脳・神経

ギラン・バレー症候群の亜型のFisher症候群

“たけ”
“たけ”
こんにちは、CLINICIANSの代表のたけ(@RihaClinicians です!

今回はギラン・バレー症候群の「亜型のFisher症候群」についてご説明します。

ギラン・バレー症候群の病態がよくわからない方はまずはこちらの記事をご覧ください。

これで分かる!ギラン・バレー症候群!〜経過、臨床症状、病態、重症度と診断基準まとめ〜ギラン・バレー症候群について知りたいですか?本記事では、ギラン・バレー症候群の経過、臨床症状、病態、重症度と診断基準について丁寧にまとめて解説しています。ギラン・バレー症候群をマスターしたい方は必見です!...

 

ギラン・バレー症候群の亜型のFisher症候群とは?

Fisher症候群は、ギラン・バレー症候群の亜型といわれています。

Fisher症候群は、急性に発症する外眼筋麻痺運動失調深部腱反射の低下の3徴を認めます。

先行感染は、カンピロバクター・ジェジュニが関与しており、急性期には、抗ガングリオシド抗体が陽性となります。

その中でも抗GQ1b抗体が陽性となります。

これは、外転神経、滑車神経、動眼神経の髄外部のランヴィエ絞輪部周、シュワン細胞に多いです。

 

発症年齢や性別、時期

Fisher症候群の発症年齢はあらゆる年代に発症します。

性別は男性に多いです。

発症する時期は、春から夏にかけて多く発症します。

 

診断基準(大野案)

急性の両眼あるいは複数の外眼筋麻痺が認められ、頭部磁気共鳴画像法(MRI)で圧迫性病変・頭蓋内圧充進を含む異常が認められない症例において、大項目2つを満たす症例、もしくは大項目1つを満たし、かつ小項目1つを満たす症例となっています。

大項目

①抗ガングリオシド抗体陽性
②先行感染の存在

小項目

①四肢のしびれ・異常感覚
②眼瞼下垂
③顔面神経麻痺
④瞳孔異常
⑤眼球運動痛
⑥髄液の蛋白細胞解離

 

ギラン・バレー症候群とFisher症候群の違い

ギラン・バレー症候群とFisher症候群の違いは以下のような点です。

ギラン・バレー症候群では“四肢の筋力低下、腱反射低下”

Fisher症候群では“外眼筋麻痺による複視、運動失調”

Fisher症候群のほうが再発しやすいが重症化を除いて予後良好

 

症状や予後が違うだけであり、医学的な治療内容は他と相違ありません。

治療に関しては以下をご覧ください。

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Fisher症候群のリハビリテーション

Fisher症候群の理学療法内容は、ギラン・バレー症候群と同様です。

医学的な治療を行う際の注意点は以下をご覧ください。

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治療プログラムで特記するところがあるとすれば、失調症状に対する運動療法を行なったり、複視も出るので転倒への注意がより必要、自立の判断を慎重に行うという点ぐらいだと思います。

 

終わりに

今回はギラン・バレー症候群の亜型であるFisher症候群についてのお話をしました。

基本的には医学的治療はギラン・バレー症候群と変わりはないですが、予後や症状が違いのでこの点を踏まえてリハビリテーションプログラムを構成するように気をつけましょう。

 

 

本日は以上で終わりです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

参考資料

1)江藤, 梅野,他:ギランバレー症候群に対する治療と理学療法,PTジャーナル,47(12);2013:1053-1059.
2)国分,桑原:Guillain-Barre症候群の電気診断,臨床神経生理学,41(2);2013.4:103-111.
3)大野,三村,他:Fisher症候群19例の臨床解析,日眼会誌,119(2);2015.2:63-67.
4)野村:免疫グロブリン大量静注療法の基本とpitfall,神経治療,31(2);2014:183-187.
5)海田:Guillain-Barre症候群の予後因子,臨床神経学、53(11);2013.11:1315-1318.
6)大野:Fisher症候群,神経眼科,31(1);2014:28-35.
7)東原:Guillain-Barre症候群の自律神経障害への治療,神経治療,30(1);2013:16-21.
8)楠:ギラン・バレー症候群,検査と技術,40(1);2012:6-10.
9)森:ギラン・バレー症候群,耳喉頭頸,85(6);2013:438-442.
10)尾花:43.ギランバレー症候群のリハビリテーション,総合リハ,40(5);2012:680-683.

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