こんにちは、CLINICIANSの代表のたけ(@RihaClinicians )です!
本日は重症筋無力症の重症度が一目でわかるまとめ記事ですので、さくっと重症度を調べたい方は必見です!
なお、重症筋無力症の概要については前回の記事をご参照ください。
重症度について
重症筋無力症の重症度はMGFA分類が一般的に広く用いられます。
治療効果の判定や臨床試験で用いられるのがquantitative MG(QMG)scoreです。
定量的重症度スケールとしてQMG scoreの改訂として作成されたのが、The Myasthenia Gravis Composite scale(MG composite scale)です。
MGの治療効果は、臨床的なMG症状の改善あるいはステロイドの減量効果により効果判定されています。
しかし、MGの症状は日内変動や日差変動、疲労の程度により変化する可能性があり、短時間の評価では治療判定が難しいです。
医療者の判断と患者の自覚症状や障害の認識に違いを生じることがあるため、MGの臨床的な特徴を念頭に置いた疾患特異的なQOLスケールを用いる必要もあります。
スケールの種類は上述したものに加えて、患者申告に基づくMG activities of daily living profile (MG-ADL)、MG-specific QOL scale(MG-QOL15)があり、MG-QOL15は日本語版があります。
>Masuda M,Utsugisawa K,Suzuki S et al:The MG-QOL15Japanese version:validation and association with clinical factors.Muscle Nerve 46:166-173,2012
MGFA分類
重症筋無力症の重症度はMGFA分類を使用します。
球症状や呼吸筋障害が出現する場合は、重篤であり入院治療を含めた慎重な対応が必要です。
QMG score
治療効果の判定や臨床試験でも使用しているのがQMGscoreです。
13項目からなり、スコアが高いほど重症になります。
日常生活のなかで四肢の易疲労性が反映されやすい動作(夜の洗髪、ドライヤーの使用、歯磨き、洗濯物干し、和え物の調理など)、眼筋の易疲労性が生じやすい動作(長時間のパソコン業務、長時間の運転など)について積極的に病歴を聴取します。
易疲労性が疑われる場合、1回の筋力評価が正常であっても、QMGスコアの評価項目に準じて筋の易疲労性を評価します。
QMGスコアでは上肢挙上持続時間の正常基準は4分以上とされているが、これをクリアできない健常人もいます(特に中年期以降)。
若年者、スポーツ選手などの例外はありますが、生活に支障を生じる易疲労性に相応するレベルとして上肢挙上持続およそ2分以下、下肢挙上持続およそ60秒以下を一応の目安としているものもあります。
球症状はQMGスコアの項目よりも詳しい病歴のほうが感度は高いです。
握力は5回連続で測定を行い25%以上の握力低下が見られる場合は病的な易疲労性の可能性が高いです。
MG composite scale
客観的な診察所見と患者の主観を総合して定量的に評価できるものがMG composite scaleです。
参考資料
1)鈴木、鈴木:重症筋無力症 神経・筋疾患の病態と診断・治療(Ⅲ)、医学と薬学、第68巻、第3号、2012.9 421-426
2)太田、本村:アセチルコリン受容体抗体陰性の重症筋無力症に認められる自己抗体 神経・筋疾患の最近の進歩(3)、Presented by Medical Online、62;3.2014 255-260
3)川口直樹:重症筋無力症治療の進歩、神経治療、Vol.31 No.2,2014,140-144
4)槍沢公明:重症筋無力症の診断、医学のあゆみ、Vol.255 No.5 2015,455-460
簡単ですが、本日は以上で終わります。
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました!
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