スポーツ

足関節捻挫の疫学と危険因子 

皆さん、こんにちは!CLINICIANSのyoshiki(@PtGekikaraです!

 

今回は日常生活やスポーツにおいて、一番受傷しやすい足関節捻挫について記載していきます。

足関節捻挫の種類

足関節捻挫には大きく分けて二種類あります。

 

内反捻挫と外反捻挫です!

 

内反捻挫は足関節底屈-内反にて生じます。(背屈位でも生じると報告あり)

 

日常生活においてはつまずいた際、スポーツでは切り返し動作、ジャンプからの着地などにより生じることが多いです。

 

内反捻挫の発生率は67%~85%と高く、前距腓靭帯の損傷は65~73%と最も頻度が高いです。踵腓靭帯の合併損傷は20%とされています。後距腓靭帯と踵腓靭帯の合併損傷は2%とかなり低いです。

 

外反捻挫も同様にスポーツや日常生活において生じますが、内反捻挫よりも頻度は少ないです。

 

外反捻挫では三角靭帯の損傷は3~14%と報告されており、スポーツ活動や報告者によって発生率は異なっています。

 

年齢・男女差

急性の足関節捻挫はスポーツ活動中に生じることが多く、35歳以下で生じることが多いと報告されています。

 

足関節捻挫の男女による発生率の違いに差は無いと報告されています。(報告者により異なる)

 

足関節捻挫は野球、サッカー、バスケットボール、バドミントン、バレーなど屋内外に関わらず発生します。

 

足関節捻挫の受傷メカニズム

足関節内反捻挫

受傷メカニズムとして足関節底屈-内反が強制されることで生じます。

 

内反捻挫では前距腓靭帯損傷が多く、外果よりも内果が短いため足関節が不安定であることや前距腓靭帯の破断強度が他の靭帯よりも低いことが挙げられています。

 

赤:三角靭帯 黄:前距腓靭帯 青:踵腓靭帯

 

前距腓靭帯について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!

 

前距腓靭帯を詳しく見る方はこちら

 

足関節外反捻挫

受傷メカニズムとしては足関節外反強制により生じます。外反捻挫は内反捻挫よりも発生率は低いです。

 

サッカーのインサイドキック、コンタクトプレーなどにより受傷することがあります。

 

外反捻挫は距骨が腓骨を外側へ押し上げるため、遠位脛腓靭帯を損傷する可能性もあります。

遠位脛腓靭帯損傷

前・後下脛腓靭帯、骨間靭帯(+骨間膜)から成る靭帯です。遠位脛腓靭帯の損傷は足関節過背屈、距骨外旋ストレスにより生じると考えられています。

 

遠位脛腓靭帯損傷について詳しく知りいたい方はこちらをご覧ください!

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足関節捻挫の危険因子

足関節捻挫の危険因子には内因性と外因性に分けらています。

内因性の危険因子として

  • 年齢
  • 性別
  • 体重
  • 既往歴
  • 可動域
  • 下肢筋力
  • 感覚低下
  • 姿勢バランスの低下
  • リハビリ介入の有無

などが挙げられます。

BMIが低い方?高い方?どちらが捻挫しやすい?

 

外因性の危険因子として

  • シューズ
  • フィールド
  • 技術レベル

などが挙げられます。

 

天然芝・人工芝どちらが捻挫しやすい?

 

今回はいくつかの文献を紹介し、内因性の危険因子について考えていきたいと思います。

 

文献1

まず始めに、2018年に発表されたガイドラインの中で紹介されている、内因性の危険因子について、記載したいと思います。このガイドラインはFreeで見ることが出来るので、皆さんも是非ご覧ください!

 

「Diagnosis, treatment and prevention of ankle sprains: update of an evidence-based clinical guideline」

 

こちらでは足関節背屈制限、バランス能力の低下(片脚立位)、BMI、走行時の足底内側の高い圧、筋力低下、耐久性・協調性の低下などが危険因子として挙げられています。または「新しい発見」として、女性だけでなく、低いBMIが足関節捻挫の潜在的な因子であると述べています。

 

文献2

では2つめの文献を見ていきましょう!

 

2019年の「足関節捻挫と慢性足関節不安定症のリスクファクター」の論文です!

 

「Risk Factors for Lateral Ankle Sprains and Chronic Ankle Instability」

 

こちらでは年齢、性別、身体組成、既往歴、筋力、姿勢バランスについて記載してあります。

 

その中で性別と身体組成はどのように記載してあるかというと...

 

「一般的な人口の中では発生率は男女で影響を与えない」

 

「大学のアスリートにおいても捻挫の最初の発生率は男女間で違いはなかった」

 

と記載しています。

 

おいおい...さっきと違うじゃない

 

じゃあ、身体組成(BMI)はどうなの?

 

過体重と高いBMIは、非接触性足関節捻挫の独立した予測因子と記載しています。

 

また、高校・大学サッカー選手を対象とした報告では高いBMIは独立した予測因子としています。

 

文献1と文献2の内容は全くと言っていいほど異なっています。

 

文献3

こちらは日本の小林先生が行われた、システマティクレビューとメタアナリシスです。

 

「Intrinsic Risk Factors of Lateral Ankle Sprain: A Systematic Review and  Meta-analysis」

 

高BMIと足関節捻挫の間には有意な相関があったものが1つ、有意な相関関係を示さなかったものが4つ。

 

う~ん...どっちつかず。

 

文献のまとめ

足関節捻挫のリスクファクターについての報告は多くあります。

 

一つの情報を鵜呑みにせず、自分なりに情報を集めて精査することをお勧めします!1つの文献を鵜呑みにすることは危険です。

 

足関節捻挫の危険因子の詳しい説明については、足マガジンで記載する予定です!(3月予定)

 

是非、皆さん一読いただければ幸いです!

 

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6年間、人工呼吸器、難病の方に携わる機会が殆どでしたが、尊敬する先生に出会い、直ぐ整形外科へ移動!その後2年間、本や研修会を漁り、現在に至る。echoの画像、触診動画撮影🎥をしたり、有益な文献を紹介しています❗️エコー画像や触診動画はYouTubeで無料公開しています。チャンネル登録お願いします♪ またnoteでは整形外科のマガジンも配信しています!気になる方はご覧ください!https://note.com/yk1208mj/m/mce5b2e51c11c
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