作業療法

フローモデルと作業療法

こんにちは,作業療法士のu.s.OTです.

今回は,フローモデルの紹介をします^^

皆さん,フロー(Flow),もしくはフローモデルって聞いたことありますか?お風呂~ではありませんw

フローとは米国の心理学者であるチクセントミハイ(Csikszentmihalyi)が提唱したモデルであり,行為者の能力(skills)と挑戦感(challenges)とがほどよく一致した心理状態を指します.

近年,スポーツの世界ではゾーンという言葉が用いられますが,よく似ている概念です.

 

フローの特徴

チクセントミハイはフローの特徴を以下のように説明しています.

・自分の能力と課題の難易度とのバランスがちょうどよい

・行っていることに没頭(無我の境地)して集中している

・自分の心と身体が一体になっている感じがある

・自然に身体が動いていく感じ

・時間感覚の歪みを感じる(実際の時間より短く感じる,時間が止まっている感覚)

 

このようなフローを体験している心理状態の時,行為者は快感を得られ最高のパフォーマンスを発揮しモチベーションをさらに高めることができます.

フローを体験しやすい活動はスポーツに限らず将棋などの知的活動や楽器演奏,料理や仕事でも体験することができます.さらに,その活動をすること自体がモチベーション(自己目的的,内的報酬)となるとフロー状態に入りやすいそうです.

僕もちょうど今,記事を書きながらフローですw

 

フローの概念図

フローの概念図を紹介します.

どちらの図も縦軸が挑戦感(難易度)を示しており横軸は備えている能力(スキル)を示しています.

チクセントミハイは当初,左図を用いてフローを説明していましたが,その後研究を進め右図でフローを説明しています.左図では挑戦感とスキルのバランスが良いエリアをフローとしており,右図ではフローのエリアがより詳細に区画されています.右図の無気力エリアは左図ではフローのエリアでしたが難易度とスキルがあまりにも低いと無力感に陥りやすいという解釈ですね.納得^^

さて,右図ですが実はエリアごとに経験しやすい感情が報告されています.

フローのエリアでは【集中と幸福】,コントロールのエリアでは【幸福と自信】,リラックスのエリアでは【自信と満足】という具合にそれぞれエリアによって経験しやすい感情に違いがあります.

 

作業療法への応用

さあ,勘の鋭い方ならもうピンときましたよね^^

近年,フローモデルを応用した作業療法が注目されつつあります.いくつかの研究もありますので紹介しますね.

Yoshidaは一重盲検化RCTにて56名の高齢者を対象に挑戦感とスキルレベルを調整した結果,対照群と比較しコントロール群では健康関連QOLが有意に改善したと報告しています.

 

安永は4名の高齢者から自記式の作業ごとの挑戦感と技能を評価し,それらを日常生活の作業と照らし合わせ,より好ましいフローやコントロールのエリアの作業が増えるように支援した結果,生活満足度や不安感の軽減につながったと報告しています.

 

なかなか,興味深い取り組みですね^^

 

おわりに

さて,ここまでフローの説明や最近の研究を紹介してきましたが,臨床において目の前の対象者が自信を無くしていたり,無気力だったり,退屈そうにしている場面に遭遇することはありませんか?

今回,紹介したフローの概念をもとに対象者のリハメニューの課題設定や日常の作業の挑戦感とスキルレベルを評価すると,これまで表出されにくかった自信や満足感の感情表出につながるかもしれません.

 

本日は以上です.

最後まで読んで頂きありがとうございます.

ABOUT ME
たけ
たけ
理学療法士&ピラティスインストラクターとして姿勢・パフォーマンス改善の専門家として活動中!発信情報や経歴の詳細は以下のリンクよりご覧いただけます。
スポーツをしている方やトレーナーへおすすめしたいグッズ&トレーニングレッスン

 

スポーツに関わるなら絶対持っておきたいグッズ

特におすすめしたいのが全身の筋膜リリースや体幹トレーニングができちゃうフォームローラー!

一本持っているだけで全身を隈なく調整できちゃうのでちょーおすすめ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾アスリートや優秀なトレーナーの方は必ずマイフォームローラーを持っていって過言ではないです。

専門家がおすすめするフォームローラー4選

 

パフォーマンスを上げる必見レッスン

スポーツといえば動きを鍛えるトレーニングを行うことが非常に重要です。

そこでおすすめしたいのがピラティス!ピラティスは“動き”を鍛えるトレーニングとして注目されており、多くの有名アスリートも導入しているエクササイズです。

ピラティスインストクター資格を持っている代表たけの一番おすすめはPHIピラティスのレッスンですので興味がある方はぜひ一度受けてみてください!

インストラクター資格も取れますのでトレーナーの方も必見です。

PHI Pilates

 

なお、おすすめはPHI Pilatesですが、信頼がおけるだけありレッスンはそれなりに高額です。体験をしたいという程度であれば、有名どころで格安のbasisがおすすめ!体験レッスンは安すぎて驚きます。

↓basisピラティスレッスン↓

 

専門家向けYoutube動画

CLINICIANSのYoutubeでは臨床に役立つ動画を無料で公開しています!ぜひチャンネル登録を!

Youtubeを見てみる

 

一般向け体のケア&エクササイズ動画

こちらのYoutubeでは、専門家も勉強になる体のケアやパフォーマンスアップに関する動画を無料で公開しています!ぜひチャンネル登録を!

Youtubeを見てみる

 

スキルアップを倍加速させるnote

noteでは無料で体の専門家向けに結果の出せる評価・治療技術をお腹いっぱいになるぐらい充実のコンテンツで提供しています!こちらもぜひチェックを!!

noteを見てみる