こんにちは、CLINICIANSのメンバーのしゅうです。
前回は初回介入時のクライエントに対する各療法の説明についてお話ししました。
前回の記事で少し触れているのですが、私自身、作業療法を説明する時の説明の難しさを感じています。
今回はそれに関して少し詳しくお話をしたいと思います。
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作業療法は説明しにくい?
特に一般の方に説明する際に難しいと感じています。
そこでよく説明に使うのが、
「手(上肢・うで・上半身)に対するリハビリです。」
「生活に関するリハビリです。」
かなと。私自身も実際そのように言っていました。
ここで今一度作業療法の定義を見て考えてみると以下の通りです。
作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。
引用元:日本作業療法士協会
ざっくりと解釈すれば『作業』に関して介入することが作業療法なのかな?と言えますね。
しかし、ここでまた難しいことがあります。
世間一般の多くの人は「作業(occupation)」という言葉にピンとこなければ「自分自身の作業」についても考えたことがないでしょう。
これは当たり前のことかなと思うので、そうなると、我々は作業療法士として「作業」というものを説明する必要があるのではないでしょうか。
背景にあるものは?
先に述べたような世間一般のこともあるでしょうが、先輩OT方の書籍(例:基礎作業学、精神障害と作業療法、某臨床OTの本)等を読む中で、作業療法の歴史も要因のひとつなのだろうと再認識するようになりました(様々な意見はあるかもしれませんが)。
作業療法はアメリカから始まります。
作業療法のはじまりは「道徳療法」と呼ばれるものでした。
精神疾患等を患った方を社会から排除していたことが基本的な考えだった時代、精神科医等が彼らを解放していったとされています。
ただ解放するだけではなく、治療に「作業(occupation)」を用い、日々のスケジュールを作っていきました。作業に従事できるよう、人との関わりができるように環境づくりにも取り組んでいったそうです。
そうして何が起こったかというと、対象者の状況がみるみる改善したそうです。
これには何かしらの要因がある!ということで注目されましたが、医師たちが始めたプログラムは個別性が高すぎ普遍的な再現性が低くなってしまいました。「作業(occupation)」の効果について、根拠で説明することが難しかったようです。
そこで何が起きたかというと、
人を機能的に見よう!
いわゆるパラダイムシフトです。
機械論的パラダイムにより機能面を見るようになった作業療法は、エビデンスに基づく結果を得ることができるようになりました。
しかし、ここでまた問題が生じます。
そもそも作業療法って何?という専門性の低下です。作業療法としての同一性が取れなくなっていきました。
そもそもが「作業(occupation)」を対象としていたはず。「作業(occupation)」は千差万別であり、その人の背景因子(個人や環境)による個別性が必ずあるはずなのにそこが置き去りとなり、背景因子なんて関係ないですよ~という状況になりました。
ちなみに、日本に作業療法が輸入されたのはこの頃(機械論的パラダイム)になるそうです。
お気づきの方もあるかもしれませんが、この時点でアメリカと日本の作業療法には大きな違いが生まれてしまっているのです。
アメリカ…作業が起点
日本…機能が起点
さて、話をアメリカへ戻すと、
このままじゃいけないと再びパラダイムシフトが起こります。
作業療法の原点、つまり道徳療法まで遡り「作業の効果」について着目していきました。
また、このパラダイムの変遷の中で様々な作業療法理論(例:人間作業モデル、作業遂行と結び付きのカナダモデル)が開発され(後には実践モデル(例:作業療法介入プロセスモデル)も作られました)、根拠を作り上げていきました。
さて、日本では・・・
機械論的パラダイムから始まっていますので、作業療法の捉え方は実にいろいろとあるのが現状です。このままじゃいけないという動きはあるのですが、起点が違うので戻れないのです。
そこでOTの諸先輩方の中に自主的に道徳療法時代まで遡り、作業療法の捉え方を改め、実践や後進の育成にあたられている方々がたくさんいらっしゃいます。
私自身もその恩恵に触れることが、今の自分自身の作業療法の捉え方があるかなと思っています。
私自身、今の臨床ではこの内容を踏まえ作業療法について大事にしつつ、対象者に説明をしつつ介入を行っています。
おわりに
歴史の部分をひも解くと日本の作業療法の現状がより理解できると思います。
学生時代に習っていることではありますが、臨床家となってここまで大切なものだったのか・・・と再認識しているところです。
セラピスト自身がどのような作業療法を展開するのかは自由です。
いろいろな考え方があることも分かっています。
ただ、やはり作業療法であるからには作業療法の捉え方でしっかりと作業療法を実践していく必要があるのではないでしょうか。
出力されるアプローチは何でもいいわけです。
手技・手法も何でもいいわけです。
ただ、そのアプローチに至った考え方(臨床思考)はしっかりと作業療法の捉え方になっているのでしょうか?
私自身まだまだ勉強中でありますが、作業療法について見つめ直すことも臨床力を上げるためには必要だと思います。
このような話をできるだけ後輩にも知って欲しいと思いつつ、私自身が臨床実習で担当する作業療法学生さんには話をしてみています。
本日はこれで終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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