整形外科

上腕骨大結節の基礎

みなさんこんにちは。

志水です(@echohuku)

今までの記事は”エコー”についての記事ばかりでしたが…

 

今日は肩関節についての内容になります。

 

で、テーマは「大結節」です。

 

「大結節だけ?」

「えっ、マニアックだな…」

 

とおもった”アナタ”。

 

コレに関しては基礎中の基礎ですが
臨床において非常に重要なポイントになりますので、

🔻肩関節に苦手意識を持っている人
🔻肩関節に勉強を始めたばかりの人

は読むことをオススメします!

そして今回お伝えするポイントは3つ

①大結節の面
②大結節に付着する筋
③大結節の触診方法

では、さっそくいってみましょう!

 

大結節の面

まず大結節の位置ですが…

こちらです👇

赤の点線で囲んでいる部分が大結節になります。

そしてこの大結節には3つの”面”が存在しますが,

3つの面の名称はそれぞれ…

・上面
・中面
・下面

となります。

 

そして、実際の骨模型で表すとこんな感じです👇

 

 

で、これらの名称、位置というのがとても大事になるので
しっかりと覚えてくださいね!

その理由は次の「付着する筋」でお話します

 

大結節に付着する筋

 

突然ですが質問です

Q.1大結節に付着する筋といえば何でしょう?

肩の筋肉の起始・停止を習いたての僕であれば

棘上筋・棘下筋・小円筋!

と答えたでしょう。

合ってます。

《学生》であればそれで十分だと思いますし
“間違い”ではないですよね。

しかし、不十分です。

 

ここからもう少し深堀りしていきましょう…

Q.2大結節といっても先ほど紹介した上面・中面・下面がありますが
棘上筋・棘下筋・小円筋はそれぞれどのように付着するでしょうか?

新人の僕であればこのように答えていました…

『上面には棘上筋・中面には棘下筋・下面には小円筋』

教科書的には合っていますが…

2007年までの話になります。

というのもこちらをご覧ください

 

ご覧の通り左の骨模型に示したものが2007年以前に
一般的に認識されていた”棘上筋と棘下筋の付着部”です。

それぞれ大結節の上面と中面に分かれて付着している様子がわかります。

 

しかしMochizukiらの報告によりその概念が大きく覆りました

 

もう一度さきほどのスライドを見てみましょう

こんな感じで覚えて下さい。

・棘上筋は上面の前方のわずかな部分と小結節に付着
(小結節まで付着を伸ばすのは約21%程度。)

・棘下筋は上面から中面にかけて幅広く付着

 

「ふ〜ん、そうなんだ〜」

「で、それがなに?」

 

と思う方も多いかもしれませんが、
これはとても大きなことなんです。

 

というのも、腱板断裂の多くが腱板の付着部(停止部)で
生じます。

つまり、この棘上筋や棘下筋の付着部が変わったことで
今まで「棘上筋の断裂」と思われていたものが
「棘下筋の断裂」だった!

という可能性が高まったわけです。

 

さらには、僕たちコメディカルからすると
筋の走行のイメージも変えなくてはいけなくて

棘下筋が骨頭の上方を走行するため
棘下筋が「外転」にも十分関与することを理解しなければ
いけません。

 

わかりますか?

 

大結節付着部について

🔻棘上筋の停止部は上面で前方で狭く,時に小結節まで届く
→今まで棘上筋断裂だと思っていたものが棘下筋だった可能性が高い
🔻棘下筋が骨頭の上方を走行する
→棘下筋にも「外転」作用があることがわかる

2008年以降は腱板の付着部に大きな変化が起きた

 

大結節の触診方法

大結節の触診に関してはポイントが2つ

🔻烏口突起の外側に位置する
🔻上腕骨外側上顆の頭側に位置する

これについては以前YouTubeで動画をupしましたので
そちらを参考にしてください!

どうですか?

大結節の触診はこれを見ながらでもいいので練習してみて下さい

 

今回はここまでですが

大結節の知識は肩の臨床を行う上で”最低限”知っておいたほうが良い
知識になります。

 

今後もこのような肩の発信をしていきますんで、ぜひ楽しみにしていて下さい😄

ちなみに僕も執筆させていただいている
肩肘マガジンですがココではもっと臨床的なことを
語っています。

そして、無料部分も結構多いので一度覗いてみると
新しい発見があるかもしれません。^_^

あと、YouTubuでは肩の触診もそうですが
基礎的な知識や介入方法なども”無料”で公開しているので
興味があれば覗いてみて下さい。

 

 

ABOUT ME
志水
志水
理学療法士として整形外科クリニックで働いています。 『肩』を中心に、解剖学・運動学・生理学をベースに 『肩関節周囲炎・凍結肩・腱板損傷(断裂)・インピンジメント症候群』のリハビリを戦略的に行っています。 5年前からエコーを臨床で使っていますが、身体内を『可視化』することで得られる知見は計り知れないです。 『運動器リハにエコーは必須』というテーマで、今後は運動器リハをするセラピストにエコーの必要性を普及する活動をTwitterやYouTubeにて情報発信をしています❗
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