はじめまして理学療法士&フットケアトレーナーのだいきです。
今回はCLINICIANS初投稿ですが、臨床で靴の評価を行うことの重要性について少し触れてみたいと思います。
靴を評価する上で不可欠な靴の各パーツの機能や、これからみた臨床でよくある患者さんの靴に対する勘違いをわかりやすくまとめてみました。
臨床で評価の第一選択枝として靴を見る機会がない方はぜひご覧ください!
臨床で靴を評価していますか?
普段、皆さんは臨床で立位のアライメントや歩行を評価する際にどこに着目されていますか?
肩の高さ…
体幹の回旋…
蹴り出しのタイミング…
それぞれに考えがあって良いことだと思いますが、リハビリ室で評価する際にもうひとつ見るところがあると思います。
それは、患者さんの足元。。。
そう!靴です!
たとえば、極端な話をすると靴の片側がすり減っていれば、それだけで両足の高さに左右差が生じ、立位アライメントが崩れるかもしれません。
大きなブカブカの靴を履いているとそれだけで歩行がしづらくなっているのかもしれません。
つまり、臨床で患者さんやクライアントの方が靴を履いている以上は、靴は姿勢やパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
今回、僕はフットケアトレーナーとしてまずは靴を見ることも重要であるという点に関して少し触れてみたいと思います。
患者さんもですが、僕はセラピスト自身も自分の履物には無関心な方が居ると感じています…
靴の役割と各パーツの名称について
靴の一般的な役割としては
足(つま先等)の保護や足の機能の補助
があります。
また、靴はこのような機能を果たすために様々なパーツで構成されています。
よって、靴の評価を行う際には、これらのパーツの名称と機能を知っておかなければなりません。
まずは簡単にですが靴のパーツについてご説明します。
①履き口…広いと履きやすいですが脱げやすくもなります
②アッパー…足の甲を抑えるもの
③カウンター…踵骨を安定させる
④中敷き…足底面に当たる部分
⑤靴底…中足部の伸展の動きを補助したり、つま先が上がってるものもあり、つま先の引っ掛かりを予防します
⑥調整具…紐、ファスナー、マジックベルト等 種類が有ります。中には調整具が無いタイプもあります(スリッポン等)
聞きなれない名称だと思いますので、慣れるまでは少しわかりにくいかもしれませんがこちらを確認しながら読み進めてみてください。
歩行しやすい靴の条件とよくある患者さんの勘違い
前述した靴のパーツからみて歩行する際に特に良いと言われる靴の条件は以下の通りです。
・カウンターが長く、硬く歩行の際に後足部が安定するもの
・調整具がありアッパーの部分を足の甲にフィットさせられるもの
・中敷きにアーチサポートが付いていて足底部のアーチを補助出来るもの
・本底の曲がりが足部の中足指節関節の伸展の妨げにならないもの
・足のサイズに適合したもの
(※サイズについては次回解説)
よく臨床で聞く患者さんの声には以下のような勘違いがあります。
軽いと歩きやすいと思って!!
⇒靴はある程度重さがあった方が遊脚の際に降り出す慣性が働きやすいと言われています
履くのが楽なの!!
⇒ということは脱げてしまいやすいですよね。歩きにくかったり、転倒の原因にもなるかもしれません。
踵踏んで履いてしまっている
⇒カウンターが潰れてしまい踵骨が固定できないかもしれません。
柔らかい靴で足にフィットするの!
⇒本底も柔らかくて歩行の際に中足部の屈伸の妨げになっているかもしれません。
これらはあくまで靴の各パーツの機能からみた見解であり、患者さんのニーズやリハビリでの用途があるので必ずこの条件が揃うと良いというわけではありません。
例えば移動のメインがベッドと車椅子間で有れば着脱がしやすく、つま先が保護できる履物の方が良い場合もあると思います。
ただ、歩行練習がメインのリハビリの際や患者さんからリハビリに使用する靴の問い合わせがあった時に、このような靴の機能の基本を知っていれば、靴が問題でなにかしらのパフォーマンス低下をきたしている場合に良いアドバイスにつながるものだと思います。
今回の内容が、みなさんの臨床の中で少しでも参考になり、靴の方にも注目していただける機会になければ幸いです。
また、今回のようなフットケアに関する投稿は今後何回かに分けて行なっていく予定です。
次回は足のサイズに適合した靴について投稿します。
4、参考資料
本日は以上で終わりです。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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