整形外科

運動器エコー初心者には必須!”プローブ”の使い方

みなさんこんにちは。

志水です(@echohuku)

 

今回もエコーついてお話したいと思いますが
テーマはプローブの”使い方”です

 

この記事は

○エコー初心者
○エコーを使い始めて苦戦している人

に向けて書いた記事となります

 

最後まで読むことで
これからエコーを使うときのプローブ操作(プローブワーク)のレベルが上がることは
間違いないです!(たぶん)

 

で、この記事に関しては
以前、YouTubeで動画を公開したものをテキストにした感じですので

こちらの動画を合わせて見ることで理解が深まると思います

ということでさっそく本題に入っていきますが…

 

そもそもプローブってなに?

と思った方

おそらくエコーをまだ触ったことがないかもしれませんよね?

まずこちらの記事をご覧くなっている段階で、
「エコーに興味をもっている」とは思います。

ですので
そういった方はまずこちらの記事を先に読むことをオススメします

運動器エコー初心者に贈る"用語"と"見方"運動器領域のリハビリをしている「アナタ」.エコーを使えないとマズイかもしれませんよ? 今、運動器でエコーを使っているセラピストは急増しています。使えることが当たり前になってからじゃ、遅いです。今のうちにエコーの基礎をしっかりと知り、時代に取り残されないように準備しましょう!...

 

話を戻しますが

プローブ操作能力はエコーの要です

 

で、このプローブの”使い方”なんですが…

これをしっかりと学ばないと次の問題が生じやすいです

・画像が不鮮明
・画像の再現性が低い

 

なかなかイメージできないですよね?

 

では
始めての方でもわかるように丁寧に説明していきたいと思います。

 

プローブの持ち方

「え?持ち方が重要なの?」

と思った方もいるかもしれませんが…
結構重要です❗

 

というのも、持ち方がしっかりしていないと
プローブが身体に当たる部分が安定しないんですよね

 

では、ここからは
プローブの持ち方を3パターン紹介しますが

どの持ち方が安定しているのか?

僕が実際にエコーを使う際に注意しているポイントを
合わせてお伝えしますね

 

まず最初はこの持ち方です

 

持ち方①

まぁ、こんな持ちかたをする人は見たことないですがw

わかりやすい「ダメ」な例としてお見せしました

この状態で身体に当てても安定しそうにないですよね

 

実際の当てているときのエコー画像はこちらです

肘部分にプローブが当たっている”はず”なのですが、画像にはなにも描出できていないですね…

 

このとき、プローブがかなり傾いてしまっていて
実は身体にちゃんと当たっていないんです。

 

ではこちらの持ち方はどうでしょう?

持ち方②

僕は勝手に【ペン型タイプ】と読んでいますが、多くの人はこの握り方になると思います。

この持ち方が”基本”で良いかと思いますが、関節運動をさせる時にこの持ち方だと
少し不安定だったりします。

こちらが実際の画像です

エコー画像は比較的キレイですが
当てている部分を見ると、少し心もとない感じがないですか?

特に、このときは前腕を回内外させているので
やはりブレやすい感じがありました。

 

では最後に
この持ち方よりも
さらに一つ安定した方法をご紹介します

持ち方③

母指と示指でプローブを把持し、その他の指で身体に固定する持ち方です

実際に身体に当ててる感じはこのような様子になっています

 

どうですか?
かなりびったりと身体に当たっていて安定する感じがありますよね?
(ちょっとポジショニングが悪くて手関節の背屈がかなりきついですが…)

 

この持ち方であれば、関節運動をさせながら撮像するときも結構安定して
描出ができます

 

ということで3パターン提示しましたが
どうだったでしょうか?

 

まぁ
①は論外ですが
状況に応じて②、③の持ち方を使い分ける感じで良いです

 

ただ、慣れない最初のうちは③でしっかりと画像を描出できるようにすると良いと思います!

 

プローブの角度

次はプローブの”角度”になります

 

ここでいう”角度”とは何のことかというと

 

「プローブ」と、「プローブを当てる面」との角度のことを言います

 

超音波ビームはプローブから直線に出ますが
対象物に対して「垂直に当たっていないと画像が不鮮明となってしまう
といったことが起きてしまいます。

 

例えば
プローブが斜めに当たっているときの画像はこのような感じになります

 

プローブ(斜め)

画像が全体的に暗い感じになります

ちなみに
この赤丸の部分は”正中神経“になるのですが
神経自体も少し黒く不明瞭 となってしまっています。

 

では、垂直に当てた場合の画像です

プローブ(垂直)

斜めの場合と比べても明るく・鮮明に描出できているかと思います。

筋と筋の間も明瞭に見えますし
さきほどの神経(黄丸)もしっかりと見えるかと思います。

 

並べてみるとこのように差がはっきりします

垂直・斜めの比較

このようにプローブの角度で描出される画像の鮮明度に大きな差がでるので
毎回、狙った組織を同じ角度(基本的に垂直)で撮像できるようなプローブ操作は
必須となります。

軸回旋

ちょっと言葉だけだと意味がわからないかもしれませんので

こちらのイラストをご覧ください

 

なんでこれが重要なのか?

というと

筋、腱、靭帯は線維構造をしています。

なので、描出したい組織の長軸像を描出しようと思ったとき
大きな筋線維(大腿四頭筋や腓腹筋など)なら描出はしやすいですが
前腕の屈筋や伸筋、手部の内在筋などは細い筋が隣接していてすぐに長軸で撮像することは難しいです。

そういった際は
短軸→長軸の順に撮像することが基本となると考えています。

 

そうすると、自然とこの「軸回旋」を確実に行う技術が必要となります

 

まとめ

以上がプローブの使い方の重要なポイントになりますが

 

これらを会得するのに重要なのはひたすら練習することです。

 

僕はエコーを使い始めて5年になりますが
正直、5年前の画像をみると

「何を狙って撮像しているのかわからない」

「この画像は正常か異常かわからない」

 

といったことが多々あります。

 

そして、それは現在当院にいる若手スタッフにも当てはまります。

 

つまり多くの初心者が経験することだと思います。

 

先程
「ひたすら練習」するしかないと言いましたが

これらのポイントを意識しながら練習すると、少しは時間の短縮に繋がるかもしれません。

今回の記事はこれで終わりになりますが
エコー初心者のみなさま

 

エコーを使えば臨床人生が大きく変わること間違いなしです

 

エコーに慣れなくて挫折することもあるかと思いますが
そこは一旦耐えて、続けてみましょう

 

その先に患者さん・クライアントと自分自身の明るい未来が待っているはずです

 

では、また次回の記事でお会いしましょう

 

 

 

 

ABOUT ME
志水
志水
理学療法士として整形外科クリニックで働いています。 『肩』を中心に、解剖学・運動学・生理学をベースに 『肩関節周囲炎・凍結肩・腱板損傷(断裂)・インピンジメント症候群』のリハビリを戦略的に行っています。 5年前からエコーを臨床で使っていますが、身体内を『可視化』することで得られる知見は計り知れないです。 『運動器リハにエコーは必須』というテーマで、今後は運動器リハをするセラピストにエコーの必要性を普及する活動をTwitterやYouTubeにて情報発信をしています❗
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