こんにちは、理学療法士&フットケアトレーナーのだいきです。
これまでの投稿では履物と足サイズの適合についてお話しました。
本日は実際に靴と足のフィッティングを評価する方法についてご紹介します。
今すぐにでも実践できる靴と足のフィッティング方法を一般の方から専門家の方まで、わかりやすく解説しましたのでぜひご覧ください♪
ざっくり内容を見る
足が靴にフィットするということ
着目する点は踵の部分です。
靴のパーツの名称でもお話しましたが靴のパーツの中にカウンターといって靴の踵の部分に硬いパーツが入っています。
踵骨を包み込むように靴がホールドすることで歩行の際、特に歩行周期の接地期において足部全体の過度な側方動揺を軽減させます。
下図のように足(踵)が靴(カウンター)に収まっている状態が踵(足)と靴が適合した状態だといえます。
適合していないだけで歩きにくかったり、踵の部分に靴ずれができたり、痛みにつながるケースもあります。
実際に評価方法について解説していきます。とっても簡単です(笑)
履いた後に評価すること
先ほどの話も踏まえて下図のように少し踵上げをしてもらい評価者が靴の踵の部分を把持して踵がずれないかどうかを見るだけです。
座位でも立位でも構いません。
この場合はカウンターの部分(赤)から踵(黄色)がはみ出してしまっています。適合していない状態だといえます。
適合している状態は、下図のようにカウンターの部分(赤)と踵(黄色)の位置がそろっている状態です。
どんなに高価な靴でも、サイズの適合した靴であっても、靴の履き方がしっかりしていないと靴の機能を発揮できません。
歩行周期において立脚相は62%、遊脚相は38%といわれています。
その立脚相の0~27%の期間は接地期といわれています。
その接地期に靴の履き方が間違っている(カウンターに踵骨がホールドされていない)と歩き出しから歩行が不安定な状態に陥ってしまう…なんてことにもなりかねません。
【小川ら1998】
若年健常者を対象としてリハビリシューズ(カウンターが柔らかい)、スポーツシューズ(カウンターが固い)を履いた状態で重心移動の計測を実施しスポーツシューズの方が重心動揺が軽減した。【阿部ら2017】
カウンターの有る靴、無い靴をぞれぞれ装着した状態での重心動揺を計測しカウンターの有る靴を装着したほうが踵部の安定性が向上し後方への立位バランス制御に貢献することが示唆された。
これらの報告のように、カウンターの機能発揮はパフォーマンスの向上につながります。
今回の内容は今すぐにでも臨床で簡単に実施できる評価なので、まずは実践してみてはいかがでしょうか?
靴の機能を発揮できる正しい履き方に関しては次回以降でもう少し詳しく解説していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!
参考文献
・理学療法士のための足と靴のみかた [ 坂口顕 ]
・小川美奈子 他,靴の種類が静的バランスに及ぼす影響,東北理学療法学,1998.
・阿部玄治 他,靴のヒールカウンターが立位バランス制御に与える影響,東北理学療法学,2017.
・結果の出せる整形外科理学療法 運動連鎖から全身をみる [ 山口光国 ]
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