈曲時には僧帽筋下部線維、外転時には僧帽筋中部線維の収縮がまず固定筋として作用します。したがって、僧帽筋下部、中部線維に機能低下を認めることにより肩甲骨の固定化作用が不足し、肩峰下インピンジメントを引き起こします。

 

終わりに

今回は肩峰下インピンジメントについての原因を掲載しました!

まずはこの中のどれに当てはまるかを適切に評価すると治療が効果的にできると思います。ご参考になれば幸いです。

なお、今回の肩峰下インピンジメントの評価と治療は過去にこちらのマガジンでも丁寧に解説しています。併せてご覧いただければ幸いです!

riha note〜リハビリの「なぜ?」を紐解く〜

riha noteとは?

整形リハビリの「なぜ?」を解決する電子書籍型のコンテンツです 日々の臨床の中で、「なぜ?」と感じることは多いと思います! 勉強すればするほど「なぜ?」は尽きません。 「なぜ痛いのか?」「なぜ痺れるのか?」「なぜ可動域制限があるのか?」「なぜ筋力が弱いのか?」また「どうやって評価するのか」「どうやって治療するのか」など、解剖学、生理学、運動学の広い視点から考えなくてはなりません! その「なぜ?」「どうやって?」を考え、明日からの臨床に活かす内容をこのマガジンでは配信しています

 

参考資料

・林典雄,浅野昭裕:整形外科運動療法ナビゲーション上肢・体幹,メジカルビュー社,2014

 

ABOUT ME
たけ
たけ
理学療法士&ピラティスインストラクターをメインに姿勢・パフォーマンス改善のプロとして活動中! 過去には世界で最も患者が多い病院、某大学病院で超急性期のリハビリテーションに貢献。その他にも認定脳卒中、呼吸療法認定士、ガンリハなどの資格を保有。 超急性期から障害予防までの多岐にわたる分野の記事を執筆中!
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